清水寺成就院の庭



 成就院 
                    本来は池泉回遊式借景庭園
                    しかし池泉鑑賞式借景庭園
 残念ながら写真撮影禁止でした。
 つたない文章だけでイメージして下さい。 江戸時代初期

 注!! この庭は通常非公開です。
     1997年の55日まで 9001600特別拝観をしています。
     秋に特別公開しています。今年1996年は111日〜11日です。

 私がこの庭を訪れたのは、雨上がりの朝9時頃でした。既に清水参道は修学旅行生により朝市のような人混みでした。しかし山門をそれて左奥の成就院界隈はまったく人気がなく、そこには朝のひんやりとした心地よい空気と静寂だけがありました。
 陳腐な言葉ですが、まさに別世界でした。以前写真では見たことがありました、しかしプロの写真家をもってしても、真に自然を生かし切った借景式庭園を枠の中に表現しきることなどできないのだと思いました。
 天候も私を歓迎してくれていたようです。前夜の雨で洗われた樹影や庭石、そしてその余韻を楽しむかのような朝靄が山並みを下りていきました。
 そう、ここは借景式庭園です。前面の庭には荒々しくさえ思えるごつごつした庭石に囲まれた池があります。そして庭のそこかしこにある丸く刈り込まれたツツジなどの植え込みがその庭石の荒々しさをおさえ、どちらかと言うと優しい印象の庭にしています。しかし等持院の庭のように丸められたツツジが不自然に自己主張するということは決してありません。池の真ん中、庭の真ん中にある烏帽子石(陽石)の存在が、この庭に与える影響も大きいように思います。借景となるのは、湯屋谷を挟んで庭と対峙する、広葉樹に覆われたなだらかな東山の稜線です。この稜線、決して遠くにあるわけではありません。しかし庭と谷の境界線である低く刈り込まれた生け垣の向こう、庭の中心の延長の山並みの中腹に、灯篭が配されているのです。これにより素晴らしい奥行き、遠近感が生じ、庭全体が素晴らしくバランスのとれたものとなっています。
 先ほども書きましたように、私が訪れた時には朝靄がかかり、それにより借景がかすかにかすんで見えることにより、さらに奥行きが協調され、また幽玄の景を作り出しているように思います。
 なんたるバランス!なんたる自然の美しさ!優しさ! 
 改めてこの日、日本人が自然を愛し続けてきたことを実感しました。

 同じ借景の庭でも、円通寺の庭が借景である比叡山を美しく見せるために存在するかのようであるのに対し(この庭も私のお気に入りです)、この成就院の庭は、借景と相互に調和し、互いに高め合うために存在しているかの様です。これは借景の山並みが広葉樹に覆われていることも一因なのかもしれません。

 ここではお薄の接待が受けられます。もちろん有料ですが、この際に通される広間で、床の間の前に床の間を背にして座った場所が庭を見るベストポイントだと思います。ガラス戸が庭との間に入っているのが残念です。お薄はいらない場合、縁側で見るとすれば、この席と対岸の山腹にある灯篭の延長線上に座って見るのが最も奥行きが感じられるように思います。

 かなうことなら是非特別公開の間に訪れて見て下さい。それもかなうことなら前夜まで雨が降り、かすかに小雨がぱらつくくらいの朝に・・・。
 理屈っぽいことを長々と書いてしまいましたが、とりあえず訪れてみて下さい。1996年秋は111日〜11日、900(せめて8時からだともっと素晴らしいでしょうに)〜1600の公開です。
 お奨めの庭です。

1996
112日作成
1997
427日最終修正


アクセス

住所 京都市東山区清水一丁目
交通 市バス 東1番 東2番 東3番 東4番 5番 東5番 東8
       東9番 東10番 80番 特80番 202番 206番 
       207番 特207番 208番 
                          「五条坂」
       80番 特80番 202番 206番 207番 特207
                   「清水道」こちらがお奨め
                      (19969月現在)

tel.
 問い合わせ 075-561-1795(京都古文化保存協会)


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