GIFとJPEGの特性
作成:3.12.1997
改訂:1.6.2001
GIF(ジフ)、JPEG(ジェーペグ)とは
どちらもWebで一般的に使われる画像フォーマットの種類です。WindowsではBMP(ビーエムピー)、MacintoshではPICT(ピクト)が画像フォーマットの標準ですが、残念ながらこれらはWebではあまり使われません。
- GIF(Graphic Interchange Format)
米Compuserve社が開発した画像フォーマット。1〜8ビットの色数(2〜256色)で画像を格納します。
LZW圧縮(出現する頻度の高い情報をまとめるアルゴリズムの一種)を用いてベタ塗りの多い画像だと高い圧縮率を示します。なお、LZWはUNISYS社がその特許を持っているため、許諾を受けていない一部フリーウェアではGIF保存すると特許を侵害してしまう恐れがあります(Photoshopはもちろん大丈夫です)。
- インタレースGIF
画像を格納する際、画像の上方向からラインを飛び越しながらピクセルを格納します。展開する際、ブラウザは飛び越しされた部分をぼかすため、モザイクがかかったような見えかたをします。
- アニメーションGIF
複数の画像をまとめて格納します。ブラウザからはいわゆるパラパラマンガ(今の小学生もやってるのかな?)方式で、アニメーションして見えます。
Photoshop5.5以上ではImageReadyとの組み合わせでアニメーションGIFが作成できます。
- トランスペアレントGIF
画像のなかの特定の1色を透過させます。ブラウザからは指定された色が抜けているように見えます。
- Lossy(非可逆圧縮)GIF
アドビ独自のGIF最適化を実行されたGIFファイル。Photoshop5.5以上で「Web用に保存...」コマンドを使用した最適化を行う際に指定できます。GIF圧縮を行う際に画像を劣化させるため、「非可逆圧縮」の名前があります。形式的にはGIFのため、表示の際に特別なプラグインなどは必要ありません。
- JPEG(Joint Photographic Exparts Group)
名前のとおり、写真のエキスパート集団が中心になって策定した画像フォーマット。24ビットの色数(1670万色、普通はフルカラーといいます)で画像を格納します。
GIFと異なり、画像のピクセルを固まりとしてとらえてその変化を記録する圧縮アルゴリズムです。
色が離散している写真のような画像に適用すると、GIFよりも高い圧縮率を誇ります。が、JPEGは「非可逆圧縮」と呼ばれ、圧縮の際、画像を劣化させます。一回やってしまうと元の画像には戻せません。
つまり、JPEGで保存された画像を編集してJPEGで保存し直す操作を繰り返していくと、画像はどんどん劣化していくことになります。
- プログレッシブJPEG
JPEGの発展型で非常に高い圧縮率と細かな設定が可能です。
指定によりインタレースGIFのような見え方をします。
- GIF VS JPEG
同じ画像を条件を変えたりして、試してみました。原則的に画像の小さい方が勝ちとしましたが、画質も考慮すると、一概にはどっちが勝利か言えないかもしれません。
ただ結論からいいますと、やはり「写真にはJPEG、ベタ塗りにはGIF」のようです。
なお、使用したアプリケーションはAdobe Photoshop4.0Jで、ファイルサイズはプレビューアイコンなしの状態でMacOSから比較しています。
- GIFエキシビジョンマッチ1・縦縞vs横縞
(縦縞:358bytes)
(横縞:304bytes)
GIFは走査線方向に連続する値が多いと、圧縮率が高くなります。このアルゴリズム特性により、横縞の勝ちとなりました。
- GIFエキシビジョンマッチ2・アンチエイリアスありVSなし
(あり:1321bytes)
(なし:622bytes)
アンチエイリアスでぼかしがあると、その部分は圧縮率が下がります。これまたアルゴリズム特性により、アンチエイリアスなしの勝ちでした。
第1ラウンド・ベタ塗り(JPEGは「高画質・標準形式」指定)
(JPEG:1957bytes)
(GIF:620bytes)
GIF圧勝。JPEGは背景部分にも劣化がみられます。色の境界部分では、ブロックノイズと呼ばれるJPEG特有の状態が特に目立ってしまいます。
第2ラウンド・写真(JPEGは「高画質・標準形式」指定)
(JPEG:2368bytes)
(GIF:9174bytes)
GIFの方はすごく大きくなってしまいました。JPEG快勝。
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