最低賃金と深夜労働の割増賃金

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最低賃金について

最低賃金制度について、事業主ばかりでなく、パート、バイト労働者自身の関心が薄いようなので 簡単に述べたいと思います。最低賃金は事業場で働くすべての労働者と労働者を一人でもしようしているすべての使用者に適用されます。 もちろん、パート、アルバイトも含まれます。最低賃金は例えば京都府の場合を例に取ると日額4978円、時間額624円と決められています。(平成7年10月1日) ここまでは割合と知られているのですが、このほかにも産業別の最低賃金というのも定められていて、例えば小売業を例に取ると 百貨店その他の各種商品小売業では、18歳未満または65歳以上のもの、清掃、片づけまたは賄いの業務に主として従事するもの、雇い入れ3ヶ月未満のものであって、技能習得中のもの以外は 日額5497円、時間額689円(いずれも京都府、平成7年12月22日以降)となっています。 最近は時間700円以下のパート、バイトの募集は滅多に見かけませんが、ごく希に時間650円程度で募集しているところがあります。 この場合、年齢が18歳以上65歳未満の労働者で有れば3ヶ月目からは少なくとも689円にまで時間給をアップしなければなりません。

午後十時から午前五時までの賃金は、通常の二割五分増し

労働基準法第37条3項は「使用者が、午後十時から午前五時まで(省略)の間に おいて労働させた場合においては、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で 計算した割増賃金を支払わなければならない」と深夜の労働に対する割増賃金について 規定しています。もちろん、正社員、パート、アルバイトなどの区別はありません。 ところが、パート、アルバイトの求人のチラシなどではこの規定を無視した労働条件を堂々と記載 しているところが少なくありません。たとえば、「深夜割り増しあり、ただし十二時以降」 などというのはもちろんですが「時間七百円、ただし午後十時以降は八百円」と言うのも 正しくありません。七百円の二割五分増しですから少なくとも八百七十五円以上は支払わなければなりません。 「時間八百円、午後十時以降は千円」となると二割五分増しの規定はクリアーしていますから 結果的に見ればそれでも良いのですが、正しくは「時間八百円、午後十時以降は 千円(深夜手当200円を含む)」とするべきです。労働条件の明示や、給与の計算、支払い明細書 にもこの様に本来の時給と手当を明確に分けて記載しておくべきです。

パート、アルバイト探しの基準にも

パート、アルバイトに応募する場合でも,法的に正しい処理が出来ている事業所を選んだ方がよいのです。 というのは、この様なもっとも基本的な条項を知らなかったり、無視したりするところはそれ以外の 労働条件などについても、いい加減なところが多いのです。ですから、勤務時間中に怪我をした場合でも 「うちはパートは労災保険に入れてない」「労災保険に入っていない」などと言い出しかねません。

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