静寂に守られし黒谷会津藩士と吉田山コース
                 (後編)


黒谷〜真如堂〜萩の寺〜宗忠神社〜竹中稲荷〜吉田山〜吉田神社〜進々堂

概略地図


 前編:黒谷〜真如堂
 後編:萩の寺〜宗忠神社〜竹中稲荷〜吉田山〜吉田神社〜進々堂


     さて、ゆったりとした時間に後ろ髪を引かれながら表門を出ると、緩やかな
    谷間(少々表現が大袈裟かな。。。)の向こうに、神社が見えます。これが宗忠
    神社です。この谷間が、真如堂、黒谷の丘陵と、吉田山との境界になります。
    さて、萩の季節には、この谷間の道を右()へ進みましょう。どんつきに見え
    るのが萩の寺です。

             
                       宗忠神社参道より真如堂を望む
                       間は閑静な住宅街です

     宗忠神社は、黒住教という宗教の教祖である黒住宗忠という人を祀ってある
    神社だそうです。ま、ここはどこにでもあるありふれた神社です(^ ^;
    その宗忠神社横には、吉田山荘という料亭(?)があります。

             
              宗忠神社の北の道。
             かすかに見える塔は真如堂の塔。奥に東山の山並

     さて、宗忠神社の境内を通り抜け、北へ進むと、赤い鳥居が見えてきます。
    ここは、「竹中稲荷」です。こじんまりとした稲荷、鳥居のトンネルです。
    伏見稲荷の鳥居群と比べると、あまりに小規模ではあります。

                    

     ただ、この竹中稲荷本殿(?)からも、谷間の街の向うに如意ヶ岳の大文字が
      見えます。ただ、このコースでの大文字のベスト・ヴュー・ポイントはこ
     こではありません。

      竹中稲荷の本殿横から、吉田山山上の公園へと抜けることができます。
     木々の間にベンチやテーブルが配され、5月に訪れた折には、親子連れが
     お弁当を開けてらっしゃいました。しかし人気はまばらで、たまに京大
     学生と思しき男女や地元の人が散策を楽しんでいる静かな空間です。
      雑木林の中を通る林道を北へ行くと、侘びた感じの庵が右手()に見え
     、さらに進むと下の様な真新しい石造物が現れます。一体誰が造ったの
     でしょうね?

               

      そして、そこからさらに東の斜面へ林道を下りていくと、視界が開け、
     目の前に大きく伸びやかに大の字が描かれているのが見えます。つい
     100年ほど前には、吉田山と大文字をつなぐ渓谷は、穏やかな田園風景
     が広がっていたのでしょう。今は無機質な白い建物がその谷を生めてい
     ます。しかし、東山の緩やかな連なりの中に描かれた大の字は、そこに
     変わらず美しい達筆を見せています。送り火の時はどのような光景が眼
     前に広がっているのでしょうか。。。


      しばし眺望に見とれた後、林道を吉田山の西の斜面へと下りていきます。
     下りるルートは、南へ「斎場所大元宮(さいじょうじょだいげんぐう)」とい
     う吉田神社の奥の院へと至るルート、菓粗神社横から、最短で吉田神社本殿
     へ下りる道、吉田神社へ至らずに、今出川通り沿いの石鳥居へと下りる道の
     三通りがあります。今日は、最短のコースで下りてみましょう。

                     

     麓に吉田山全体を鎮守するかの様に吉田神社があります。節分祭の時を除け
     ば、いつも人はまばらで、心地よい静寂が迎えてくれます。日本人の自然信
     仰の清々しさを垣間見ることができるような気がします。木々に抱かれた朱
     塗りの建物。そこには調和と協調があります。

            

      お疲れ様でした。この吉田神社が今回の散策の終着地です。吉田神社から
     街へ下りると、そこは京都大学のキャンパスです。そういえば、今回の散策
     では飲まず食わずで歩いてしまいました。京大の近辺には、東大路今出川の
     交差点を中心に、数多くの定食屋などの安くで食べられる店があります。
     今回、私はこの近辺で一番落ち着いて本の読める進々堂に足を向けました。

              
                      京大の学生達の憩いの場「進々堂

     今日の散策の心地よい虚脱感に包まれながら、大きな樫木のテーブルでコー
     ヒーに野菜サンドで腹ごしらえ。さらにもう一杯コーヒーを注文して、どこ
     までも緩やかな時間の中で本の世界に浸っていきました。

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作成:1999529
更新:1999720


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