旬の京都
1997年2月14日作成

春の気配
雪間の草という言葉をご存じでしょうか
雪の下から除く福寿草などに
春の気配を見出す際に使うことばだそうです
今の京都で雪が積もることは稀です
でも寒くないわけではありません
京の冬は底冷え
体の芯から凍えます
「家のつくりは夏を旨とすべし」
吉田兼好のこの言葉は
蒸し暑い京都から生まれたものでしょう
簾(すだれ)も夏の日差しを避けるもの
日差しをさけつつ
風を通す
のみならず何より美しい
しかし簾は夏のみのものではありません
簾に映える柔らかな日差しの中に
春の気配が感じられます
間もなく京都は梅の香りに包まれます