焦げつかんばかりの夕焼けが私の身体をじりじりと焦がす。 手が真っ赤に見えるのは夕焼けのせいではなかった。 ちょっと舐めた指には鉄の味。 生理的に嫌悪感を覚える鉄の味だ。 でも、病みつきになるかのような味。 暑さでおかしくなってしまったのだろうか? 嫌なはずの味がこんなにも美味しいなんて。 どこでこんなものが付いたのだろう。 しかもこんなにたくさん。 意識を失いさまよう私が何を求めていたのか私は知らない。 ただ、手に付いたそれが私が何を求めていたかを教えてくれる。 私はただ、心の底から願うばかり。 さまよい歩く私の瞳に意識の光が宿らぬように。