青蓮院の庭


 青蓮院
                       池泉回遊式庭園
  
       室町時代後期?

 青蓮院は、門跡寺院で、天台宗のお寺です。桃山時代以前は現在の知恩院全域が青蓮院の寺域であったらしく、格式の高い、かなり大規模な寺院であったようです。現在は、どちらかと言うとこじんまりとした、ひっそりとした佇まいがあります。個人的には若干、荒れかけた様な、かつての繁栄から遠ざかった哀愁を漂わせているようにも見受けられます。私は門前の大きな楠が好きで、この門前道はよく歩きます。この楠と、門跡寺院の象徴である五本線がひかれた築地塀が最も往時の格式を伝えているようにも思います。
 江戸時代末期、皇居が炎上焼失した際、後桜町上皇がここを仮御所とされていたそうです。紫殿の縁側に腰掛け、平安神宮のものと比べるとかなり見劣りする「右近の橘」「左近の桜」の植えられた閉ざされた空間を眺めていると、主を失い、虚飾を廃した清々しさのようなものも感じます。寺の中で、ここが一番落ちつく空間かもしれません。

 さて、上の写真は小御所から望んだ相阿弥作と伝えられる庭です。拝観時に貰うチラシにも書かれていますが、現在の姿からは室町時代の作庭手法を見いだすことは困難だと思います。私の訪れた629日は、しばらくぶりの雨が降った後だったのですが、苔が赤茶け、土がむき出しになっていました。築山回りの野暮ったい丸く刈り込まれた植え込みと相まって、視線を前に向けている限りあまり良い印象は受けませんでした。しかしながら、この庭の空間そのものには心地よい印象を受けるのは、おそらく粟田山から連なる木々の緑陰のせいなのでしょう。小御所の玉座の前あたりから東側の縁側越しに眺めるのが、この庭を眺める最も良いポジションではないかと思います。あくまでも私の個人的意見ですが。
 この庭の左()奥には、小堀遠州作と伝えられる庭があるのですが、コメントは割愛させていただきます。

              
お薄は華頂殿でいただけます

 さてお薄(600円:1997629日現在)は庭に向かって開け放たれた華頂殿でいただけます。
 普段の私は、門前の楠のみを楽しんで中に入ることはないのですが、たまには本を片手に足を止めて見るのも良いものだと思いました。庭よりもむしろ宸殿の縁側を目指して。
 この寺に再び足を止めるきっかけを作って下さった東京在住のH.Mさんに、この場をお借りして改めてお礼を申し上げます。


(さて、その東京在住H.Mさんのご感想)
ご感想の掲載承認を頂きましたこと、改めてお礼を申し上げます。

寝殿から移動して、メインの相阿弥作の庭を眺めるポイントが
2ヶ所あります。「小御所」と「華頂殿」でここのふたつのポ
イントビューがポスターになっているようです。建物の中から
配置の妙を楽しむなら小御所、庭園全体を見渡すなら華頂殿と
いったところでしょうか。この庭は解説によると「平安時代か
らの築山泉水庭の形式を踏襲している」とあります。池を中心
として築山で囲んだ形です。建物も含めて、ここの庭はこじん
まりと品良くまとまっています。苔や樹木も良く手入れされて
いて、水彩画を見ているような柔らかさを感じます。「佳作」
といったところでしょうか。
庭の中も散策できるようになっていて、そこから小堀遠州作と
言われる部分に行けますが、ここは小さく印象に残らない平凡
な庭でした。


作成 1997721
最終修正 199783


アクセス

住所 京都市東山区粟田口三条坊町
   (円山公園の北隣が知恩院 その北隣が青蓮院です)
交通 市バス 5番 「神宮道」 (1997629日現在)
tel.
  075-561-2345
拝観時間 9001700


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