2001年11月29日(木) 京都、曇り後、雨。
宇多田ヒカルの 『UH2』 をDVDで見る。
( UTADA HIKARU SINGLE CLIP COLLECTION VOL.2)
1. | Wait & See 〜リスク〜 |
いわずとしれた、しかしいわないとわからない(^.^)近未来には発明されるであろう反重力小型飛行装置(?)に乗り街中を自由自在に飛行する件のプロモーションビデオです。当然ながら重力を無視した飛行装置の動きは何故だが魅力的に感じる。そしてそれは、ヒッキーの魅力を倍層させている。 | |
2. | For You |
ステージで歌うヒッキーがキュウゥ〜トなのです。 | |
3. | タイム・リミット |
ステージで歌うヒッキーがセクスゥィーなのです。 | |
4. | Can You Keep A Secret? |
ホンダのアシモの様なロボットが、ヒッキーを愛情を持って大切に見守っている。しかし所詮はロボット。電池が切れると唯の無機質な物体。そして、画面には、「Low Battery」の表示が…。しかし画面にはロボットが写っている。そう実は、ヒッキーがロボットなのである。動かなくなったヒッキーを相変わらず愛情の念を持って見守るロボット?、否、別世界の人間。 | |
5. | FINAL DISTANCE |
西洋風マリオネットに扮するヒッキーが微妙な距離間を保って現実の自分とコンタクトする。様々なキャラクターが登場する本プロモーションビデオはアダムスファミリーも真っ青な出来栄えなのです。 |
2001年11月26日(月)
綿矢りさの 『インストール』 読了。
★
第38回文藝賞受賞作
全選考委員絶賛★最年少17歳。
女子高生と小学生が風俗チャットでひと儲け。
押入れのコンピューターからふたりが覗いた<オトナの世界>とは!?
★
この小説、実に面白かったです。今時の高校生が
話すであろう(と想像できる)的な文体。物語の
展開の一定テンションを保ったハラハラドキドキ感。
とりわけ、主人公の高校生、朝子が、登校拒否児になり、
自分の部屋の荷物を全捨て去るところは、
破天荒であり大いに共感できる。
それまでの自分をリセットして再インストールしたい
という衝動。自分をもう一度解放したいという衝動。
★
ラストは朝子の心の変化が上手く隠喩されていて
読み手までもが爽やかな気分になる。カタルシスです。
★
百戦錬磨、海千山千の老作家が手練手管で
読者を翻弄するならまだしも、現役高校生が
何故にこの様な人生を達観した小説が書けるのか?
まさに才能ですね。
綿矢りさ(わたやりさ) 1984年、京都市に生まれる。 現在、高校3年生。 堀田あけみ以来20年ぶりに、 史上最年少・17歳で 第38回文藝賞を受賞する。 |
2001年11月25日(日)
映画 『天使のくれた時間』 をDVDで見る。
原題は、『The Family Man』。
『天使のくれた時間』のタイトルが『ファミリーマン』だったら
きっとこのDVDは、誰にも購入されること無くJEUGIAの
陳列棚に長い間、居座っていたと思う。きっと恐らく多分。
天使役で登場する黒人青年キャッシュ(ドン・チードル)
の路上生活を余儀なくされている、いつ犯罪を犯しても
不思議ではない風貌がこの映画に良いスパイスを与えている。
★
「もしもあの時こうしていたら…」を軸にストーリー展開する
この映画は、予定調和的結末を迎える。
そのラストまでの主人公ジャック・キャンベル(ニコラス・ケイジ)の
行動と気持ちの変化に、”うんうん”と首を縦に振って賛同する。
結婚して、子供も二人授かり、13年経っても恋愛中と同様妻を
愛している。そんな当たり前の事が、当たり前で無くなった今、
現在の家族の有り様に懐疑的になる。
偶然とも言える出会いを未来永劫継続させる不幸な挑戦を
『結婚』と言うのならそれは間違い。生涯の伴侶は必ず居ると
信じたい。人間に絶望してはいけないのです。
だって我々は人間なのですから…。(By アインシュタイン^.^;)
★
【粗筋】_______________
ウォール街で成功をおさめ、高級マンションに住み、
フェラーリを乗りまわす。誰もがうらやむ人生を走り
続けてきた主人公ジャック・キャンベル(ニコラス・ケイジ)。
そんな彼が、ある日不思議な青年によって”もうひとつの人生”
に導かれる。それは、13年前に恋人ケイト(ティア・レオーニ)と
結婚し、タイヤのセールスをしながらふたりの子供を養っている
平凡な”ファミリーマン”としての人生だった。戸惑いながらも
次第に、成功をつかむことしか頭になかった自分の心に、
人間らしい素直な感情が芽生えてくるのを感じるジャック…。
★―――――★
安藤希の 『VOICE』 をDVDで見る。
『PLACE』 に続く第2弾ビデオクリップ。
インタビューとメイキングとプロモーションビデオで構成されてます。
作詞を自ら手がけていて、インタビューでのアンニュイな
喋り方の裏側に18才のしっかりした世界観が垣間見れます。
『VOICE』 のプロモーションでは、彼女の顔のアップが多用され
ていて、かなりカッコイイ仕上がりになってます。
2001年11月11日(日) 世界平和記念日
映画 『LOVE SONG』 をDVDで見る。
★
1985年、レコードショップで尾崎豊のLPをきっかけに出会った2人。
自分の夢を熱く語る松岡(伊藤英明)の姿に、高校生の
彰子(仲間由紀恵)は淡い恋心を抱き始めていた。だが松岡は
突然レコードショップを辞め、何も告げずに姿を消してしまう。
自分のレコードショップを開くという夢を叶えるために東京へ出て行って
しまう。2年の月日が過ぎ、ふとしたきっかけで松岡の消息を知った
彰子は彼に会いに行くことを決意する―。
★
大きなストーリーの展開は無いのだけれど、会話とか心の動きを
丁寧に表現してます。松岡の居所を探し回るうちに次第に彰子の
気持ちが変化していき、ようやく居所を突き止めた時には彼女
の中で一つの答えが出ています。また松岡の世界も同時進行
し一つの結末を迎えます。有明コロシアムで尾崎豊のコンサート
を見て、涙する彰子の姿がとても印象的で凛としています。
★
大人になるという事は自分で物事を決めていかなければいけないのです。
2001年11月9日(金) 全国火災予防運動
フレンズ SEASON 3 EPISODE 13〜16 をDVDで見る。
(1997年制作)
いつもどおり一定間隔で笑いの壺をついてくるのだけれど、
人間とは複雑で厄介な動物だなぁ〜と、現在の自分の
精神状態が少し暗いので、「世界で一番楽しまれている、
超ハッピードラマ」が少し複雑で暗いドラマに見えてしまったのでした。
パッケージの裏面より引用 |
第13話 「モニカの恋、再び…」 |
元恋人のリチャードとモニカは友達として付き合い始めるが、すぐに恋人同然の仲に。だがやはり、ふたりの人生観の違いを認めあい、再び別れることに。一方、スポーツマンのロバートと交際を始めたフィービーだが、ロバートが下着を着けないと知るや、一気に恋の炎は冷めてしまう。 |
第14話 「フィービーの歌がCMに!」 |
以前一緒に音楽活動をしていた幼なじみのレスリーと渋々ながらコンビを復活したフィービー。ところが、フィービー作詞作曲の「猫はくちゃい」を、レスリーがCMソングとして売ってしまう。怒り狂ったフィービーはコンビを解消する! |
第15話 「恋の行方<全編>」 |
外交官と付き合い始めたフィービーは、通訳付きのデートに一計を案じるが……。レイチェルは、ロスとの記念日にも残業することに。それなら食事だけでも、と職場に押しかけてきたロスにレイチェルはロスを追い返し、口論の末、ふたりはついに別れてしまう! |
第16話 「恋の行方<後編>」 |
レイチェルと喧嘩をして酔ったロスはクラブで再会した女性と一夜を共に!! 翌朝、出勤前に現れたレイチェルに「やり直したい」と告げられ喜んだものの束の間、あっという間に昨夜の噂はレイチェルの耳に入り、ショックを受けた彼女は前言撤回、やはり別れると言い出す! |
2001年11月1日(木) 計量記念日
筒井康隆のビデオ 『筒井康隆パフォーマンス4』 を見る。
このビデオは、1999年札幌劇作家大会で大評判になった
朗読パフォーマンス『関節話法』。名作短編の怪演奇演。
それに加えて当時、最新作で筒井康隆渾身のポルノグラフィー
『魚藍観音記』の一部を予告編としてパフォーミングしたものです。
★
朗読パフォーマンス『関節話法』は、『間接話法』とは違います(^.^;)。
関節を器用に操り、パキポキ鳴らしながら話をする奇妙奇天烈な
宇宙人との外交を描いた面白可笑しな小説なのです。
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【間接話法】とは、 文章中に他の発言を引用する際、
引用符を用いて原形を再現する直接話法に対して、現在の話し手の
立場から人称や時制などを改めて述べる話法なのです。
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筒井さんの身振り手振りを交えた朗読は本当に怪演であり、
小説本来のオチがさらに小気味好さを与えてます。
この講演の中で筒井さんは、老人三部作として
「敵」、「わたしのグランパ」、そして近未来に書かれる
作品を挙げています。「敵」は、社会に背を向けた老人、
「わたしのグランパ」は、社会に対して何かを残したい老人、
そして、近未来に書かれるであろう老人は、呆け老人。
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この呆け老人が主人公の三作目は、筒井さん自らが呆け
始めたら書き始めるという実験的な小説にしようとしています。
★
作中の老人が呆けているのか、作者が呆けているのか
分からないギリギリの紙一重の小説。是非とも読んで
見たいものです。嗚呼、早く呆けてくれないかな(*^.^*)。