ボールベアリングにGRPを使ってみました。
身近な例として...自転車の車軸(ハブ)に使われているボールベアリングに注目しました
自動車、二輪(自転車含む)の各部にはボールベアリングが使用されています。
回転軸をスムーズにまわすのに具合の良い仕掛けです。
自転車でしたら前輪をひょいと持ち上げて車輪をまわすと
すぐには止まらずしばらく回り続けます。

ボールベアリング内部のボールとリングが接触するところは点です。
点とは理屈の上では面積の無いものなので、荷重が極小であったとしても極圧は無限大となります。
といっても実際には点に見えるところにも面積は有ります。
それに荷重が掛かればボールとその接触面が変型して(つぶれて)小さな面を作ります。
変型するといっても荷重が抜ければ元に戻る程度の変型です。
それを「弾性変形」といいます。

なんにしてもボールの表面には結構な極圧が掛かる事になります。
極圧にさらされるのはなにも自動車のエンジン内部や変速機内に有るボールベアリングだけでは有りません。身近なところでは自転車のハブがそうなのです。

昔から自転車は大好きで、今も通勤通学買物etc.に日々活用しています。
数年前からはマウンテンバイクを愛用しています。
フレームはタンゲで、変速機はシマノのデオーレのです。
手入れはしっかりしている方だと思います。

自転車の動力源は人間の足の力です。
出力にしたらたいした事ないので、少しのフリクションもヤなものです。
だって、ムダにしんどいとどんな事でも楽しくなくなりますから。

チェーンやベアリング部に使用する潤滑剤はいろいろ試しました。
余談....バイク用のチェーンオイルを自転車用に使うと、
 もちろん耐久性はとても良いのですが粘度が高く
 ペダリングのフリクションとなってしまいました。
 やっぱり餅は餅屋で自転車用のチェーンオイルが一番だなと思いました。

どれも悪くは無かったですが、決定的なものは有りませんでした。
取りあえず自転車屋お勧めのエバーズの自転車用のを定番的に使っていました。

紆余曲折有りGRP製のグリスを自転車のチェーンに使ってみる事になりました。
私の使った最初のGRP商品はGRPグリス(ティキソグリス)なのです。
まずチェーンクリーナーとペーパータオルを使い古い油分と汚れを落とし、
軽くGRPグリスを吹付けました。あまり多いと汚れの元となるので適量です。

チェーンにGRPグリスを使ってみて最初の空回しの時はなんでも無かったのですが、
実際にまたがってペダルを漕いでみて驚きました。
金属の軋む感じが少なくなり、無駄無くふとももの力が前に進む力に変換されているのが体感できたからです。
この感触の違いは最初だけでなく、走行を重ねるたびにどんどん良くなっていきました。

続いて各部のボールベアリングに使うことにしました。
なにやらGRPグリスには相性の悪いグリスが有るらしく、(関連情報リンク...英語です)
できれば古いグリスはきれいに洗浄するのが良いとのことでした。
しかし、現実には少し面倒な事です。
実際問題、自転車や自動車一般に使用されているグリスで問題を起こすものは
まず無いとの判断で、ずぼらにハブベアリング部に隙間からブシューとかけて
クルクルまわし、グリスを程々に馴染まさせて作業はおしまいとしました。
(あああ、なんて雑なんだ)
効果の程はウソ臭い程の効きでした。
最初はぼちぼちだったのですが、走り込むごとに軽くなり
いまでは前輪をから回しすると、いつまで回っているのか?ってくらいです。
実際の走行はもうラクラクです。
心肺機能の衰えてきた身には、もうたまらんありがたさです。
自転車に乗るたび、ひとり嬉しさをかみしめています。

いままであまり気にしていなかったのですが、
自転車の各部には結構な極圧が掛かる部分がたくさんあったのだと気付きました。


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