浄瑠璃寺の庭


 浄瑠璃寺
                        浄土式庭園
 
 平安時代

 このお寺は、天平年間に開かれ、国宝の本堂、三重塔、庭園などは平安時代に造られたものとのことです。場所は南山城。今は行政区域としては京都府にあるこの寺ですが、文化圏としては奈良に属するお寺と言った方が良いかもしれません。詳しい縁起などについては、最近、Wikipediaなど便利な情報源がありますので、そちらをご覧頂ければ幸いです。
 一見、龍安寺前庭と同様に池泉回遊式庭園のようにも見えます。しかし、この庭は、本堂内の九体の阿弥陀如来、塔内の薬師如来を中心とし、仏教の一思想を現出させた宗教的空間です。薬師如来の存在する此方から、浄土を模した池の対岸、西方に本堂の阿弥陀仏を拝む為の浄土式庭園となっています。
 私が訪れた925日は仲秋の名月、2日前は秋分の日、つまりお彼岸さんでした。そのお彼岸さんには、この空間では、薬師の塔から日が昇り、阿弥陀のお堂に日が沈む日でした。そのように設計されている空間です。
 この日は、コスモスや貴船菊、桔梗が咲き、季節を通して花が多く、また紅葉も美しい庭ではありますが、数々の貴重な文化財、及び阿弥陀来迎の宗教的思想を知った上で、その空間に身を置き、空間に身を委ねることが望ましい庭であるように思います。境内と異なり、本堂は拝観料が必要ではありますが、是非とも本堂内の阿弥陀如来像や四天王像をご覧になってください。

 縁起をうかがうまでもなく、お寺全体が、鎌倉の禅的空間とは異なり、質朴でありながら大らかな空気に包まれています。周囲に点在する笑い仏を初めとした石仏群や岩船寺など、この周辺の土地全体に、ゆったりとした時間が流れています。

 此方、彼岸のそれぞれに置かれた灯篭は、鎌倉時代のものとのこと。姿としては、私は桐院の利休ゆかりの灯篭の方が好みですが、歴史を感じさせます。池に浮かぶ島には、弁天様が祀られています。

 しかし、よくも数々の戦火をくぐり抜け、現代に残ってくれたものです。我が国の貴重な文化財を、皆で大切にせねばならないと改めて痛感しました。

   

2007
925日作成


アクセス

住所 京都府木津川市加茂町西小札場40
交通 奈良交通バス
    JR大和路線 加茂駅より JR奈良駅(浄瑠璃寺、ドリーム)行
    近鉄奈良駅より 111番            (20079月現在)
tel.
 075-492-0068


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