旬の京都

200549日作成

春降臨


春は突然訪れました
まるで舞台の背景が変わるかの如く
数日前までは未だ朝晩は肌寒く
桜の蕾も身を縮めていたのに

一晩明ければ
そこは光輝く空
絢爛たる桜花
山々も
新緑の芽吹きが始まる

今日この日一日で
自身の全てを表現し尽くすかのような
燃え立つような閃光に
ただただ圧倒されました

夢幻でも構わない
ただ この一瞬に輝け













 例年、五分咲き、七分咲きと徐々に開花して行く桜の花ですが、今年は二分咲き
くらいから、一気に満開となったような印象があります。明日は午後から雨が降る
ようですので、かなりの花がはや散ってしまうことでしょう。まさに一期一会と
申しましょうか、一瞬の輝きを、強烈に脳裏に焼きつけるかのような今年の桜
でした。
 そんな一日、私は洛北疎水分流を起点として、高野川沿いの桜並木、北白川の
疎水縁の桜並木、哲学の道へとまず至りました。北白川辺りまでは、普段より
人手が多いとはいえ、ゆったりと花見が楽しめる風情でしたが、哲学の道は
知名度の高さ故か、溢れんばかりの人、人、人でした。道を溢れて疎水に落ちて
しまわないかと心配になるほどで、哲学の道に本来備わった情緒が打ち消されて
しまうかのようでした。その為、私は、大文字山を登り、送り火の火床からの
景色をしばし楽しんだ後、桜花こそ目にしないものの、山中の自然と鴬の名笛を
楽しみつつ洛外の毘沙門堂へと下りて行きました。洛中とは異なり、人に酔う
ことなく染井吉野や枝垂桜、春のさわやかな風をゆったりと楽しむことが
できました。その後、山科疎水の桜を愛でつつ、東山の山科側の麓に至り、
再び山を越えて日向神社を詣で、洛内に戻りました。麓の蹴上は再び人の海。
その波間を、輝く花の雲を抱いた桜の枝が覆っていました。
 今日と言う二度と訪れぬ一日を、春に相応しく、花と自然に抱かれた心地よい
散策で楽しむことができました。
 以前も書きましたが、疎水縁はいずこも桜並木となっています。同じ疎水縁
であり桜並木であっても、それぞれの表情に違いがあり、楽しめます。
 一番上の大きな写真が山科疎水近く、二番目の写真が洛北、三番目が哲学の道
から大文字山を見上げている写真、四番目が反対に、送り火の火床から洛内を
見下ろしている写真です。ここは、どの季節に訪れても見晴らしが素晴らしい
のです。愛宕山からの眺めよりも街が適度に近く、私は好きです。
五番目、六番目が毘沙門堂の写真、七番目が山科疎水の写真です。
 小学校の遠足以来ご無沙汰していた山科の疎水が、意外と趣があったのが
嬉しい驚きでした。人が少ないのがいいですね。ただ、残念なのが、護岸が
コンクリートで固められている為に少々殺風景なことでしょうか。
 今日は、本当に恵まれた一日でした。


HOME