ジェネレーションギャップ-4-
2001 1/1


「気がついたかい?」

少女が目覚めた時、目の前には見知らぬ男の姿があった。

「ここは?」
少女は周りを見まわした。
そこは見覚えのない建物の中だった。
どちらかいうとその壁面は岩壁に近い感じだった。

「隠れ家さ、僕たち人間のね。」
「これ、飲むかい?」
男は少女に何かの入った器を手渡した。
少女の手にその飲み物の温もりが伝わってくる。

「君もニュージェネレーションから逃げてきたんだろう?」
「あんなところで行き倒れていたんだから。」

「私は・・・。」

「何も言わなくてもいいよ。」
「ここにいるのは何も綺麗な人間ばかりじゃないからね。」
「脛に傷を持つ人間だって少なくない。」
少女には男が一瞬、悲しそうな目を見せたように思えた。

「それは貴方のこと?」
少女の目は真っ直ぐに男の目を見据えていた。
男はすっと少女から目線を逸らした。

「ははっ、そうかもね。」
「それでも・・・。」
「そういう人間が集まらなきゃやっていけないのが現状なんだ。」
男の握られた拳にさらに力が篭る。

「そろそろ失礼するよ。」
「そうそう、くれぐれもこの基地からは出ないように。」
「それ以外は何をしても自由だから。」
そう言って、男は少女のいる部屋を後にした。

「・・・私はここにいてもいいの?」
少女の呟きが部屋の中に木霊した。



「二人が帰ってこない?」
「あそこら辺には確かオールドジェネレーションがいたよね。」
「まだ抵抗をやめてない奴等がさ。」
「そいつらにやられたんじゃないの?」

「あははははっ。」
少年は思いっきり笑っていた。
まるで、やられる奴が悪いんだとばかりに。

「あそこにはニュージェネレーション同士が戦った様な痕跡が。」
「その場所の損傷度は二人の力を遥かに超えるものです。」

「ふーん。」
「二人のニュージェネレーションを倒す程の力か・・・。」
「興味深いな。」
その時、少年の脳裏にはある映像が浮かびあがっていた。
それは例のクレーター跡である。
少年の中で強い力とクレーター跡はひとつの繋がりを見せていた。


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