ジェネレーション・ギャップ 外伝-3-
2001 3/8


「君も僕と一緒に来るかい?」

地獄から助けられた。
青年が少年に尽くす理由はそれだけで充分だった。
それに彼には少年の気持ちが痛いほどよくわかっていた。
だからこそ、彼は自分の心に少年に対する絶対の忠誠を誓ったのだ。
それは彼の力が少年のそれを上回っていたとしても変わらなかっただろう。

「力なき者は、力ある者に従え。」
「それが嫌な者には、死あるのみだ。」

青年は冷徹に言い放っていた。
多くのニュージェネレーションを前にして。
少年の理想を押し進めるために。

「誰がそんな子供に従えるか!」
自尊心ばかり高そうな男が叫んでいた。
男の身体は淡い光を発している。
力が青年に向けて放出された。

「なら、死んでもらう。」
青年の瞳から青い光が洩れる。
男の力は青年の前で弾かれていた。
そして青年の力が男の身体を貫いていく。
力の差は歴然だった。
一瞬であたりは静まり返っていた。
もはや、少年に逆らう気を起す者は何処にもいなかった。


「例え、何人殺めようとも。」
「誰を殺めようとも、迷うことはない。」
「これが、私の信じた道なのだから。」
誰もいない部屋で青年は一人呟いていた。


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