原付


原付の定義が2025年から変わる
50ccの原付は海外では125ccが中心の今、日本固有のコンパクト二輪という感じがありますが、販売台数は1980年代に年間200万台→2020年には12万台と減少傾向にあります。
2025年11月以降は条件を満たした新基準原付が従来の原付の扱いとなります。 新基準原付も原付免許や普通免許で乗れます。 二段階右折などのルールも現在と同様です。 原付1種は将来的にはなくなるでしょうが、現在乗っている原付1種も引き続き乗れます。「ユーロ5基準規則」という排ガス規制の関係でメーカー問わずすべての50ccが生産終了になります。 現在でも保有台数は全国で約500万台あり、便利な足となっています。


基礎用語の確認
原付には「一種」と「二種」が存在します。排気量50cc以下が「原付一種」で、50cc超125cc以下は「原付二種」に区分されます。
ただ「原付二種」は「小型」と言われることもあります。125ccクラスに二つの呼び方が混在しているのは、国土交通省が所管している「道路運送車両法」と警察庁が所管する「道路交通法」という二つの法律があるためです。このため車両の登録や自動車税の納付などでは「原付二種」と表現され、免許の区分や道路標識では「小型免許(普通自動二輪小型限定)」と言われれます。

 排気量  〜50cc以下  50超〜125cc以下  125超〜250cc  250超〜400cc  400cc超
 道路交通法     
 車両区分 原動機付自転車 普通自動二輪車    大型自動二輪車
 免許区分 原動機付自転車免許 小型限定
普通自動二輪免許
普通自動二輪免許   大型自動二輪免許
 道路運送車両法     
 車両区分 第一種
原動機付自転車
第二種
原動機付自転車
軽二輪車 小型二輪車

新原付
50ccはなくなってしまうが、バイク業界団体が提案してきた「新基準原付」が政府に認められ2025年11月に登場することとなります。
「新基準原付」とは50ccなみ
(4キロワット/5.4馬力以下)に出力を抑制した100〜125ccのバイクのことで、現行の原付免許で運転することが可能です。
そこで従来の排気量で区分されていた枠組みを最高出力に変更し、現行125ccクラスの出力を下げて「50ccクラス扱い」とするものです。
新基準での出力を抑えた125ccはあくまでも原付扱いなので、これまでの法定速度30km/時や二段階右折などの交通規則を守る必要は残ります。
また、出力制限がされていない従来の小型二輪車(50cc超125cc以下)については現行と変わらず、原付免許で乗れるようにもなりません。


そもそも何で?
2025年11月に適用される令和2年度排ガス規制により、50cc以下の原動機付自転車(1種)は排出ガス規制をクリアするための技術やコスト、販売台数に対する開発コストの回収などの要因から商品力が大きく失われるとして、二輪業界が原付2種免許が必要な125ccモデルの活用を要望してきました。一般的に排気ガスの浄化はマフラーに触媒を組み込みますが、この触媒は高温にならなければ機能しないため、排気量の小さな原付では温度を上げることができないという技術的な問題が存在します。また数キロ程度の移動手段としては電動アシスト自転車も普及し、最近ではEVバイクや電動キックボードも登場しています。
警察庁は区分の見直しに向け、安全性や排ガス性能の検証を行ったてきた結果、新区分でも現行の原付免許(1種)の保有者が「現行原付と同程度に容易かつ安全に運転できることが確認できた」としています。


■初心者でも乗れる?
2023年9月〜10月に、新基準原付の走行評価と、試乗会が開催され、発進時や停止時、交差点の通行など13の項目が設けられ、それぞれ5段階で評価されました。この結果、新基準原付と現行の原付の走行評価はほぼ同程度となり原付免許を取得したばかりのビギナーが新基準原付車を運転しても、特に問題なしとの結果が出ました。

EV車は区分が異なる
電動バイクの場合、1回あたりの充電で航続可能距離が30〜50km程度、価格も30万円程度と現在のガソリン機種よりも10万円以上高い価格設定となります。海外基準に準じて、単純に排気量で分類するのではなく、出力で分類するものです。

ガソリン車

・原付1種:4kW以下
・原付2種:11kW以下(現行ものも)

EV車
・原付1種:0.6kW未満
・原付2種:0.6kW〜1kW未満
・普通自動二輪:1kW〜20kW


間違えてはいけない点(注意点)
・原付免許ですべての125ccが乗れるわけではない。(4kW以下に制限したものに限る)
・30km/hを超えて走行してはいけない。
・2段階右折は引き続き必要。
・二人乗りはできいない。
・中古の原付は残りますが、メーカーは50cc原付は生産しなくなる。