大原の里コース

 京都の北東、若狭へ抜ける道の奥深くに大原の里はあります。四方をなだらかな山に
囲まれた盆地である大原は、のどかな山里といった雰囲気です。昔ながらの茅葺き屋根
の農家はほとんど無くなってしまいましたが、まだまだ趣のある里です。
 ここでは「平家物語」に出てくる「寂光院」と「三千院」が有名ですが、これらの寺
院を巡りながら実際に私が歩いたコースをご紹介させていただきます。大原観光の参考
になれば幸いです。
 ここに載っていないところでお勧めのところなどありましたら、お手数ですがメール
にてお教えいただけませんでしょうか。このページにフィードバックしたいと思います
。メールの宛先は、吉田 一雄 ( kazuoy@mbox.kyoto-inet.or.jp )です。宜し
くお願いします。

大原の里コース 大原バス停〜寂光院〜大原工房〜一閑張りの店〜三千院〜宝泉院
                       〜実光院〜土産物街〜大原バス停

 略地図


 大原バス停    大原の里に行くには、市バス・京都バスか車で行く以外に交通手
         段はありません。私はバスで訪れることをお勧めします。バス停は
         ちょうど三千院と寂光院の中間にあり、大原散策の起点とするのに
         都合の良い場所にあります。この大原への道は、京都から若狭、手
         前の琵琶湖へ抜けるルートになっています。特に琵琶湖は関西のマ
         リン?スポーツやアウトドアのメッカとなっているため、ここを目
         指す車がこの片側一車線の一本道に集中します。季節にもよります
         が夕方などはかなりの混雑が予想されます。ですからあまり車はお
         勧めできません(タクシーはいくらかかるか分からないので論外)
         。でも万が一車で来られた場合もこのバス停付近の駐車場をお勧め
         します。三千院付近の駐車場へ行くには車が一台しか通れない道を
         通らねばなりません。
          さてバスですが、市バスでも京都バスでもバス停は隣同士ですの
         でどちらを使っても差はないと思います。

          ここから寂光院と三千院のどちらを先に行くかはお好み次第です
         。万が一早朝8時過ぎ頃に着いたのなら三千院の方を先に目指せば
         良いかもしれません。大原では唯一8時半から拝観できます(他は
         9時から)。
          今回私は寂光院を先に目指しました。寂光院へは道標に従えば迷
         うことはありません。
          この道は、苔蒸した農家の石垣などは趣があるのですが、残念な
         がら茅葺きの屋根はほとんど見受けられません。でも山里の雰囲気
         はあります。私の訪れた10月下旬にはコスモスの花が咲いており、
         目を楽しましてくれました。

 寂光院      寂光院を訪れる際には、「平家物語」「大原御幸」をあらかじ
         め読んでおくと魅力が増します。言い方を変えれば、あらすじだけ
         でも知っておかなければ魅力半減です。
          寂光院は大原の里でもかなり奥の方にあり、ひときわひなびた雰
         囲気があります。もともとは聖徳太子が用明天皇の菩提のために創
         建した寺らしいのですが、今は平家一門の建礼門院(徳子、平清盛
         の娘、安徳天皇の母、高倉天皇の中宮)が入った寺として有名です
         。秋は紅葉に包まれる本堂の一部は、平家物語の時代そのままの建
         物だそうです。本堂内で説明が受けられます。
          私の訪れた時は残念ながら工事をしていて見ることはできません
         でしたが、ここには四方正面の庭というのがあります。
          ただ何も知らずに紅葉以外の時期に訪れると、小さなお堂がある
         よくある山寺といった受けとめ方をしてしまいそうです。くどいよ
         うですが建礼門院の生い立ちを知って訪れた方が感じるところが多
         いように思います。 
          さて寂光院への道には結構土産物屋や民宿がたくさんあります。
         寂光院の門前で売ってる山菜などの佃煮はおいしかったです。値段
         は少々高いように思いますが。

 大原工房     寂光院から来た道を戻っても良いのですが、ちょっと道草をして
         大原工房に行って来ました。来るときに最後に渡った橋を渡らずに
         まっすぐ道を進んで下さい。しばらく行くと少々広め?の車道に出
         ます。その前方右手奥に見える三角屋根の建物が大原工房です。
           ここでは草木染の販売だけでなく体験をさせてくれます。時間は
         10時から17時頃まで。水曜日定休です。草木の採取から始め、ス
         カーフやテーブルセンターなど染めたい生地を選び、自分で染めま
         す。スカーフなんかだと23時間でできるそうです。団体の場合は
         予約をして下さいとのことでしたが、個人で行く場合も予約してお
         いたほうが間違いないでしょうね。電話番号は075-744-3138
         す。草や木からこのような美しい色が出るのかと驚いてしまいます
         。

 三千院      さて大原工房から三千院に近道をしても良いのですが、私はのど
         かな畑の横の道をぐるりと遠回りしました。詳細ルートは地図で見
         ていただくとして、三千院付近の話に飛びます。
          三千院へ至る道はどこから行っても細い坂道です。私が訪れた10
         月下旬は既に秋の観光シーズンになっていたせいかタクシーなどが
         細い道に入り込み、せっかくの山里の風情を台無しにしていました
         。こういった道はゆっくりと歩いた方が楽しめるのにもったいない
         ことをすると思いました。
          三千院に近づいてきた左手に下の写真のような茅葺きの家があり
         ます。
       
          昔ながらの紙張りの傘と「一閑張(いっかんばり)」の工芸品(
         上の写真右側)を売る店です。傘は実用性が無いので眺めているの
         みですが、一閑張はいいものだったので購入しました。もともと大
         原に伝わるというものでも無いのですが、下手な土産物よりも実用
         性がありますし、写真の真ん中の皿?が一枚2,000円と安かったの
         でこれを選びました。私の場合、これに懐紙をのせて来客時に干菓
         子などを際に利用しようと考えています。
          一閑張は木地に和紙を漆や糊で張り重ねたもので、非常に丈夫で
         す。
          さていよいよ三千院です。積み上げられた苔蒸した石垣が見事で
         す。門跡寺院であるため、皇室が使っていた生活道具などが多数展
         示されています。
          しかしここの魅力は往生極楽院(下の写真の建物)でしょう。
                   
          杉木立の中にたたずむ柿葺きの建物は、飾り気が全くないのにも
         かかわらず優美で、空気が張りつめた様な素晴らしい空間を作り出
         しています。比べるのはおかしいのかもしれませんが、金閣などと
         違い気品があるように思います。
          私が訪れた時にこの建物担当だった背の高い坊さんは、親しみが
         あってユーモアのセンスがある面白い坊さんで、堂内の阿弥陀三尊
         (これが素晴らしい!)や建物について楽しい話を聞かせてくれま
         した。話が上手なのでつい引き込まれてしまうのですが、内容は非
         常に勉強になり感心させられることばかりです。この坊さんの話を
         聞けただけでも拝観料の元はとれたなと(失礼)満足してしまいま
         した。いつもこの坊さんがいるのかどうかは分かりませんが、この
         往生極楽院の担当だと言っていました(19961027日現在)。
          この坊さんがいなくとも、ここは靴を脱いで上がって仏像を見て
         下さい。普通の寺では仏像が我々よりかなり高い所に奉ってありま
         すが、この阿弥陀三尊、特に大和(やまと)座りをしている両側二
         体は座った我々とほとんど目線が一緒です。しかもこれが素晴らし
         い仏像です。

 宝泉院      三千院からさらに奥に行ったどんつきが勝林院で、そこから左の
         細い道を行ったところが宝泉院です。
          ここの見所は何と言っても額縁庭園でしょう。全面の枯山水その
         ものは大したことありませんが、奥の竹林とその間から見える美し
         い山並みの借景は見事です。この庭は(この庭に限りませんが)、
         縁側ぎりぎりに座るのではなく、座敷の奥まったところに座して眺
         める景がベストです。残念ながら今回は、秋の観光シーズンの週末
         とあって大勢の人が詰めかけ、庭の鑑賞どころではなかったので改
         めて落葉の後に訪れて写真を撮り、インプレッションをお伝えした
         いと思います。ここではお薄がいただけます(というよりは拝観料
         に含まれ半ば強制的なのですが)。

 実光院      先ほど前を通り過ぎた実光院にまいりましょう。ここでも拝観料
         にお薄代が込みになっています。これは改めてほしいと思います。
          さて実光院ですが、もちろん寺なのですが、どちらかというと田
         舎の豪農の庭を開放しているといった感があります。池泉鑑賞式の
         庭の他に、ゆったりとした向こうに大原の山並みが借景として見え
         る庭があります。この庭のいたるところに腰掛けが置いてあります
         。観光シーズンにも関わらず、三千院や宝泉院と違い比較的人が少
         ない寺ですので、寺に参拝したとは考えずに公園行くような気持ち
         で訪れてはどうでしょう。そしてのんびりと足を休め、大原の里を
         かみしめてみてはどうでしょうか?

 バス停へ     さて後は三千院の前からバス停までのびる、川沿いの土産物街を
         下るのみです。この中程右手にある「焼きだんご」はなかはか美味
                         
         でした。炭火の周りに串を刺して焼いているのですが、大きめの柔
         らかい団子に味噌味のタレをつけて食べるみたらしだんごの化け物
         のような物です。欲を言えば、もう少し焦げ目をつけてほしかった
         ・・・。一串300円(19961027日現在)でした。

 おつかれさまでした。

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 今回はありきたりのコースしか回れませんでした。観光シーズンですのでどこも人が
多く、山里のひなびた雰囲気を感じるのは難しかったように思います。もちろん人が訪
れるということは、観光に適した気候であり、景観なのですが、できれば人の少ない落
葉後の冬などに訪れるのもよいかもしれません。
 再度冬に訪れて、大原のさらに奥の方、呂律の川や音無の滝、古知谷などを探検し、
紹介しようと考えています。
 ですから今回は暫定公開。
 いつになるか分かりませんが、更新を乞うご期待!

       19961027日  吉田 一雄 kazuoy@mbox.kyoto-inet.ot.jp


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