旬の京都

200047



「花の宴」


心地よい気怠るさに身を任せ
春眠を貪る昼下がり
夢の余韻を惜しみつつ
身支度を整えたその足で
縁側の木地の感触を楽しみます
坪庭に目をやると
手水鉢の水面に淡い桃色が揺れています
近くの禅寺から運ばれたらしい
春の可憐な歓び
彼女に誘われ花の宴に出かけました

整えられた四条から五条にかけての鴨川縁は
大らかに枝を広げる花吹雪の染井吉野
春風に棚引く優美な若柳の緑
足下には吹き溢れる雪柳の白
その隙間に見えかくれする連翹の鮮黄
まさに盛宴です

穏やかな川面には白鷺の子が餌を啄み
共に宴を楽しんでいるかのようです

川端通の車の喧噪
身近なそれをしばし忘れさせてくれます








足を延ばしある寺院の境内
掃き清められたその静謐の中
法堂を守るかのように立つ勇壮なる桜の老木
人もまばらなそこは
私が心落ち着く空間です

季節の移ろいに舞う花びらは
諸行無常の象徴か



朧月夜に浮かぶ夜桜
白川は花の流れに
その先には混沌があるのか

来年の宴まで
しばしこの余韻を楽しむとしよう
盃の酒に春を浮かべながら








 


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