最中の秘密


なにやら日本の景気はとても悪いのだそうです。
新車の売れゆきが悪いとか、コンピューターももひとつ売れていないとかの話をマスコミでよく見聞きします。
ふと我が事を考えると、車もバイクもコンピューターも...(以下大幅省略)いろいろ欲しいですし、それを購入できる程度のお金は手元に有るつもりです。
でもいざ購入を考えさせるほどの魅力的な商品が市場に無いのです。
しかし、私はこの日本から魅力的な商品を製造する基本的な能力が失われたとは思っていません。

ふと、あることを思い出しました。

京都には数多くのお菓子屋が有ります。
それだけの需要が有るということですが、競争もそれに見合ってきびしいです。
有名な老舗も新興店も菓子(商品)に魅力がなければ消え去るのみです。
義理や人情に縛られないクールな資本主義の原則がここでは貫かれています。
 実態はそんなに大げさなものでなく、みんな自分の舌に正直なだけです。

「最中」という和菓子、みなさん御存知ですよね。
 「さいちゅう」ではありません「もなか」です。
最中は皮とあんで成り立つシンプルな和菓子です。
ですので中のあんの質が悪かったり、皮がもひとつだったりするとどうにもなりません。
もちろん、うまい最中はたまらん旨さです。(イカン、よだれが出てきた)
京都には「あんこ屋」と「もなかのかわ屋」というのがあります。
和菓子屋は、あんこはあんこ屋から買い、もなかの皮はもなかのかわ屋から買います。
菓子屋ですることはそれを組みあわせて包装し、売ることです。
 (すべての店がそうだと言っているわけではありません)
もなかのかわ屋はその店専用の金型を使い、注文に応じて焼き上げます。
あんこ屋は和菓子屋から指定された小豆、砂糖を使い注文(レシピ)通りに作ります。

それを知って「なんだ、その店で直接作っていないのか」と悪くいう人がいます。
実は和菓子屋のそんな事情は顧客には直接関係ないのです。
その最中がうまいか、そうでないか、それは代価に見合ったものであるかが、ただひたすら重要なのです。
菓子屋が知っていなければならないのは、
客の喜ぶおいしい菓子(商品)をどうすれば創ることができるのか...ということなのです。


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