幻想物語2
2000 2/20


旅から帰ると世界は様変わりしていた。
何もかもが終わってしまったかのような世界。
たった4日間、旅をしていただけなのに。
たったの4日間で家は古ぼけていた。
家のあちこちには埃が積もっている。
硝子の障子には何かの卵らしいものがついていた。
いくらのような色をしている。
だが、形は長細く手のひらくらいの大きさがあった。
掃除がてら、それは潰しておいた。
掃除が終わって、居間でテレビを見ているやつらを見つけた。
放送されているチャンネルはひとつしかないらしい。
世界が終わってしまったんじゃ仕方ないか。
ついでに障子についていたモノは何か聞いてみた。
カエルの卵らしい。
たしかに似てないことはない。
しかし、どんなカエルが孵るのやら。
世も末だ。
外を見ていると道路を子ども達が歩いていた。
学校に行くのだと言う。
こんな状態でも学校があるのかと驚いたが、
こうなってしまったからこそ学校に行くんだそうだ。
何もなくなった世界。
電気すらろくに供給されはしない。
することがないからこそ人は集まる。
それが学校という場所らしい。
明日からは学校に通うことになりそうだ。


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