高台寺の庭


 高台寺
                       池泉回遊式庭園
 桃山時代末期 

 
ご存じ北の政所で有名なお寺です。最近では秋などのライトアップで有名ですが、ここは臨済宗の禅寺です。
 ここの庭はパンフレットでは小堀遠州作となっています。しかしながら創建当時の形がどこまで残っているのかははなはだ疑問です。といいますのは、もともとこの寺、淀君と対立していた北の政所の機嫌を取るために徳川家康が財を惜しまず造営したため、創建当時は壮麗豪華な堂宇が東山の広大な寺域に林立していたそうです。ところが度重なる火災の為、建物で現在残っているのは開山堂と霊屋、傘亭、時雨亭、表門、観月台等のみで、庭も度々改修されているそうなのです。
 まぁいきさつはともあれ、現在見ることができる庭の話をしましょう。
 方丈横から開山堂、霊屋、東山を奥に眺めながら見るポジションがお奨めのビューポイントだと思うのですが(方丈の縁側に立って眺めるのはさらに良いと思います)、一面苔ではなく芝生に覆われた庭はかなり起伏に富んでおり、石の置き方なども併せて少々派手な印象があります。ところがそれが観月台のある楼船廊などの建物と妙にマッチしています(上の写真、中央に見える建物が開山堂、右上に小さく見えるのが霊屋です)。ですからこの庭は、建物・東山の借景との三位一体で景観を為しているように思えます。
 印象としては陽気で華麗な桃山風(?)で、少々気取っているような、でも楽しげな雰囲気があります。少々中国風にも見えるのは私だけでしょうか?

 ただここは庭の紹介をするページではあるのですが、この高台寺の主役は庭でも傘亭や時雨亭でもなく「高台寺蒔絵」(写真撮影禁止)だと思います。これだけ見るだけでもここを訪れる価値があると思います。お霊屋にほどこされているこの蒔絵は、華麗にして優美、その意匠の見事さに溜息が出ます。よく茶道具の棗などにほどこされている「高台寺蒔絵」のルーツがこれです。
 桃山時代という短い期間が、芸術家にとって最も自由で充実した時代だったであろうことが想像できます。不思議な時代です。
 ただ残念なのは、この「高台寺蒔絵」ガラス越しにしか見ることができないため、光が反射してあまりよく見ることができません。それでも充分感動することができるのですが・・・。入場の際に貰えるパンフレットが他の寺のものより高級感があるのは、この高台寺蒔絵の写真を使っているからだと思います。
 霊屋内は撮影禁止ですし、パンフレットを読み込んでここで公開することは著作権に触れると思われるのでできません。しかしCraft Onlineというページの中の「Web Museum」でこの蒔絵のかなり鮮明な画像を見ることができます。

 そうそう、この寺ではお抹茶がいただけます。500円(1997115日現在)です。方丈でいただけるこのお薄はお奨めです。他の多くの寺は鶴屋*信の決しておいしいとは言えない干菓子がついてて、点て方もぞんざいなために薄かったり固まりが残ってたり温度が低かったりすることが多いのですが、ここ高台寺ではお菓子がじょうよ饅頭(どこでもある饅頭なのですが、これがお薄にぴったり!)で、天目茶碗で出されるお薄も見事においしく点てられています。
 庭を眺めながらいただくことはできませんが是非とも。

 
天目台の羽に乗っている白いのが饅頭です


1997
115日作成
1997
128日最終更新


アクセス

住所 京都市東山区高台寺下河原町526番地
交通 市バス 11番 12番 31番 46番 54番 201番 202番 203
       206番                     「祇園」
                        19969月現在
tel.
 075-561-9966


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