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 古典編


 枕草子 平家物語 源氏物語


 「枕草子」 清少納言 著

          これは反則だろうと思われるかもしれませんが、この枕草子の舞
         台は当然のことながら都であった京都です。その内容は、当時の生
         活習俗を知る貴重なものなのです。地名などは例えば「清水などに
         まいりて、坂もとのぼるほどに、柴たく香のいみじうあはれなるこ
         そをかしけれ。」というように今も同じ場所で多く残っています。
         さすがに今は清水の五条坂近辺で柴をたいている姿など見られませ
         んが、同地を訪れる際に、この同じ場所で平安の時代はこんなこと
         をやっていたのかと思いを馳せることができます。京都には平安時
         代の建物などほとんど残ってはいないのですが・・・。

 「平家物語」 著者不明(行長?)
          これも上と同様、現在残る地名が物語の各所に出てきますので、
         源平の時代に思いを馳せながら京都観光をする助けにして下さい。
          この物語は、後からストーリーを盛り上げるために加えられた箇
         所もかなりあるようですが、基本的に歴史的史実に基づいています
         ので、当然のことながら京都や京都近郊の地名が出てきます。六波
         羅密寺本堂や三十三間堂、寂光院など一部を除いては建物はあらか
         た焼失してしまい現存はしませんが、例えば近代になって建てられ
         た祇王寺滝口寺などを訪れる際は、この物語を読んでから訪れた
         ほうが興味も湧くと思います。
          当時の人々の宗教観なども良く分かります。能の演目もここから
         ヒントを得たものも多いようです。

 「源氏物語」 紫式部 著  
          上の二作を取り上げるのであれば「源氏物語」をはずすわけには
         いかないだろうと多数ご指摘をいただきました。ごもっともです。
         古典の中では一番ポピュラーで、最近では口語訳はもちろんのこと
         コミック(「あさきゆめみし」)なんかもあって特に女性に人気の
         様ですね。私の場合こういった恋愛もの?よりも軍記物の方が個人
         的に好きなのであまり読んでいなかったものですから取り上げるの
         が後回しになってしまいました。今回私が目を通したのは、自宅に
         眠っていた「源氏物語図譜 小野教孝著 久松潜一序・解説 小学
         館刊」です。これは原文に口語訳、そして各巻に絵が付くという馬
         鹿でかい本なのですが、何故か非売品ということです。内容的には
         他のものと変わりないと思います。これはとても持ち歩いて電車で
         の行き帰りに読めるというしろものではありませんので、いろいろ
         出ている文庫本なりコミックの方が読みやすいのではないかと思い
         ます。
          さて、内容に関して私が今さらとやかく言う必要もないとは思い
         ますが、もちろんこの物語はフィクションです。フィクションです
         がメインの舞台は都とその近郊で、実在の地名で出てきます。源融
         がそのモデルではないかと言われている光源氏を主人公とする、今
         でいうとトレンディードラマのような内容なんですが(え、違いま
         す?)、当時の貴族達の生活や考え方が「枕草子」のエッセイに対
         して物語である分深く分かりやすく描かれています。「枕草子」が
         どちらかというと淡々とした記録の様であるのに対して、こちらは
         登場人物に個性がある分感情移入して読み進むことができます。
          作者の紫式部は一条天皇の中宮である彰子付きの女官でした。こ
         の彰子ですが、藤原道長の娘と言った方が分かりやすいでしょう。
         「枕草子」作者の清少納言とは同時代に生きています。このあたり
         の関係は、永井路子著の「この世をば」を読めば分かりやすいと思
         います。
          それにしましてもこの物語には庶民の姿がほとんど出てきません
         。庶民があるていど力を持ってくるのはやはり室町中期以降なんで
         しょうか?

         京都在住のみつ子さんが、この物語の中の「末摘花」についての思
         い入れ深く綴られている、その名も「末摘花」も「源氏物語」を親
         しみのあるものとしてくれると思います。


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