芬陀院(雪舟寺)の庭


 芬陀院               
                         禅院式枯山水
 
 室町時代中期

 「ふんだいん」と読むそうです。東福寺山内にある塔頭のひとつです。
 雪舟等楊が、京を訪れた際に起居しており、また、その庭が雪舟作と伝えられていることから、俗に「雪舟寺」と呼ばれているようです。
 私が訪れた時は、誰も人がいませんでした。東福寺近辺は、観光コースから少し離れているせいか、普段は観光客が少ない様に思います。もっとも、紅葉の季節は別ですが・・・。
 話を戻します。ここは、静かな、ひっそりとした寺です。拝観料も入り口に置いてある箱に入れるようになっており、場合によっては、誰にも会わずに帰ることになります。
 上の写真が、「鶴亀の庭(南庭)」です。そこには、繊細でありながらしかし凛とした空間がありました。庭の奥、竹林を通ってきた風が肌に心地よく、その香りが気持ちを落ち着かせてくれます。 時間がゆっくりと流れています
 右が亀島、左が鶴島です。鶴島は折鶴を表現しているそうです。既に述べたように、雪舟が造ったと伝えられているのですが、今我々が見ることができるのは、荒廃していたものを重森三玲が昭和12年に復元修理したものだそうです。
 石組みだけに目をこらすと、左側の鶴島の石組みの方に非常に緊張感があるように思え、惹きつけられます。その点右側の亀島の方は、規模が大きい割に間延びしているように感じます。皆さんはどう思われます?もっとも我々素人は石組みだけを眺めずに全体の自然の中での構成要素の一つとして石組を見れば良いと思います。構成要素の一つとしても左の石組みのこの空間に与える貢献度は高いように思いますが・・・。
 下の庭が東庭です。こじんまりとして、品のある佇まいです。鶴島を中心に、蓬莱の連山を表現しているということです。

 私が訪れた8月下旬は、しばらく雨が降らなかったせいか、苔が赤茶けていました。今度は、苔が青々としている季節にもう一度訪れたいと思います。
 全てにあてはまるわけではありませんが、室町時代に造られた庭は、桃山時代に造られた書院造庭園や江戸時代の大名庭園と違い、石だけが妙に目立つことがなく、自然との調和があり、品があるような気がして個人的に好きです。皆さんはどう思われますか?

         

 最後になりましたが、この庭をご紹介下さった京都のMさんにお礼を申し上げます。


 底冷えのする二月の頭、再びこの寺を訪れました。写真はその時のもので、全て入れ替えました。前回訪れた際のことは上に書いた通りですが、今回は苔の青さもかなり戻り、しっとりとした美しさを見せていました。白砂と苔の青さが優しくも鮮烈でした。
 竹林を風が抜ける音のみが聞こえていました。お薄(400円:1997年2月9日現在〜玄関にはどなたもいらっしゃらず、箱が置いてあるのみですので、お寺の人に声をかけてください)をいただきました。こんもりと綺麗に、おいしく点てられていました。お薄をいただきながら誰にも邪魔されずに静かに、ゆったりと・・・この空間に流れる時の流れに身をゆだねていました。
 やはり私には、自然と調和した庭がもっとも心地よく思えます。

                     

1996年8月25日作成
1997年2月15日最終修正   


アクセス

住所 京都市東山区本町十五丁目東福寺山内
交通 市バス 202番 207番 特207番 208番 「東福寺」
   京阪電鉄・JR奈良線 「東福寺」
                    いずれも1996年9月現在
tel. 075-541-1761

HOME
京都の庭のページ