賀茂の河原と賀茂斉院コース(後編)

 前編(下鴨神社〜賀茂川堤:桜並木)

 後編(上賀茂神社〜なり田〜西村家社家〜太田神社〜北山〜府立植物園)

 略地図


 上賀茂神社   さて次は葵祭の終着点、上賀茂神社。正確には(賀茂別雷神社:か
        もわけいかずち)です。下鴨神社も上賀茂神社も正確名称だと「賀茂
        」という漢字なんですね。
         ところでそろそろお腹が減りませんか?私だけかもしれませんが、
        無理矢理私のペースで話を続けます(^ ^; 。ちゃんとした食事は北山
        近辺で食べるとして、軽く「やきもち」なんてどうでしょう?上賀茂
        神社横には、「神馬堂」という店があります。ここの「やきもち」は
        一個からでも買えます。上賀茂神社横で行列を見かければ、それは神
        馬堂です。ガラス越しに見える家内では、柔らかく白く輝く餅が手際
        良く鉄板の上で焼かれていきます。包む前に、後で蒸れないようによ
        く熱を冷ます気配りに嬉しくなります。でもやっぱり出来たてが一番
        。香ばしさに思わずにやけてしまいます。上賀茂神社前の広場で頬張
        りましょう(^ ^) ただ、この「神馬堂」、朝7時くらいから店を開けて
        いまして、夕方4時頃には全て売り切れてしまいますので御注意下さ
        い。
                    
        この広場は馬場であるとのことです。
         上賀茂神社は、少々拍子抜けするくらいこじんまりした佇まいです
        。しかしその雰囲気は、その背後に控える森のせいでしょうか、何や
        ら神聖な感じがします。神社だから当たり前だろうと言われればそれ
        までですが、なんとなく森に神が住むと考え、自然を崇拝していた頃
        の面影が残っているような気がします。背後の森は、少々重いです。
                      
         そうそうここでも下鴨神社同様、白無垢の女性を見かけました。や
        はり白無垢っていいですね。

 なり田     上鴨神社前から東の方へ、水路沿いに美しい街並みが続いています
        。そんな中、歩き出してすぐ左手(北側)に「すぐき漬け」で有名な
        「なり田」の見事な構えが見えます。
         ここ、入ってすぐの石畳が見事です。凝ってるんですが、派手すぎ
        ず上品で。店のご主人の人柄が表れるようです。
         さて「すぐき漬け」が有名なこの漬け物屋さん。すぐき以外にも色
        々な漬け物があります。
         私は「すぐき漬け」と「きょうな漬け」を買って帰りました。すぐ
        きの上品な酸味は、白いご飯にぴったりです。「きょうな漬け」は、
        要するに京菜を漬けたもので、細かく切り刻んでもおいしいのでしょ
        うが、私は大ざっぱに4センチずつくらいに切って、その歯触りを楽
        しみました。京菜独特の苦みが最高です。

社家の町並み   この辺りは、「重要伝統的建造物群保存地区(Dさんからのご指摘
        により歴史的建造物郡保存地域と誤って記載していたものを修正しま
        した。ご指摘頂いたDさん、有難うございます。」に指定されている
        社家の町並みが続いています。
         洛中のいわゆる町家とは全く異なった、別の美しさがそこにはあり
        ます。これが一軒だけあるのでしたらこれほどの美しさは無いのでし
        ょう。連なりがあるからこど町並みなのであって、調和した町並みで
        あるからこそ美しいのだと思います。しかしながらこの町並みは、法
        により規制することによって維持されているわけです。これらの家々
        を維持する住んでらっしゃる方々の苦労は察してあまりあります。
        土塀一つにしても、その塗り替えに多額のコストがかかると思います
        。おそらく規制当局は、禁止するだけ禁止して、その維持にかかるコ
        ストの数パーセントも援助していないのではないでしょうか?得てし
        て役所というところは身勝手なものです。
         しかし美しい町は、住んでらっしゃる方にとっても誇りであると思
        います。かなうなら、法で規制せずともこういった町並みが残せたら
        よいのにと思うのは私だけでしょうか?

        こちらもDさんのご指摘を頂き改めて考えました。
         Dさんは行政で保存地区を規制する行政側のお立場の方でした。
         住んでいる人の自主性に任せると、なかなか伝統的な意匠を維持す
         るのが困難とのことでした。確かにその通りです。一方的に上記
         記載をしたことを恥じ入ります。マスコミと役所にはどうしても
         拒否反応が出てしまい、先入観と思い込みである種公共性のある
         Webという場で好き勝手なことを書きましたことを恥じ入ります。
         実は、私はかつて祇園の南側の町家の町並みに住んでいました。
         このエリアは、祇園甲部歌舞練場(女紅場?)が土地を保有して
         おり、土地を貸す人を厳選している為、例えば先斗町や、祇園の
         北側のように急速に街並みが崩されていくということが防がれて
         いたのですが、それでも、借りた人がどのような建物に改築する
         かまで口を挟むわけにいかないものですから、伝統的意匠は崩れ
         ようとしていました。そこで、京都市より建物の外観に対して
         規制をすることとなりました。その話の中、私などは、行政側に
         言われずとも、自らの町の、家の誇りとして、伝統的意匠を守り
         高めるという考えでしたが、母などは、お金がかかるし、何故
         自分の家を好きに改築できないのかという否定的な考えでした。
         家族の中ですら、このように纏まっていないのですから、いわん
         町という単位では纏まるのは困難です。
         法の規制なく、自主的に町並みを守り、高めて行くのが理想と
         いう考えに変わりはありませんが、現実的には法規制止む無し、
         寧ろ、京都市域のもっと広範囲に法規制を施すべきというのが
         現在の考えです。しかし、やはり補助金が足りないのも事実で
         す。加えて、相続税の減免等、行政側のさらなる対応に期待し
         ます。また、そこに住む我々市民の意識を高めて行くことが重
         要でしょう。町への誇りが空疎な中身の無いものにならないよ
         うにする為にも。
                       (20051113日追記)

         この社家の中で、「西村家社家」が一般公開されているのですが、
        その期間は315日から12月第一日曜日まで。私が訪れた38日は
        門が閉ざされていました・・・(; ;)。いずれ再度訪問し、ご紹介しま
        す。

        * 行って来ました「西村家社家」。詳細はこちらをご覧下さい。
        (1997518日)

大田神社     大田神社は杜若(かきつばた)が美しい神社です。杜若の咲く頃に
        は是非とも訪れてみて下さい。
                         
         大田神社そのものは、田舎へ行けばよくあるような、でも地元の人
        々の信仰を集めているような、小さな素朴な神社です。ここだけの為
        に足を運ぶところではないかも・・・。

北山・植物園   大田神社への参道と上賀茂神社から来た道の交差点から、さらに東
        へ進んで若干右へカーブした次の角を右(南)へ、少し広い道を南下
        すると、徐々に洒落た店が増えてきます。北山の街です。どんつきは
        植物園。
         しかし、大田の沢(大田神社の横の、杜若の池のことです)の南側
        の道をひたすら東へ進むと「深泥池」に出ます。緑豊かな美しい湿原
        が広がっています。私の訪れた時は、中年の素敵なご夫婦が、木の根
        元に腰を下ろし、そよ風を感じながら本を読んでらっしゃいました。
        とても豊かな時間を過ごしておられるようでした。
        でも夜は「出る」スポットでもあります。夜は近寄らないことをお勧
        めします。
               

         ここら辺りは食べるところも多いですし、ケーキ屋さん、パン屋さ
        んもたくさんあります。この内のどこかで腹ごしらえするもよし、パ
        ンを買って府立植物園(有料)の中で食べるのもお奨めです。この植
        物園、様々な種類の桜が咲き乱れる桜の名所でもあります。
         パンを買うならFM局「アルファ・ステーション」の南側の通りを西
        の方へ進んだ並びの「it(イッテー)」か、北山通りの「進々堂」が
        お奨めです。
         昼頃にここに到着したのなら、北山通りを賀茂川の方へ進んで、途
        中北側の通りの角にある「甚六」という蕎麦屋もお奨めです。
         この街には上記の店以外にもいい店がたくさんあります。

         この近辺の情報は、Cyber Kyotoというホームページの中の
        「北山ガイドマップ」が、質・量共に圧倒的ですのでそちらをご覧に
        なることをお奨めします。府立植物園に咲く花の情報なども手に入り
        ます。リアルワールドの北山の街をバーチャルに体験でき、実際Web
        上でショッピングもできます。


 お疲れさまでした。この辺りは地下鉄の「北山駅」もあり市バスの系統も複数ありま
すので、交通の便は良いです。

 下鴨神社から賀茂川河原の遊歩道を通って上賀茂神社へ至る行程は、自転車で走ると
丁度良いサイクリングコースなのですが、歩くとちょっとつらいかもしれません。体力
に自信の無い方や時間に余裕が無い方は、冒頭でも言いましたとおり、北大路橋からス
タート
されることをお奨めします。

 「葵祭」で斉王代の行列が進むのは車道の加茂街道です。しかしこの車道は、交通量
が結構多く、排気ガスを吸い込むのがおちですので普段はやはり河原の遊歩道を歩きま
しょう。

 ご意見・ご感想、もっとこんなに良いところがあるのにというご指摘、また誤りを発
見された方は、お手数ですが 吉田 一雄( kazuoy@mbox.kyoto-inet.or.jp )ま
でメールを頂戴できれば嬉しく思います。よろしくお願いします(^ ^)

199739日作成:20051113日最終修正)


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