旬の京都
1999年2月4日
「静謐」

2月3日夜
家に戻らんと歩を進める、優しき町家の連なりは、
清楚な薄化粧を施していました
その気品溢れる姿に、我が心までも洗われる心地でした
2月4日未明
いつもと異なるどこか取り澄ました障子の表情
その向こうは輝くばかりの白金の庭でした
こらえきれずに出し町並み
いつもと同じはずの領域は
一面の厳かな静謐(せいひつ)に包まれていました
降りつづける幻想
艶やかな犬矢来をそっと撫でます
見上げれば輝く屋根の波
今朝は特別な朝となりました

1999年2月4日仙洞御所