Adobe Photoshop CS 差分

作成:01.24.2004
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ここでは、前バージョン(Photoshop7.0)から機能強化された、 PhotoshopCSの新機能のうち、主なものについて差分を簡単に紹介いたします。

PhotoshopCS新機能

機能項目 概要とインプレッション
ファイルブラウザ機能の強化

パレット格納エリアにあったファイルブラウザが、メニューごと独立したウィンドウで表示されるようになりました。
個人的には、逆にこれだけ別のアプリケーションとして動いてくれないか、という感じです。
ショートカットキーを
簡単にカスタマイズ

[編集]→[キーボードショートカット...]。
これでばりばりにカスタマイズされた人のPhotoshopを使用するには苦労するでしょうね。
ファイル情報をすばやく作成、
表示および編集

ファイルにメタデータを埋め込み(これ自体は7.0でも[ファイル]→[ファイル情報...]コマンドで可能)、そのメタデータをファイルブラウザの検索に使用します。

ちなみに「メタデータ」とは一般的に「データのためのデータ」、つまり、データ本体に関する情報を収集したもののことを言います。Photoshopの場合は、デジカメの撮影情報なんかが格納できたりします。
スライドショーおよびPDFプレゼンテーションの作成 [ファイル]→[自動処理]→[PDFスライドショー...]。
PDFフォーマットのスライドショーが作成できます。
Webフォトギャラリーの利用 Webフォトギャラリー([ファイル]→[自動処理]→[Webフォトギャラリー...])は、画像データから自動的にWeb用のページを作成する機能で7.0以前にもありましたが、CSからはオプションが少し拡張されています。
編集履歴の追跡
ヒストリーをログに記録する機能。[環境設定]→[一般...]にあり、初期状態ではオフになっています。
ログは一般的にはファイルに加えられた変更履歴を随時格納し、その変更履歴を参照したりするためのものです。Photoshopの場合はファイルにどのような変更がなされたかわかるわけで、テクニックの追跡にも使えるかもしれません。
複数のフィルタを表示して
簡単に利用

「フィルタギャラリー」と呼ばれる、フィルタのイメージを表示する機能。
[フィルタ]→[フィルタギャラリー...]または各種のフィルタを選択で使用できます。

レイヤースタイルやスタイル機能のように、ボタンでフィルタを選択して、効果を試行できます。ただ、さすがにこれは処理が重くなったようです。
スクリプトの使用機能の強化 スクリプトでPhotoshopを外部から制御させることができます。
アクションはPhotoshop内部の直線的な処理しかできませんが、これを使えば、繰り返しや条件判断などの制御構造、他のアプリケーションとの連携も可能です。
ただし、それなりのプログラミング経験がないと使いこなすには難度が高いでしょう。リファレンスマニュアルは、PDFで提供されています。
ヘルプメニューのカスタマイズ
きわめて素っ気なかったヘルプ機能が、拡張されて使いやすくなり、項目追加などのカスタマイズもできるようになりました。
カメラから読み込んだ
raw画像を管理
最近のデジカメ画像で使えるrawデータ(いわば撮影したまんまの素のデータ)を直接読み取る機能。従来は別途プラグインが必要でしたが、CSには最初からそのCameraRawプラグインが入ってます。
包括的な16ビット編集 いままでは、極端に取り扱いが制限されていた16ビットカラーのファイルが、8ビットカラー同様に扱えます。
カラーをすばやく一致
[イメージ]→[色調補正]→[カラーの適用...]コマンド。
ある画像の色を他の画像に適用させる機能です。同じ被写体を角度を変えて撮影したとき、色調が意図せず変化してしまった場合などに便利だと思います。
作業中のヒストグラムの表示
いままではいちいちコマンド選択する必要があった、ヒストグラム情報がパレット(初期設定では情報パレットの後ろ)に随時表示されます。
ぼかし(レンズ)効果の作成
[フィルタ]→[ぼかし]→[ぼかし(レンズ)...]。
この図では少し分かりづらいですが、実際のカメラで撮影されたようなぼかしを再現できるフィルタとなっています。
レンズフィルタ効果の
シミュレーション

[イメージ]→[色調補正]→[レンズフィルタ...]。
実際のカメラにあるフィルタ(レンズの先端にはめこむもの。カメラ屋さんで売ってます)を再現します。
露光の問題を簡単に修正
[イメージ]→[色調補正]→[シャドウ・ハイライト...]。
従来は、レベル補正で少しテクニックの必要だった、明るさの調整が少し簡単になりました。
色をすばやく置き換える
色の置き換えツール。
特定の色を一発で置き換えてしまいます。
切り抜きと角度補正の自動化

[ファイル]→[自動処理]→[角度補正して切り抜き]。
もとの画像をコピーして別ファイルを作成し、切り抜きを実行します。

パノラマをすばやく作成
[ファイル]→[自動処理]→[Photomerge...]。
複数画像を横方向でスムーズに連結して、パノラマ写真を作る機能。Elementsには以前からありました。
カメラを水平方向に動かして撮影した元画像を利用するといいでしょう。
(図は鎌倉の長谷寺から由比ケ浜方向を撮影)
ピクチャパッケージの
カスタマイズ
[ファイル]→[自動処理]→[ピクチャパッケージ...]。
以前からある、元画像を複数コピーして、1枚の画像にレイアウトしなおす機能ですが、CSではこの内容のカスタマイズができるようになっています。
編集可能なテキストを
パス上またはシェイプ内に配置

文字列をシェイプやパス上に載せる機能。
ついにでたか!という感じでしょうか。ただ、想像以上に処理が重いです。
1つの画像に
異なるデザインを作成

レイヤーカンプパレットによる機能。特定の時点でのレイヤーの状態をカンプ(図案)として保管しておく機能です。ひとつのPhotoshopファイル内で、複数のレイアウトを扱うことが可能となります。初期状態では、パレット格納エリアにあります。
ビッグドキュメントのサポート ファイルあたり、最大56チャンネル、30万×30万ピクセルに制限が拡張されています(7.0では最大24チャンネル、3万× 3万 ピクセルでした)。


その他の気になるところ

設計が親切に

はじめて起動すると、「スタートアップスクリーン」というガイド画面が出てきて、ヘルプやその他の関連情報にアクセスできます。
[ヘルプ]→[スタートアップスクリーン...]でいつでも呼び出せませす。

またかよ・・

Macintosh版ではCommand+[Adobe Photoshopについて...]、
Windows版ではCtrl+Alt+[ヘルプ]→[Adobe Photoshopについて...]で出てくる、バージョンごとに異なるイースターエッグ。
こんなところに目玉があったか!という感じ(笑)。
この図ではわからないんですが、左奥にまたあのネコがいました。

まとめ

PhotoshopCSは、7.0からさらに完成度を高めています。
Photoshopを使用する多くの方が「そうそう、これがやりたかった」という機能が多く搭載されたという印象です。
特にいままでずっとできそうでできなかった、パス上への文字列の配置や、できてもそこそこのテクニックが必要だったシャドウとハイライトの調整が簡単になったあたりは特筆すべきものだと思います。

なお、同梱されるImageReadyCSも、Macromedia FLASHのファイルへの直接書き出しができるなど、それなりに機能強化されています。

しばらくアップグレードしていなかった方も、マシンのスペックとお財布さえ許せば、アップグレードされても損はないと思います。




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