詩集

                                

                                          きもとけいし 作

喜んで

 怒って

 哀しんで

 楽しんで

 感情はころころ変わる

 自分ながら阿呆みたいに

 想う

 突然な喜怒哀楽の変化

 目まぐるしい感情の起伏

 僕のは激しい感情

 人間の人生ってこれの繰り返し

 喜んで怒って哀しんで楽しんで

 それだからおもしろいのかなあ

 感情の変化があるから面白い

 でも、僕の感情の激変は

 迷惑、・・・だよね

 主治医の一言、

 「またいいことあるでしょ」

 人間、喜怒哀楽、喜怒哀楽

 

 

 

 太っていて悪かったな

 デブで悪かったな

 俺だって薬を飲む前は

 発病する前は、

 細かったんだっ

 スリムだったんだっ

 顔面だってむくんでいなかった

 腹だって出ていなかった

 好きで太っていたんではない

 薬太りだ、抗精神病薬の

 薬太りだ

 太っていて悪かったな

 デブで悪かったな

 肉丸くんで悪かったな

 細い奴が羨ましい

 痩せたいなあ

 

 

 

 人々は俺のことを

 ロリコンだと言うが

 当たってはいないけれど

 外れてはいない

 俺は若い娘が好きだもの

 年がいっているよりは

 若い娘がいいなあ

 そして俺はかわいい娘が

 好きなんだ

 そして俺は可憐な娘が

 好みなんだ

 

 まあ、そういう風に当人の

 いない所で談話で笑い者にしている

 そんな人々を何者であろうと

 俺は軽蔑する

 俺は軽蔑する

 まあ、ロリコンの風評でも、

 良いことはないが、

 俺が若くて可憐な娘が趣味なのは

 事実である、それは認める

 そして俺は風評する人々を

 断固軽蔑する

 

 

 

 僕の小指の赤い糸は

 途中で切れている

 この世には居ないのかな

 この世では邂逅できないのかな

 それではつまらないな

 これでは淋しいな

 僕のベターハーフよ

 返事をしておくれよ

 僕のベターハーフよ

 この世界に居るのかい

 この世に居るのかい

 居るのならば、

 返事をしておくれよ

 合図をしておくれよ

 この世に居るのならば

 僕は淋しい、寂しい、

 淋しいんだよ

 

 

 

 人々が集まるところ

 喧噪が聞こえる

 強いもの、弱いもの、

 立ち回りの上手な奴、

 立ち回りの下手な奴、

 騒がしい人、

 静かな人、

 そこに調和があれば

 そこに平穏があれば

 人々は静かな

 時を過ごせるだろう

 人々はたおやかな

 時間を刻めるだろう

 全ては個人個人の

 心がけしだい

 心がけしだいなのだ

 

 

 

 世の中に蹴飛ばされ

 世界から弾き飛ばされ

 満身創痍の心で

 馬鹿にされるだけ

 馬鹿にされて

 そして馬鹿が得するこの世界

 何も聞こえず、

 何も見えず、

 何も信じられない

 暗雲垂れ光明は無し

 砂漠の荒野を手探りで

 這い回ったり立ち止まったり

 解放されたいと想うこの気持ち

 敗者の心情、勝者には分からぬ

 敗者の心情、勝者には理解は出来ぬ

 そして、何も求められず

 そして、何も得られず

 孤独の黒い炎に焼かれる

 この腐敗した胸の中

 いつまで続くのか

 いつまで続くのか

 無限地獄、この孤独地獄

 病魔が笑っている、

 みんなが笑っている

 

 

 

 僕の希望は、

 僕の望みは

 僕の夢は

 まるで、消えそうな

 風前の灯

 はかなく、はかなく

 陽炎のような夢

 蜃気楼のような望み

 薄い存在の希望

 このまま消えて、

 消えてしまうんだね

 

 

 

 出来損ない

 歪な精神

 精神の奇形

 喜べ、喜べ、喜べ、

 出来損ないに

 生まれたことを

 歪な精神の持ち主よ

 笑え、笑え、笑え、

 精神の奇形を

 自慢することを

 そのような因子の持ち主として

 この世に生まれた不幸を

 笑え、笑え、笑え、

 自覚した自分のことをも自嘲する

 そして、

 昨日も今日も明日も

 指さされ笑われる己を笑え

 

 

 

 そうれ、人生お祭りだァ

 一度限りのお祭りだァ

 泣いても笑っても、

 怒っても憂いでも、

 成功しても失敗しても、

 そうれ、人生お祭りだァ

 楽しもうぜ、この人生、

 ここまで生きてきたら、

 楽しまなければ損損、

 マイナスをプラスに変換して、

 そのやり方さえ取得すれば、

 悲しみを楽しみに変換して、

 怒りを安らぎに変換して、

 それができればこっちのモンさ、

 そうれ、人生お祭りだァ、

 楽しまなければ損損、

 損とくりゃあっ

 

 

 

 しんしん

 しんしん

 と雪が降っている

 鉛色の空の真ん中に

 雪の降っている

 その真ん中に

 僕はあなたの影を観た

 しんしん

 しんしん

 寒いね

 寒いよ

 温めておくれよ、あなた

 僕の冷え切った身体を

 あなたの温かい身体で

 しんしん

 しんしん

 微笑んで

 微笑んであなたの影は

 雪の降るその鉛色の空に

 溶けていった

 溶けていった



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