蓮華寺の庭



 蓮華寺
                        池泉鑑賞式庭園
 
  江戸時代初期

 ここも、私の好きな庭の一つです。規模は大きくないのですが、しっとりとした落ちつきを持った、ゆっくりと自然の調和を楽しめる庭です。
 寺の縁起はともかくとして、この地に庭が造られたのは、寛文二年(1662年)、今枝民部近義によるものとされています。その際、詩仙堂の石川丈山や狩野探幽、木下順庵などが協力したとのことです。
 写真では、技術の未熟さ故にわかりづらくて申し訳ないのですが、庫裏入るとすぐ、開き放たれた室内から庭を眺めることができます。
 池の奥の鶴島に、慈照寺などと比べるとかなり厚みのある橋がかかり、その周囲に豪放な石組みが成されています。この池を中心とした庭全体が、優美な樹影に覆われており、心和む空間を作り出しています。私が訪れたのは八月初旬、楓の青さが目にしみました。庭を覆う木々はかなり深いのですが、鬱蒼としているわけでなく、優しい風情をかもしだしています。
 ゆったりと畳の上に座り、心穏やかに庭を眺めていると、庭に於いて、自然との調和、全体のバランスが如何に大切かを思い知りました。蓬莱山・鶴島・亀島というルールのようなものには束縛されているのですが、この時代の他の庭に見られるような、いわゆる名石が、その存在を必要以上に主張するような、見方によれば成金趣味とは、この庭は縁遠く、調和がとれているのではないかと思いました。
 この庭を眺める際、縁側ぎりぎりに座って眺めるのではなく、座敷の奥まで下がって座り眺めるのをお勧めします。ちょうど一番下の写真のような眺めとなります。
   
 19961116日の紅葉

 こちらを訪れる際には、お薄もいただきましょう。茶席は、広間なのですが、この前面の庭も素晴らしいです。右から左へ小川が流れ、その中の島に見事な松が植えられています。その奥は、山の岩肌が露出しているのですが、その中程にも松が生えており、周囲の木々と共に美しい風情をかもしだしています。
 水の流れる音が耳に心地よく、落ちついた気分でお薄がいただけます。お薄をいただかないと、こちらの庭には気づかないと思います。(話はそれますが、お寺でいただくお薄に付いているお菓子ですが、どうしてこうおいしくないのばかりなんでしょう?いっそ鍵善の菊寿糖でも忍ばせていって、これでお薄をいただいた方が良いのではないかと思います。)
 お勧めの庭です。紅葉の季節は、素晴らしいと思います。


1997
222日 雪の蓮華寺

1996811日作成
1999
24日最終修正


アクセス

住所 京都市左京区上高野八幡町
交通 京都バス 「上橋(かんばし)」下車
   叡電叡山本線 「三宅八幡」
                (いずれも19969月現在)
tel.
 075-781-3494


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