夕焼け
1999 12/15


焦げつかんばかりの夕焼けが私の身体をじりじりと焦がす。
手が真っ赤に見えるのは夕焼けのせいではなかった。
ちょっと舐めた指には鉄の味。
生理的に嫌悪感を覚える鉄の味だ。
でも、病みつきになるかのような味。
暑さでおかしくなってしまったのだろうか?
嫌なはずの味がこんなにも美味しいなんて。
どこでこんなものが付いたのだろう。
しかもこんなにたくさん。
意識を失いさまよう私が何を求めていたのか私は知らない。
ただ、手に付いたそれが私が何を求めていたかを教えてくれる。
私はただ、心の底から願うばかり。
さまよい歩く私の瞳に意識の光が宿らぬように。


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