基本的に、日本語で読め、かつ現在も手に入りやすい本を中心に選んでます。
  1. 入門書や少し歯ごたえのある教科書
    林晋:数理論理学
    普段の論理に近いといえばNKでしょう、この本はNKの標準化定理まで証明してます、カット消去定理は竹内・八杉の証明論入門の1章と合わせて読むといいと思います。あと分解原理も書いてあるので便利かもしれません。
    田中一之:数学基礎論講義
    いわゆる基礎論の入門から不完全性定理以後の動きを解りやすく解説してあります。
    倉田令二朗、篠田寿一:公理的集合論
    集合論の古典的な結果と手法がコンパクトにまとめられた本。BGを導入しているのでクラスを扱うのが明快になってます。
    アンドリュース,ピーター:数理論理学とタイプ理論 証明による真理へ
    Andrews,Peter E.: An Introduction to Mathmatical Logic and Type Theory の翻訳です、この著者はエルブランの証明の誤りを訂正した事でも有名です。 この本の難点は括弧記号の使い方が独特なところでしょうか。高階論理の教科書で日本語で読める数少ない本です。
  2. 気になる副読本
    廣瀬健・横田一正:ゲーデルの世界
    「不完全性定理や完全性定理って何なの」と問われたときにすすめるには躊躇しますが、理解してみたいと言われればより本格的なものの前にこれをすすめます。”付録”として完全性定理と不完全性定理のゲーデルの論文が収録されています。
    田中尚夫:選択公理と数学
    集合論と選択公理の生い立ち、数学の随所に現れる選択公理や同値な定理、(相対的)無矛盾性と独立性が物語りのように語られます。それでいて拾い読みもできるのがいいところ。
    竹内外史・八杉満利子:証明論入門
    この本は、難しいけれど、3章4章を丁寧に読んでいくといいと思います。ホントは竹内外史のProof Theoryを読めばいいのだけど。2003年追記現在品切れ中です。
    Barwise,Jon (ed.):Handbook of Mathemathical Logic
    1977年の出版と若干古いのですが、そのときまでの基礎論の集成です。ちょっと値段的に手が出にくいので図書館で探して下さい。
  3. 原典あるいはそれに近い古典
    van Heijnoort,Jean (ed.):From Frege to Gödel
    英訳された原典となる論文をまとめたものに短い解説付き、最近、増刷されました。でもちょっと高い。
    Davis,Martin (ed.):The Undecidable: Basic Papers on Undecidable Propositions, Unsolvable Problems and Computable Functions
    計算可能性に関する原典となる論文をまとめたもの、版元品切れになっていたのがDoverから出版されて手に入りやすくなってます。
    Cohen,Paul J.:Set theory and The Continum hypothesis
    強制法の発見者による解説であるほかに、今も入門書としての価値を失っていないと思います。なお、東京図書からの翻訳が1990年に復刊されたので探せば十分見つかると思います。2003年追記現在翻訳のほうは絶版?
  4. 入手困難でも探してみて
    田中尚夫:公理的集合論,培風館
    和書で標準的な集合論の本
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