旬の京都


1997
224

幽寂


春を夢見る二月の朝
障子から滲みでる光りが
なんとなくいつもと違うようでした
障子を開けた私の頭の中は
目の前に広がる世界の様に
真っ白になりました



深山幽谷
大堰川からまっすぐに切り立った山々を見るとき
いつも私が思い浮かべる言葉です

嵯峨野に庵を結んだ西行の目には
どの様に映ったのでしょうか

彼の世界から九百年の年月や
文明の堆積は
覆いつくす雪により
姿を消してしまったようです

風の音だけが聞こえていました





 


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