無音
2000 4/25


ぼろぼろだね。
うん、ぼろぼろだよ。

まだ生きてる?
みたいだね。

どうしてこうなったんだろうね。
さあ、わからないよ。

僕たちってなんなんだろう。
なんなんだろうね。

苦しくない?
苦しいよ。

つらくない?
つらいよ。

寂しくない?
君がいるからね。

あいつはもうだめなのかな。
たぶんね。

でも僕もいつかは・・・。
・・・・。

ねえ、聞いてる?
・・・・。

答えてよ。
・・・・。

寝ちゃったの?
・・・・。

僕はひとりなのかな?

誰かが答えてくれないと、それさえもわからない。

なにを望めばいいのかな?

彼がまだ大丈夫なこと?

ひとりはいやだよ。

残されるぐらいなら・・・。

・・・・。

・・・・。

・・・・。

僕は助けられた。

彼はどうなったんだろう。

僕にそれを知る術はない。

わかるのは、僕が孤独だってことだけ。

ここはあそこよりもつらい。

ただ生きているだけ。

これなら仲間のいたあそこの方がよかった。

僕はあそこで死にたかった。




寂しい寂しい雄叫びが彼の口から漏れる。
そこには孤独な生き物がいた。
彼は今、その生涯を終えた。
身勝手な行動が彼らを産み出した。
だが、それでも彼にはまだよかった。
仲間がいるだけそこはましだった。
ひとりになるよりは。
彼の望みは仲間とともに朽ち果てることだったのに。
望みは叶わなかった。
彼らの救いは、彼にとっての救いにはならなかった。
ただ、彼の孤独を引き延ばしただけだった・・・。


[戻る]