Adobe Photoshop 7.0 差分

作成:6.30.2002
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ここでは、前バージョン(Photoshop6.0)から機能強化された、 Photoshop7.0の新機能について、差分を簡単に紹介いたします。

Photoshop7.0新機能
Photoshop7.0のマニュアルで、新機能として紹介されているのは、次のものです。

機能項目 概要とインプレッション
ファイルブラウザ

任意のフォルダを指定して、その中の画像ファイルをプレビューする機能。並べ替えはもちろん、画像回転なども可能です。個人的には、なんでいままでできなかったのかなあ、という感じです(笑)。

修復ブラシ

コピースタンプツールに似た機能で、画像を補正します。スムーズな合成なので、デジカメ画像の補正等で威力を発揮しそうです。

Webの透明効果

以前は背景を隠すなどして、明示的に透明状態にしてから「Web用に保存...」しないと、透過GIFが作成できませんでした。7.0からは「Web用に保存...」のダイアログボックスの中でスポイトツールでもって、透過する色が指定できます。

Webの出力機能の強化

領域指定の最適化。「Web用に保存...」の機能で、6.0ではアルファチャンネルによるマスクを利用して、画像の劣化の影響をコントロールできました(詳細は拙著「LOGO+WEB DESIGNBOOK」でも紹介)が、7.0では、もとの画像に文字レイヤーやベクトルシェイプレイヤーがあると、自動的にマスクと同様に扱われます。

WBMPのサポート

WBMPはケータイなどで利用される白黒1ビットの画像フォーマットです。

ロールオーバーパレット

ImageReadyのロールオーバーパレットが、Photoshopのレイヤーパレットみたいな形になりました。

ワークスペース

Photoshopの作業環境(パレットの表示状態など)をファイルとして保存しておく機能です。
[ウィンドウ]→[ワークスペース]のサブコマンドで実行します。自らの作業環境をバックアップしたり、複数マシンの作業環境を統一したりするのに役立つでしょう。

ツールのプリセット

個々のツールごとに初期値設定を保存する機能です。
たとえば、塗りつぶしツールでは、色だけでなく、描画モードや不透明度なども指定できますが、これらの組み合わせを保存しておいて、再利用しやすくします。
同じような補正作業が多い方などには便利かと・・・。

「自動カラー補正」コマンド

名前のとおり、自動的に画像の色調補正を行うコマンドです。
蛍光灯の光で写真を撮ったときによく発生する「青かぶり」なんかも少しは軽減できるみたいですが、慣れてる人はやっぱり、チャンネルを指定してトーンカーブを使うんではないでしょうか。

データ駆動型のグラフィック

ImageReadyの機能。レイヤーを変数として定義して、テンプレートとして保存します。レイヤーが同じ構成になる画像を手分けして多量に作る場合に使用する機能です。

新しいペイントエンジン

ペイントツールが強化されて、多くのオプションが追加されました。

アート調のブラシ ブラシのプリセットが充実しています(上の欄の図参照)。
パターンメーカー

画像の一部を切り抜いて、シームレスパターンを自動生成する機能。
ImageReadyのタイルメーカーとは異なり、細かなオプションで境界のブレンド具合を調整できます。

ゆがみ機能の強化

ゆがみコマンドでメッシュを保存するなど、機能が強化されています。
このコマンドは6.0では[イメージ]メニューにありましたが、7.0では[フィルタ]に移動しています。

PDFのセキュリティ Acrobat5.0のセキュリティ機能に対応しています。
個人的にAcrobatファイル(PDF)は、Wordなんかのワープロソフトの出力でしか使わないので、メリットはよくわかりません(笑)。
ピクチャパッケージの機能強化 [ファイル]→[自動処理]→[ピクチャパッケージ...]。
複数の画像ファイルを、ひとつの画像ファイルにレイアウトする機能ですが、これのオプションが増えています。
Webフォトギャラリーの機能強化 [ファイル]→[自動処理]→[Webフォトギャラリー...]。
複数の画像ファイルを、Web用に変換し、アルバムふうのHTMLページにする機能。
使用できるスタイルが増えています。デジカメユーザーには便利だと思います。
XMPのサポート

XMPはeXtensible Metadata Platform、情報形式の規約です。
[ファイル]→[ファイル情報...]コマンドで、画像に著作者の情報等を追加すると、情報はXMP形式で保存されます。

複数言語のスペルチェック機能 [編集]→[スペルチェック...]。文字レイヤーの欧文をスペルチェックできます。
Photoshop上で直接、長い文書を打ち込む人はあまり多くない気がします(必要な場合は別途エディタで入力したもののコピー&ペーストか?)ので、使用頻度は低いような・・・。


その他の気になるところ

ツールボックスの編成の変更

ツールボックスの編成が少しかわりました。たとえば文字ツールと文字マスクツールの切り替えは、
6.0ではツールオプションバーを使っていましたが、
7.0は5.xと同じように、文字ツール(のマウスプッシュ)ででてきます(6.0のインタフェースが不評だったのか?)。
またツールボックスなどで、マウスポインタがのっかると、その部分の色が変わって示されます。図では「T」のマークが赤くなっています。

レイヤー描画モードの変更
レイヤーの描画モードにつぎの種類が追加されています。
明るさとコントラストを別々にした、リニア効果が特徴的です。

  • 焼き込み(リニア)
    基本色を暗くして合成するのは従来の「焼き込みカラー」と同じですが、
    焼き込みカラーがコントラストを強調するのに対し、リニアは明るさを落とします。
  • 覆い焼き(リニア)
    基本色を明るくして合成するのは従来の「覆い焼きカラー」と同じですが、
    覆い焼きカラーがコントラストを落とすのに対し、リニアは明るさを増加させます。
  • ビビッドライト
    合成に使用するカラーが50%グレーより明るいときは、コントラストを落として画像を明るく、
    50%グレーより暗い時はコントラストをあげて画像を暗くします。
  • リニアライト
    合成に使用するカラーが50%グレーより明るいときは、明るさを増加して画像を明るく、
    50%グレーより暗い時は明るさを落として画像を暗くします。
  • ピンライト
    合成に使用するカラーが50%グレーより明るいときは、合成色より暗いピクセルを置き換え、
    50%グレーより暗い時は合成色より明るいピクセルを置き換えます。

なお、レイヤーでは、「塗りの不透明度」の調整もパレットに追加されました
(6.0はレイヤースタイルのオプション)。
これは、レイヤーの「レイヤースタイル以外の」部分の不透明度を調整するものです。

例えば、図のように「べベルとエンボス」のレイヤースタイルのある
文字レイヤーで使用すると、透明な文字も簡単に作成できます。

やっぱり・・・

Macintosh版ではCommand+[Adobe Photoshopについて...]、
Windows版ではCtrl+Alt+[ヘルプ]→[Adobe Photoshopについて...]で出てくるイースターエッグ。
図ではよくわからないんですが、左下にまたあのネコがいます。

まとめ

Photoshop7.0は、MacOS Xに対応したという点を除けば、5.xから6.0になったときのような大きな変更ではなく、
6.0で実装された機能の強化と使い勝手の向上に重点が置かれているようです。
実際、6.0では、[選択範囲を保存...]のところに実際にはチャンネルのはずなのに「レイヤー」の文字がでたり、
ハーフトーンパターンフィルタのパターンタイプが「ラインツール」だったりして、細かなところに
わけのわからないところがあったのですが、これらは7.0で訂正されています。




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