法定速度について

2006.06.04更新


法定速度
本線車道とは、高速道路で通常高速走行する部分で、路側帯、路肩、加速車線、減速車線、登坂車線は含まない。
車 種 一般道(km/h) 本線道路(km/h)
自動車 大型乗用自動車
普通乗用自動車(三輪のもの、けん引自動車を除く)
軽自動車
大型自動二輪
普通自動二輪(黄色やピンクナンバーのいわゆる原付二種は、普通二輪車小型限定である。)
60 100
大型貨物自動車(最大積載量5000s以上の貨物自動車)
三輪の普通自動車
大型特殊自動車
けん引自動車(トレーラー)     
60 80
原動機付自転車 30 -
小型特殊自動車(構造上15km/h以上で走れない構造になっている。) 15 -
故障車などをけん引するとき 2,000kg以下の車を総重量がその3倍以上の車でけん引するとき 40 -
125cc以下の自動二輪車や原動機付自転車でけん引するとき 25 -
上記以外の場合で、自動車を牽引するとき 30 -

緊急自動車の制限速度
緊急自動車の制限速度は道路交通法によって定められており、緊急走行時の最高速度は、高速道路の本線は100km/h、本線以外の箇所(本線までの支流区間など)は80km/hと定められている。また、一般道における最高速度は80km/hと規定されている。ちなみに、最高速度に違反する車輌などを取り締まる場合における緊急自動車は、最高速度に関する規定は適用されない。踏切通過時の一時停止の必要もない。


制限速度120km/h実証実験
新東名高速自動車道の新静岡IC〜森掛川ICの約50kmの区間(2017年11月から)、東北自動車道の花巻南IC〜盛岡南ICの約27kmの区間(2017年12月から)それぞれ最高速度が110q/hへ引き上げられる試行がされた。2019年3月からは同区間約50kmで最高速度120km/hへ引き上げられた。
対象となる車両は大型乗用自動車(大型バスなど)、中型乗用自動車(マイクロバスなど)、特定中型貨物自動車を除いた中型貨物自動車(車両総重量8トン未満、最大積載量5トン未満)、準中型自動車、普通自動車(軽自動車も含む)、125ccを超える自動二輪車であり、大型トラックやトレーラーなどは最高速度が80km/hに据え置かれる。なお特定中型貨物自動車とは中型自動車のうち、車両総重量が8トン以上、最大積載量が5トン以上、乗車定員が11人以上のもので、平成16年の道路交通法改正で中型自動車の区分が新設される以前は大型自動車に分類されていた車両で、貨物用のものは特定中型貨物自動車、乗用のものは特定中型乗用自動車と呼ばれる。

最高速度110km/hを試行した結果
○ 人身事故は減少、物件事故は増加、全体では微増
○ 実勢速度は、試行前とほぼ変化がない
○ 死傷事故率は、上り線は減少、下り線は若干の増加
○ 著しい速度超過車両による交通事故の発生はない
○ 利用者へのアンケート調査では、最高速度の引上げに肯定的な意見が過半数

・設計速度120kmhで、実勢速度も100km/hを超える交通流であること
・死傷事故率が高くないこと
・距離20km以上連続で、120km/hの引き上げが可能なこと
・最高速度が引き上げられても、道路状況や交通状況が安全で円滑な通行を妨げないこと

アメリカのハイウエイについて
ご存知のようにアメリカには基本有料道路はなくて、ハイウエイが無料で整備されている。制限速度は、時速65mph(104km/h)が基本。場所によっては、70mph(112km/h)や75mph(120km/h)という場合もある。一般的には市街地では時速25〜45mph、一般道では35〜65mph、フリーウェイでは55〜75mphが制限速度になっている。


何度か生まれ故郷のアメリカに旅行した時に、日本と異なる道路事情で気づいた点を挙げてみる。

・右側通行左ハンドル。全世界の160程度の国や地域が右側通行を採用しているようだ。
全世界的には右側通行が主流。左側通行は日本以外だとイギリスが代表格。他にはオーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニア、インド、香港、ケニア、南アフリカ共和国などかつてイギリスの植民地であった地域が多く、55ケ国、全体の約1/4である。日本でも沖縄だけは数寄な運命をたどった。沖縄は日本の領土だが戦後の20年ほどはアメリカの施政権下にあった。沖縄の返還は1972年だったが、返還後もしばらくの間は右側通行のままであった。沖縄が左側通行となったのは、返還から6年後の1978年7月30日に行われたために、この出来事は730(ナナサンマル)と言われている。日本で左側通行が明文化されたのは、明治14年の警察庁通達で「車馬や人力車が行き合った場合には左に避けること」とあり、これが日本の左側通行の原点となったという(諸説あり).。一部の左ハンドルオーナーがとくに不便に感じるのは、ドライブスルーや駐車場などの料金所である。ドライブスルーでは注文の際のインターホンで声が届きにくかったり、料金を支払う際に助手席に身を乗り出し店員とやり取りをしなければならない。

・多くの交差点の右折は、赤信号でも歩行者に気をつけて可能。日本でいうところの「常時左折可」に相当するものであるが、たまに、NO TURN ON REDと書いてあり、赤信号でも右折出来ない場合があり、その場合は信号に従う。逆に左折時には気を使う。左折する際には車道の中央にある黄色い点線で囲まれた「左折専用車線」に入って、対向車がいなくなるのを待って左折するのが普通。左折後、ついつい左車線に入らないようにご注意を。逆走になる。

・信号機のない交差点ではSTOP標識の下に4-WAYとかALL WAYという補助標識がつけられていて、一番最初に交差点にきた車が優先となり、同時に入った場合は右側の車を優先させる。ロータリー/環状交差点(Roundabout)が多い。日本でも時々見かけるロータリー(全国で50ヶ所ほどあるらしい)、回転方向は反時計で日本と逆である。

・側道から本線に入る場合などよくYEILDという標識を目にする。これから合流する道が優先という場合にゆずる精神をもって行きなさいということなのだが、現場では雰囲気で充分分かる。

・踏切では一時停止しない
(見渡しもよいし、電車の本数も少なく、一気に通過した方が安全)

・基本的にはアメリカでは道路が駐車場という文化。コインパーキングなどはない。とはいうものの消火栓や特定の場所では駐禁の場所は存在する。

・有料道路(toll road)の概念は基本ない。Highwayは基本的に無料(フリーウエイ)であるが、東海岸の都市部を中心に、日本と同様の有料高速道もいくつか存在する。具体的には、(1)FAST LANE(日本のETCに相当する)のゲートに間違って入らないこと、(2)EXACT AMOUNT(お釣りなし、多くの場合、無人の機械にコインを投げ込む)のゲートに入るときはコインの持ち合わせがあるか確認する点に気をつければよい。

・道を譲って(yield)もらった時など日本でよくやる、有難うの意味でのハザードランプ点灯は通じない。日本の文化。同様にパッシングも解釈が異なり、青信号に気付かず停止したままの前の車をバッシングしたらその車の運転手に文句を言われる可能性が高い。パッシングは非常に威嚇的な行為と受け取られることがあるので、軽く2度ほどクラクションを鳴らす程度が無難。一方では、対向車がパッシングした時は、「この先にポリスカーが止まっているよ、気をつけてね」など日本と似たような文化だ。

・赤いライトを点滅させていたり、STOP のサインを出して停止しているスクールバスがいたら、最低25ft(約7m)離れた場所で停車して待つ。スクールバスが停車した場合、後続車も対向車も停車する必要があり、遵守しないとスクールバスの運転手がライセンスプレートの番号を警察に通報することがある。


HOVまたはCarpool LaneはHighwayで渋滞緩和の目的で2〜3人以上乗車してる車に対して優先車線として儲けている。HOV(High Occupancy Vehicle Lane)として、一番左側をすいすい走れる優先路線となっていることがある。

・警察に停められた際の対応について。日本ではすぐさま無頓着に車外へ出ることが多いものの、これは銃犯罪の多いアメリカではNGな行為。クルマを完全に停止したらエンジンを切り、ハンドルに両手を置いて警察官が来るのを待つ。免許証を提示しようとして胸ポケットに手を突っ込むと悲惨な結果を招く。

・駐車場に止める向き。日本ではホームセンターや大型スーパーの駐車場では出るときに出やすいようにバックで入庫するのが一般的だ。アメリカでは前向き駐車(Head in Parking)が一般的である。9割以上は前向きに駐車している。アメリカ人はスーパーマーケットで一度にたくさんの買い物をし、カートごと食料品を自分の車の前まで持って行くため前向き駐車が便利なのかも。


速度取締について

オービス等の分類
「オービス」は普通名詞のように使われているが、元々は昭和45年頃からアメリカで速度違反摘発用に開発された「オービスV」という商品名である。昭和48年頃から日本の警察に導入され、「東京航空計器」が商標を取得し、昭和51年頃より警察庁が改良して本格的に設置を始めた。現在は「日本無線」の商標となっている。オービスとはラテン語で「眼」を意味するという。今や、全国で600機が設置されているという。
一般にスピード違反の取締りには有人式と無人式があり、前者は「オービス」、後者は俗に「ねずみ取り」といわれる。オービスは規定の速度制限道路上で大幅に速度超過して走行する車両に対し、無人で該当車両の速度測定、ナンバーブレート、運転者の顔を撮影する装置である。設置路線には「警告を示す看板」が事前に設置してあるので、これに注意すればよい。赤外線による撮影であるため、本来ストロボは不要であるが、運転者に速度を出しすぎですよ、撮影させてもらいましたよという自覚を与えるため、あえて昼間でも運転者に気づかせるよう赤いストロボが光るようになっている。


速度と作動速度

取締りの対象は、一般道では30km/h超、高速道路では40km/超で反点数が6点以上に該当する速度超過が対象となる。ちなみに220km/h以上ではシャッター速度の関係で写らないという話もあるが、決して真似はさらぬよう。一般道でのいわゆるネズミ捕りでは法定または規制速度プラス10km/h以上が対象で、測定装置の誤差を考慮して、実測より2km/低目に表示されるという。
オービス等の種類 外 観 特 徴 対 策
レーダー式 最も一般的なのがレーダー式オービス。レーダーを鉄塔に設置し10.525GHzの周波数の電波を使って速度を測定する方式。カメラは路側帯や中央分離帯に設置されている。速度測定はレーダーで行い、違反車両はフィルムに撮影される。上の窓が赤外線ストロボで、下の窓が撮影用窓である。35mm、36枚撮りの一般的なフィルムを用いているので、フイルム切れという場合もある。オービスの種類の中で最も歴史があるために、最近ではCCDデジタルカメラによる回線伝送方式(新HシステムやLHシステム)に取って代わられ、その設置数も減少しているが、高速道路などではまだ数多くが現役で活躍している。 レーダー探知器により探知可能。
Hシステム 元来のHシステムは阪神高速でデビューしたため、Hシステムという。レーダ式(10.525GHz)を利用している。
ループコイル式 カメラ手前30〜40mの地面に埋め込まれた2ないし3ケ所のループコイルで車が通る瞬間の磁気の乱れの時間差を利用して速度を割り出すもの。レーダー式と違う点は、速度を測定するための鉄塔などが手前に存在しないこと。レーダー式と同じくフィルム撮影なので、運がよければ光っても撮影されない。ただし、平成15年度よりはCCDカメラで撮影し、画像を転送する新世代ループコイル式ともいえるタイプが登場した。
ちなみに雪積地帯では道路の補修の際にループコイルを切る恐れがあるためループコイル式は殆ど存在しないという。
探知器には反応しないので、事前に覚えておくか案内板で注意する。高速道路における採用率が高く、特に首都高速は大半がこのタイプ。GPSアンテナを搭載した探知機では設置地点を登録してある場合には有効。
新Hシステム 測定方法はレーダー式で周波数などはレーダー式と同じだが、レーダ波はステルス式断続波であり、従来の電波発射パワーと比較して電波受信が困難な場合がる。白い正方形のハンペンと呼ばれるレーダーアンテナがあることが特徴。赤外線ストロボ以外に赤外線センサーがあり、これで車の位置を確認して撮影位置の手前に来たところで初めてレーダーを短時間出す仕組。また、撮影方式がCCDカメラによる デジタルカメラのATM回線伝送方式であるため撮影された写真データは即座に最寄の警察へデータ転送される。よってフィルム切れはない。 Hシステムの手前には、「速度落とせ、速度自動監視機設置路線」などの速度警告板があり超過速度のときは「スピード注意」と表示されるまた、白いアンテナ部分が目立つので、遠方からも発見は可能。レーダー探知機が反応するのは直前のため速度警告盤の警告を受けたらスピードを落とすことが賢明。GPSアンテナを搭載した探知機では設置地点を登録してある場合には有効。
LHシステム LHシステムのLはLOOP(ループ)のL。新Hシステムのループコイル版なので、Hシステム同様に画像がデジタル送信される。白いアンテナ部分はなく、NシステムやTシステムとの鑑別を要する。赤外線ストロボとCCDカメラが対になっている。30〜40m手前の速度測定区間に6.9mの間隔でループコイルが埋められており、CCDカメラを使ってすぐに違反車両の映像を中央に電送する。 Hシステムと同様に速度警告盤があり超過速度のときは「スピード注意」と表示される。速度警告板だけが頼りとなる。GPSアンテナを搭載した探知機では設置地点を登録してある場合には有効。
ステルス

速度違反車輌を狙い撃ちするタイプの移動式取締まり機。待機中には取締まりレーダー波を発射せず、違反者と目される車輌が速度測定ゾーンに接近したときに数秒間だけ電波を発射しする狙い撃ち的な取り締まりができる。レーダーが反応した時には、すでに測定されてる。周波数10.525GHz、速度測定範囲は時速25〜199km/h。レーダー探知機で、ステルス対応型といのは、シャッターから漏れる微弱な電波をキャッチして警報をならす仕組み。
ちなみに、左下は動かぬ証拠のチケットで、測定速度、日時が記録されている。
実質上、探知器には反応しないので法定速度を遵守する以外に対策はない。
移動(式)オービス 最近増加しているとはいえ、全国に100台程度しかない移動オービス。ワンボックスの背面にオービス機器を搭載しているもの。取締に危険性を伴うので一般道が多い。車体の揺れを防ぐためにジャッキアップして測定していることもある。レーダー式と一定区間(3m)の通過時間から速度を割り出す光電式がある。光電式の場合、赤くポンと光ることがあるが、これは、捕まったことを認識させるたに故意に発光しているものであるらしい。 多くはレーダー式なので、探知器により探知可能であるが、光電式やステルス式では無効。路側帯などで、白いハイエースかキャラバンなどのワンボックスワゴンがジャッキアップして停まっている場合には注意。親切なところでは、事前に警告看板を出している場合もあるという。
よく赤く光ったのでオービスに撮られたかもしれない、という話を聞くが、それはオービスでない場合が多い。実際オービスのフラッシュは凄い閃光が走り日中でもはっきりと分かる。ぼやっとした「赤い光」を放つものは大抵、の正体は次に述べるNシステムやTシステムなどである場合が多い。
Nシステム
Nはナンバー自動読取システムのナンバーから。通行するすべての車両のナンバーを撮影、記録保存する車両ナンバー照会システム。盗難車両の捜査や犯罪の捜査のため、全通過車両を撮影している。ゲートが2つ連続しており、最初のゲートで車両通過を感知し、次のゲートに設置されたカメラが走る車全てのナンバー読みとっている。県境、港湾施設、官庁、防衛施設、原発などに設置されており、オービスと異なり、必ず全車線を記録している。高速道路などでは路肩走行車も狙っている。初期型はナンバーのみの捕捉だったが、最近は運転者も写っているらしく、犯罪捜査に利用されている。 オービス(自動速度取締装置)ではない。
Tシステム Tは旅行時間計測システムの旅行(Trip)から。高速の始点、終点、県境などのポイントごとにあり、通過車両の区間内の通過時間から「○○まで○○分」という表示をする。「○○まで○分」のという案内看板や、カーナビのVICS渋滞情報の提供をしている。通過車両はほぼすべて撮影しているというが、Nシステムと異なり高速道路の路肩を走行する車両は捕捉しない。監視カメラのようなものが並んでいることが特徴。オービスと似ているので注意が必要。Nシステムと連動しているという。
覆面パトカー 多くのドライバーがその存在に気づき、この車を抜かすこともなく走行車線で後に続くが、時々それを知らずに追い越し車線を走ると餌食となります。
追尾式取り締まりに関する警察の内規は次の通り。
・高速道路では約50mの車間を保持し、測定開始から測定終了まで約300mの間を追尾
・一般道では約30m間隔で約100m追尾
そもそも車種は白とか黒とか紺色のクラウンやセドリックなどの乗用車が多い(例外ももちろん多い)。交通機動隊の制服を着た人間が二人、ルームミラーが縦に二つ並んでいるとかよくみれば不自然なことが多いのだが、他府県ナンバーでないこと以外には普通の3ナンバーなのでナンバープレートで区別することは困難である。