平安神宮の庭(神苑)


 平安神宮              
                    池泉回遊式庭園
 明治時代

 さて、この平安神宮。実は、平安遷都1100年を記念して明治28年(1895年)に建てられたものですから、ついこの間のものです。
 背後の庭は、明治以降を代表する庭師である「植治」こと小川治兵衛の作です。広大な池を中心とする、池泉回遊式庭園です。
 この小川治兵衛という人は、結構人工的な石を使うのが好きだったようで、この神苑にも臥龍橋という、いかつい名前の飛び石があります。これに使われている石は、もともと鴨川にかかっていた三条・五条大橋の礎石に使われていたものだそうです。この結構大きな石が、絶妙の配列で、実際観光客も渡れる橋となっています。初夏には、その周囲の水面を赤と白の睡蓮が覆い、華やかさを添えています。
 また、ここは初夏、既に書いた睡蓮の他に、かきつばた・花菖蒲、秋は萩、春は紅枝垂桜と四季を感じさせてくれます。特に紅枝垂は、色も濃く、水面に届こうか思われる枝のしなやかな姿は女性的で美しいです。川端康成も「古都」の中でこの紅枝垂にふれています。「こんなに女性的とは、今まで思わなかった。色も風情も、なまめかしいうるおいも。」

 また、谷崎潤一郎は「細雪」の中で、この紅枝垂の美しさを次のように表現しています。
 「あの、神門をはいって大極殿を正面に見、西の廻廊から神苑に第一歩を踏み入れた所にある数株の紅枝垂 - 海外にまでその美を謳われているという名木の桜が、今年はどんな風であろうか、もうおそくはないであろうかと気を揉みながら、毎年廻廊の門をくぐるまではあやしく胸をときめかすのであるが、今年も同じような思いで門をくぐった彼女たちは、たちまち夕空にひろがっている紅の雲を仰ぎ見ると、皆が一様に、「あー」と、感嘆の声を放った。この一瞬こそ、二日間の行事の頂点であり、この一瞬の喜びこそ、去年の春が暮れて以来一年に亘って待ちつづけていたものなのである。」



 池泉回遊式というくらいですので、一ヶ所にとどまってその造形の素晴らしさを鑑賞するのではなく、池の周りを巡りながら四季折々の花々を楽しむ仕組みになっています。
 
 30円払って鯉に餌をやりながら、ゆったりと時間を過ごして下さい。

                

since 1996.9.24
last update 1998.5.12

アクセス

住所 京都市左京区岡崎西天王町
交通 市バス 5番 臨5番 27番 32番 46番  「京都会館美術館前」
                          (1996年9月現在)
tel.  075-761-0221

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