京都に関する本 のページ
 その他の本編


 京都町なかの暮らし 京のほんまもん 京都の大路小路 寂聴古寺巡礼
 東京育ちの京都案内 明治天皇


 1. 「京都 町なかの暮らし」 寿岳 章子 著  草思社 刊

         京都府立大学元教授の著者が、少女時代から現在に至るまでのエピ
        ソードを交えて、生まれ育った京都の衣・食・住を紹介しておられま
        す。生活感あふれるこの本を読むと、京都の庶民の暮らしが垣間みら
        れます。ただ、地図に場所が記されてはいるものの、ローカルな地名
        が多数出てくるため、京都を全く知らない人には分かりづらいかもし
        れません。でも文章は非常に軽快で読みやすいです。 沢田重隆氏の
        絵もきれいです。

 2. 「京のほんまもん」 京都新聞社 編・刊
         学者や作家・芸術家等々の方々が書かれている58編からなるエッセ
        ー集。これも京都の衣食住からことばまで、それぞれの著者が思うま
        まに書いておられます。軽快なものから重厚なものまでありますが、
        いずれも短編であるため読みやすいです。有名どころでは、京番茶の
        市田ひろみさん、野球の衣笠祥雄さん、茶道の千宗守さんなどが寄稿
        されています。

 3. 「京都の大路小路」 千宗室 森谷尅彦 監修  小学館刊
          京都の町名は通りの名前で表現されることが多く、例えば「〜通
         り二条上がる」などという風に言います。上がるというのが北上で
         下がるというのが南下です。歴史的に見ても例えば室町時代という
         呼称は、京都の室町通り沿いに足利氏が幕府の御所を置いたことか
         らきていますし、貴族の名前なども邸のあった通りの名前をその姓
         としているケースも多く見受けられます。
          この本では、各大路小路ごとにその歴史的背景から現代の姿まで
         を解説しており、京都という町の姿をディテールから確認すること
         ができます。
          学術書ではないので楽しく読め、京都在住の人も新たな発見がで
         きる本だとおもいます。

 4. 「寂聴古寺巡礼」 瀬戸内寂聴 著  新潮文庫 刊
          本を手に取り、最初のページを開いた途端、ものすごい生気とい
         いますか、活力を感じました。まだ読み進む前にこんな印象を受け
         ることは滅多にありません。
          本の紹介を一言で言うと、著者が訪れた京都や奈良のお寺を紹介
         した随筆集となってしまいます。しかしそれが瀬戸内寂聴さんの手
         にかかると、そんな紹介が失礼だと思えてしまいます。

          以前、どこか他のところでも書いているかもしれませんが、同じ
         景色を眺めていても、見るものによってそれが深く、さらに美しく
         、張りつめたものになってしまいます。「百聞は一見」にしかずと
         いう言葉がありますが、ある感性豊かな人を通して聞いた姿の方が
         私の様な凡人が実際に訪れて見るよりも、多くのものを見ることが
         できるように思います。この本を読んで改めてそれを痛感しました
         。
          ここで紹介されているお寺の中には、私が何度も訪れ、親しんで
         いる寺もあります。しかし、私には何も見えていなかったのです。
         少々ショックでした。
          私にとって、この本が最初の寂聴文学でしたが、これを機会に他
         の本も読んでみたいと思います。
          皆さんも寂聴さんの力強い感性を通して、古都の寺を巡ってみら
         れては?

          この本をお教え下さった東京のYさん、お礼を申し上げます。

 5. 「東京育ちの京都案内」 麻生圭子 著  文芸春秋 刊
          その名の通り、東京育ちの麻生さんが京都について書かれている
         本です。実際には愛媛の他、大阪に住まれたこともあるらしいので
         すが、いずれも京都の外。いわゆる他所者と自認される方が外から
         ご覧になった京都です。とはいえ、読み進む内に、感じるのが、「
         この人、もう京都の内側の人になったはるなぁ。」というものです
         。帯に書かれているのが「京都のことなら京都の人に負けないぞ!
         。。。(^ ^; 「はい、堪忍。負けました。」と私は白旗を上げてし
         まいました。
          目次を紹介するだけで内容の面白さ、如何につぼをついた内容か
         は分かると思います。
          「ぶぶ漬け伝説」「京ことばの今日」「しだれ桜は妖艶に」「花
         見酒と桜守」「おいしい京の水」「蛍と川床と夏座敷」「祇園さん
         のお祭り」「祇園祭の京都人」「赤くないマクドナルド」「右が左
         左が右で 上ル下ル」「駅ビルは巨大な屏風」「東山三十六峰」「
         大文字山に登った」「大文字五山送り火」「秋の道草、御所の細道
         」「御所と御苑」「仙洞御所の舟遊び」「骨董買うなら寺町通り」
         「骨董市の常連さん」「贅沢煮、贅沢着」「紅葉あれこれ」「紅葉
         の夜、紅葉の水底」「雑誌に載る京都」「京野菜とおばんざい」「
         京町家に住みたい」「番組小学校と手榴弾」「大つぼもり日記」「
         あとがき 雪化粧の京都で」

          この本を読みまして、私はHPを京ことばで書こうかなと思ってし
         まいました。また、最近さぼっている「雑感」をもう少し力を入れ
         て書こうかなと思ってしまいました。
          京都に住む人、また京都を訪れようと思っている方々に是非とも
         読んでいただきたい本です。

 6. 「明治天皇」 ドナルド・キーン 著  新潮社 刊
          明治天皇紀を原典とし、幕末の孝明天皇治世辺りから明治天皇崩
         御までを綴った歴史書です。今まで私は、大帝と称される明治帝に
         ついては、司馬遼太郎の「坂の上の雲」や「殉死」などを通しての
         姿しか知らず、人格を持った君主としての姿を知りませんでした。
         この本を読むことにより、その人格、威厳、行動を知り、このよう
         な君主持った日本に改めて愛着を持つと共に、この帝に対する敬慕
         の念にかられています。その儒教的精神による人格、行動はもちろ
         んのこと、京都にお生まれになり、終生故郷である京都を愛され、
         今京都の御陵にお眠りなる帝の御心に深い共感と親しみを覚えます
         。動乱の歴史の合間に見られる、京都への愛着と郷愁は、同じく京
         都の優しき山々に育まれ育った私の心の琴線を震わせます。
          今、我々京都市民が美しき京都御苑に親しむことができるのも、
         明治帝の京都に対する愛情のおかげなのです。
          読後考えさせられるのは、幕末から維新初期にかけての我が国の
         恵まれた人材です。無私にして忠孝なる臣下を持った帝と我が国の
         幸福です。一歩間違えれば、我が国は西欧列強の植民地となってい
         たかも知れないのです。
          一方、木戸や岩倉、大久保といった人物の後に現れた山懸他利己
         的で野卑た明治政府首脳に現下の日本の有様を垣間見て情けなく思
         えます。幕末から維新にかけての維新志士や松平容保、山岡鉄舟、
         勝海舟などの偉大なる人物の氾濫は、日本の歴史における奇跡であ
         ったのか。私はそうでないと信じたい。
          私はこの本を読む以前より、天皇制の擁護者です。天皇制は、日
         本の心の全てではないにせよ、大きな位置を占めていると考えてい
         ます。一方、現在の憲法下における象徴としての天皇に物足りなさ
         を感じます。そこには威厳と権威の欠如があると思います。天皇親
         政は望みませんが、日本政府に正当性を付与することのできる絶対
         的権威しての天皇の存在を実現できないか。日本の心を束ねる名実
         ともに我が国の心、象徴、崇敬の対象としての天皇の姿を望んで止
         みません。才能は血の影響を受けることが多いとはいえ、概して世
         襲のものではなく、権威は日本においては世襲と伝統により高めら
         れると私は考えます。そして今の日本には権威が存在しないように
         思えるのです。

          キーン氏の文章が優れているのか、訳が優れているのか不明です
         が、非常に読みやすい文章で、明治と言う時代、明治天皇と言う慈
         愛と威厳に満ちた父の姿に引き込まれました。


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