クラッチレバー&ケーブルに高性能潤滑剤を使ってみました
Q. クラッチレバー基部、タイコ部、ワイヤーにGRP等の高性能オイル/グリスを使用すればクラッチ操作はラクになるのでしょうか?

A. クラッチレバーは軽快に動くようになります。しかし、単純にラクになるかと聞かれると...。 

で、結局どうなるの?
各部のフリクションは低減されますので操作感はあきらかに軽快になります。
しかし、フリクションが減ってしまうがゆえに、クラッチのバネの反力が今まであったフリクションに邪魔されることなくダイレクトにレバーを握りきった時の保持力に跳ね返ってきてしまいます。
握っていく時に必要な力はフリクションの低減分軽減されても、クラッチを切りきった時に必要な握力は以前よりフリクション低減分大きくなるのです。
ですので渋滞では以前より腕が疲れやすくなったという方もおられるようです。(ソース=CLUB"BMW"

私自身はフリクションがなくなって操作感が向上した部分にメリットを感じ、バネの反力がダイレクトになることについては苦にならなかったので、GRP&ティキソグリスを使用して得られた結果に大いに満足しています。
実際に高性能オイル、グリスを使用される場合は上記のメリット、デメリットを勘案された上で実行されるのが良いと思います。

おまけ:R11GSのクラッチまわり。
R11GSは多くの国産車と違いタイコ部にワイヤの首ふり防止を狙ったメタルみたいな金具を使っていません。ですので首振りしやすく動作時のフリクションも大きめみたいです。
ワイヤーケーブルはクラッチレバー側のアジャスタ基部を見ればわかるのですが、国産車一般と比べ雨水等が入りにくい構造となっています。
そうゆう構造なので一般市販されているワイヤインジェクターで注油することは難しいです。
なお四輪ではクラッチなどのワイヤーケーブルに注油するとゆう事は無いそうです。
四輪専門の人に「ワイヤーインジェクターってなに?」って聞かれて驚いたことが有りました。
BMW(二輪)は国産バイクと比較すると四輪の方に近い部分が多くあるようなので、BMWは二輪も四輪と同じくワイヤーケーブルはメンテナンスフリーに、との流れで考えているのかもです。

備考:ミリテックを注油した事のあるワイヤケーブルにGRPを使用してしばらくすると、クラッチレバーを握った時の手応えが妙に「ゴワゴワ」としたものになりました。この現象はGRPが金属表面に付着している古い潤滑成分を落としてしまうのが理由だそうです。潤滑の主役がGRPに置き換わるまでの一時的な現象なので特に心配する事は有りません。すぐにスカスカ動くようになります。かくゆう私は初めての時、アクでも噛んだかのような渋い感触にびっくりしてしまいました。(R11GS(94)とヤマハ/TDR80で経験しました)


1999.2.27 追記:

GRPをエンジンオイルに使用した時、エンジンブレーキが弱くなったといわれる状態と少し似てるように思いました。フリクションそのものは大きく減りますので実際にエンジンブレーキは弱くなるのですが、圧縮が抜けたかのようなスカスカ感はなく、空気をしっかりと圧縮しているといったエンジンからの反力はしっかりと体感できます。エンジンブレーキそのものは添加以前と変わらずしっかりと効いているのです。
あ...トルクコンバーターを使ったオートマ車ではそこらへん、わかりにくいかもです。


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