1999年7月20日
先週末の山鉾巡行の活気と熱気、そして喧噪
夜という幕が開けると再び京都に静けさが戻っていました
そして静けさと共に、盆地独特の蒸し暑さも訪れました
強い日射しに肌にまとわりつくような空気
「住まいは夏を旨とすべし」
吉田兼好にもこの暑さがこたえたのでしょうか
そんな夏の或る一日
最後の力を振り絞るかのように
梅雨の雨が降りました
御所の東、廬山寺を訪れました
高い屋根
磨きこまれた板の間
のびやかで涼やかな空間がそこにはありました
源氏の庭
しとしとと降りしきる雨に
苔が鮮やかな緑で応えます
入り組んだ入り江に穏やかな白砂のさざ波
こんもりとした丘のそこここに
清楚な紫の花
野草の様であり、決して気取ることなく
しかし自然に気品が溢れ出る桔梗の花
雨の歓びに背筋を伸ばす麗人
しばし彼女と共に読書を楽しみました
入道雲が見えてきました
間もなく盛夏です
廬山寺「源氏の庭」は撮影禁止です。
京都の桔梗の美しいのは、廬山寺の他に「金福寺」。
梅雨が明け、日射しが強くなればなるほど桔梗は弱ってきます。
6月下旬から7月下旬迄が見頃でしょう。