ジェネレーション・ギャップ-0-
2001 3/7
「彼を倒してきたんだね。」
ドームの中央では少年が少女を待っていた。
「まず、最初に聞きたいことがある。」
「君は人間とはどうすべきだと思う?」
「人とは共存するべきだと思うわ。」
少女の声がドームに響く。
「あはははははっ。」
少年は壊れたおもちゃのように笑っていた。
「ずいぶんおもしろいことを言うね、君は。」
一転して、冷たい眼差しが少女に向けられる。
「人が僕たちに何をしたか知ってるかい?」
「僕たちの受けた苦しみを知ってるかい?」
「奴等はね、僕たちをモルモットのようにして弄んだんだよ。」
「力あるものが力なきものを支配する、真理じゃないか。」
「同じ新世代の君がそんなことをいうなんて心外だよ。」
「私は・・・たくさんの人を殺してしまった。」
「でも、そんな私を受け止めてくれる人もいる。」
「だけど、あなた達はそんな人すら殺そうしている。」
「強さだけが全てじゃないわ。」
「殺したくもないのに人を殺してしまう力なんて私は欲しくない!」
「僕が生きるためには力が必要だった。」
「なのに君はそれを否定する。」
「僕たちは相容れない存在だね。」
「同じ力を持つのにさ。」
「僕は僕の存在を守るために君を殺す!」
「どうして闘わなければいけなかったの?」
「どうして死ななくちゃいけないの?」
「どうして?」
「僕を守るものは力だけだったんだよ。」
「信じられるものは自分の力だけ。」
「力がなかったら僕は存在のしようがないじゃないか。」
「だから、僕は君と闘わないといけなかったんだ。」
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