令和元年度 竹の情報発表会


「竹の情報発表会」の会場風景

令和元年6月7日、京都ホテルオークラでの総会に先立ち、令和元年度の竹の情報発表会が 柴田昌三理事長の開会挨拶に続き、渡邊専門員の司会・進行により盛大に開催されました。
発表会には83名が参加し、ユニークな様々な情報発表を熱心に聴講されました。


まず、京都大学大学院農学研究科地域環境科学専攻森林生態学研究室博士課程2年で、 目下竹類の開花現象について研究・勉学中の大学院生小林慧人氏が 「珍しくて不可解な竹の開花」と題して発表されました。
近年、ハチクやメダケ系統などの竹類が全国200箇所以上で開花しており、 それら開花情報を収集してグーグルマップ上に記録する研究に取り組む中で、 竹類の開花は珍しく、また不可解な点が多いと発表され、参加者に関心を呼び掛けられました。


小林慧人氏

次に、NPO法人古材文化の会の理事で、京都市文化財マネージャーで一級建築士の 永松 尚氏が「かぐや姫竹御殿と長野清助昭和の名工、竹取翁こと長野清助とかぐや姫竹御殿を後世に!=v と題して発表されました。
このかぐや姫竹御殿≠ヘ昭和の名工と呼ばれた竹職人長野清助が戦前から27年かけて一人で作り上げ、 昭和41年に完成した技法清助貼り≠るいは散らし貼り≠ネど様々な技法で奇想天外な彩りのある 建築空間を生み出していると紹介されました。
ところが50年余を経た今日、破損・腐朽箇所が多く、種々の事情もあって解体の危機を迎えており、 建築士の立場から移築、展示保存の可能性についてのアピールも加えて発表されました。


永松 尚氏

続いて、長岡銘竹株式会社代表取締役で、京都府伝統産業優秀技術者・京の名工、 さらに厚労省認定竹工芸1級技能士の三島一郎氏が「失われつつある左前」と題して発表されました。
同氏は竹垣制作においては日本を代表する名工であり、著名な施設での建仁寺垣、枝穂離宮垣、金閣寺垣、 銀閣寺垣などの竹垣施工を紹介されました。
なかでも、竹垣には陰と陽≠ェあり、菱の組み方≠ナ求められる左前≠ェ失われつつあるとの ご説明に、参加者は伝統の重みを痛感すると共に、三島氏が身をもって伝統に生きられているご発表は 感動的でもありました。


三島一郎氏

最後に登壇された京都大学大学院地球環境学堂地球親和技術学廊教授、 京都大学大学院農学研究科森林科学専攻教授の柴田昌三博士(本会理事長)は 「メキシコと世界の竹事情 ー第11回世界竹会議を通じてー」と題して発表されました。
このメキシコ竹会議には日本から6名が参加され、屋号竹虎≠フ山岸義浩氏が最終日に トラダケで製作の自動車トラッカー≠ナ登場して招待講演され、会場を大いに沸かせたとのことでした。
しかし、日本からの発表はポスターのみで口頭発表がなかったとのことで、寂しさがあったとのことです。
特に、この会議では特に「建築材料としての竹」や「食品と医療」の分野で活発に議論されたのが印象的だったとのことでした。
なお、次期会議は2020年10月、台湾で開催されることが決定したとのことでした。

以上、令和元年度「竹の情報発表会」は四氏のご発表によって大いに盛り上がり、極めて有意義な発表会でした。


柴田昌三氏