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鶴橋・高麗市場にて
黒い鉄骨を組んだ上にある半透明のアーケードから、薄暗い光がさしこむ。幅1メートル
ほどの通路が迷路のように入り組んでいる。鶴橋・高麗市場は熱気に溢れている。万国旗が通路を横切るように張り巡らされ、その下をいろいろな人々が行き交
う。大阪環状線鶴橋駅を降りて南東へ。天王寺区と生野区にまたがる、戦前からある古い商店街である。
再開発のため何度か政府が買い上げ、空き地になった土地に、自然発生的に生まれた。高麗というだけあって、キムチや、チヂミを売る店があり、チマ・チョ
ゴリの美しいショーウインドウがあり、衣料品店、乾物屋などが軒を並べる。「コピー商品お探しお断り」と書かれた店のすぐ向かいで、CHANELや
Diorの文字が躍る洋品店がある。軒先で、「社長元気にしたはるか?」と中年の男性が店員に声をかける。「社長によろしく言っといてや」。「ネーエ、カ
ムサハムニダ」。答えるほうは韓国語。乾物屋などを見て歩く。歩くだけでかなりの歩行距離になる。海苔やナツメ、丸のままの胡桃が売られていた。鮮魚の店
では、名前の分からない魚が開きにされて焼かれている。鶴橋駅のガード下すぐの、「チェおばさんのキムチ」でオーソドックスな白菜のキムチを500グラム
450円で買う。試食してみると実においしい。そんなに辛くはなく、白菜のしゃきしゃき感の残るやさしい味だ。他にも胡瓜や大根などのキムチがある。
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