駄文14 Zero-CON


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 Zero-CON に行った。

 新横浜から JR で桜木町まで行き、そこから徒歩でパシフィコ横浜に向う。所用時間は十分程。道中はほとんど建物の中ばかりを通った。動く歩道もあった。

 パシフィコ横浜についた途端、はたと困ってしまった。建物がいくつもあり、どれが会場なのかわからないのだ。しかたなく、しばらく人の動きを観察し、不審人物の出入りが多い建物を探す。そこに入ると果たせるかな我孫子さん、牧野さん、啓文さんが佇んでいた。

 聞くと、駅から会場まで、この3人はタクシーを使って来たらしい。我孫子さんはともかくあとの二人がそのような散財をするのは奇妙なことである。おそらく何か金のなる木を掴んだに違いない。隙を見て聞き出そうと決心する。

 この後、宮部みゆきさんのトークライブを聞きに行くが、最後列であるため内容は全くわからない。トークライブの後、宮部さんに挨拶に行くと、「初めまして」と挨拶された。実はほんの2、3か月前にお会いしていたのだが、印象が薄かったらしい。

 宮部さんを囲んで、お茶をしている間にさいとうよしこさんや水玉蛍之丞さんやS社のC塚さんや南智子さんも合流。南智子さんには「初めまして」と挨拶された。実はほんの2、3か月前にお会いしていたのだが、印象が薄かったらしい。因みに、C塚さんと南さんの名札には名前ではなく、「同伴者」と書かれている。C塚さんは我孫子さんの、南さんは牧野さんの同伴者らしい。僕の知らないところで、何かの陰謀が進行しているのは確かなようだ。

 それから、食事に行ったのだが、いつの間にか牧野さんと南さんの姿が見えなくなっていることに気付く。「ははあ。どうやら二人でどこかにしけこんでいるようですな」というと、我孫子さんが「今、同時にそのフレーズを思いついたのに、先に言えばよかった」と悔しそうだった。

 あちこちの企画を覗いたり、ディーラーズルームを覗いたり、馬鹿話をしてゲラゲラ笑ったりしているうちに田中哲弥さんも合流。

 Zero-CON オフィシャルブックで僕の名前の読みが「たいぞう」になっているという話になった。我孫子さんが「普通、『やすみ』と入力しても『泰三』と変換されへんからでしょう。僕なんかはちゃんと『やすみ』で『泰三』と出るように登録してあるんですよ」と言うと、田中啓文さんが「僕はいつも『たいぞう』で入力してます」と言う。「なんで登録せえへんのや?」「小林さんの名前どころか、自分の名前もまず『拝啓』と書いて、『拝』だけ消して、その後に『文』て書いてるぐらいですから」「そやからなんで登録せんの、あんた?」「登録するのが邪魔臭いんですわ」「登録せん方がよっぽど邪魔臭い。『水霊』を書いてる時、『水霊』はどうやって変換してたんや?」「まず、『水』と書いて、その次ぎに『霊魂』と書いて、『魂』だけ消してました」

 田中哲弥さんと「ハード SF のネタ教えます Part IV」を覗きに行くと、堀晃さんに呼ばれ、飛び入りで企画に参加することになる。毎度のことだが、今回も理屈の上では合っているようでありながら、胡散臭い理論が続出で SF のネタ的には大変おいしい。今回の話題は、高次元宇宙、超光速航法、タイムパトックス、質量制御など。

 ひかわ玲子さんの「ファンタジー私説」を途中から聞く。ひかわ玲子さん、五代ゆうさん、妹尾ゆふ子さん、倉阪鬼一郎さんのディスカッション形式だったようだが、あまりに濃い話しで途中からでは全くついて行けなかった。唯一、時折挟まる牧野さんの軽いトークが救いだった。

 一日目の企画が終わった後は総勢20名程でイタリアレストランに行く。ここでは隣にC塚さんが座られていたため、緊張してあまり馬鹿な話はできなかった。

 食事の後、我孫子さん、啓文さん、哲弥さん、牧野さんと共に新横浜のホテルに向う。ここの1階のコンビニで酒とつまみを買い、啓文さんの部屋で朝まで宴会。ここで、我孫子さんの口から「俺は正しい。間違ったことなど言ったことがない」という名言が出る。その他、啓文さんの特殊能力が発見されたことが特筆に値する。昔のアニメの主題歌を殆ど諳んずることができるのだ。「『原始少年リュウ』の終わりの歌」とか、「『U バード』の間に挟まっていたなんとかいうアニメの主題歌」とか言えば、即座に歌い始める。

 明朝、タクシーで会場に。「ジャンル対抗『最強』決定戦: SF・ホラー・ミステリ・ファンタジー史上最大の決戦」を観る。参加者それぞれが各ジャンルから最強の「わるもの」を選び、そいつがいかに凶悪かを説明し、最強を決定するという趣向。トーナメント方式で、勝ち負けは会場の多数決もしくは仙台エリさんの判断で決まるという建前だったが、客席から観ている分には司会の大森望さんに全ての決定権があるようだった。結果は山田正紀さんが凄まじい大技を使い、「『エイリアン』のリプリー」で優勝。しかも、檀上でこけるというパフォーマンスまで見せていただける。所謂「狼は兎を捕らえるにも全力を尽くす」ということだろう。個人的には、惜しくも1回戦で敗退したものの、キャラクターとジャンルへの愛を熱く語る倉阪鬼一郎さんの誰も知らない吸血鬼「ロマー・マウル」がよかった。作者のジョン・クーパー・ポウイスは20世紀英国の四大幻想文学作家の一人だそうだが、残りの3人の中で、僕が知っていたのはマーヴィン・ピークだけだった。因みに今年度の星雲賞短編部門を「太陽の簒奪者」で受賞された野尻抱介さんSF の代表として「『カムナビ』のアラハバキ神」を選んでいた。なんでも訴訟覚悟とのことらしい。

 昼飯は野尻さん、浅暮三文さん、福井健太さんらと外の屋台のフランクフルトと焼き蕎麦とビールの買い食いで済ます。ハード SF 、ファンタジーそれぞれのジャンル論が聞けて面白かった。

「LIVE 版 日本人補完計画」では、啓文さんと哲弥さんの掛け合いが抱腹絶倒だった。なにしろ一日以上アホなことを言い放しだったので、もうネタがあまりなく、お題である落語のことにもほとんど触れず、断片的にぽつぽつと発せられるぼけが枯れた味わいを出していた。牧野さんのボンデージの解説はすばらしかった。なるほど。ボンデージされる人はパートナーとの関係を求めているのではなく、自己の内部で完結していたのか。牧野さんはボンデージ用品の手入れの仕方などをとても綿密に臨場感たっぷりに説明した後、自分自身はしないけど友達から聞いただけだと言い放っていた。

 全企画終了後、我孫子さんの指揮の元、中華料理屋に繰り出す。僕は30分程で退散し、玩具 ML のオフ会へと向った。


Copyright KOBAYASI Yasumi 2000


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