駄文23 田中さん


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(注: この文章は e-novels の田中哲弥特集に寄稿したものの採録です)

 田中哲弥さんは文字通り多才な人である。ユーモア小説から、ホラー、SF、時代物と様々なジャンルにおいて、傑作を生み出しているだけでなく、エッセイ、翻訳の分野でも評価を得ていることは、今更わたしが言うまでもないことであろう。

 ところで、彼のこの並外れた創作力の源泉は何であろうか? 生来の才能? 類稀な努力? もちろん、それらは重要な要素であろうが、わたしは敢えてここで、奥様の内助の功を強調したい。

 田中哲弥さんと奥様の馴れ初めは田中哲弥さん自身がホームページの日記 ('99年2月18,19日とか、'99年3月6日とか) で書かれているので詳しくは述べないが、奥様は元々田中さんのファンだったらしい。おそらく今でも熱心な読者だと思われる。田中さんの創作意欲は奥様に喜んでもらおうという一心から出ているのに違いない。恋女房のためにせっせと執筆する姿は、想像するだけで、微笑ましい。

 わたし自身奥様には何度かお目にかかったことがあるが、実に楚々として慎ましやかで、現在には珍しいタイプの女性だ。いつかなどは、作家同士の飲み会にせっかくついてこれられたのに、遠慮されたのか、店の中に入らず、雨の中ずっと外で待っておられた。傘も持たずに俯いたまま長い髪の毛をぐっしょりと雨に濡らされている姿を見て、さすがは文士の妻と膝を打ったものだ。そう言えば、他の作家に「田中さんの奥様はたいしたものですな。雨の中、外で待っておられますよ」と言ったら、突然顔色を変えて、「馬鹿なことを言うものじゃないよ」ときつい口調で言われたが、あんな嫉妬はみっともない。

 奥様には社交的な一面もあって、田中さんの家に来客があると、そのまま客について出られることがよくあるようだ。きっと、明石市や大久保町の案内をされているのだろう。この間も、田中さんのお宅を訪問された後の編集者と打ち合わせをしたが、奥様はついて来られていた。馴染みの飲み屋に三人で入ったのだが、店の人が三人分のお茶とお絞りを出したことをいつまでも不思議がっていた編集者がおかしかった。きっと、体の具合でも悪かったのだろう。そういえば、悪寒がするとか言っていた。

 奥様はうちにもよく来られる。執筆中に行き詰まった時など、横に座っておられることに気付くことがよくある。実は今さっきも、窓ガラスをこつこつと叩く音がしたので、カーテンを開けてみると、奥様がおられた。さっそく部屋に入ってもらい、田中さんのことなどを話していると、家内がドアをノックした。

「あなた、いったい誰と話してるの?」

「田中哲弥さんの奥様だよ。窓から入ってこられたんだよ」

「何を言っているの? ドアを開けてちょうだい。もう1週間も閉じ篭りっぱなしじゃないの」

 はて、家内は妙なことを言う。1週間などとおおげさなことを言うとはどういう了見だろう? ははあ、さては綺麗な奥さんと話しているのに嫉妬しているのだろう。

「おいおい。まさか、僕が田中さんの奥さんとどうこうなるわけがないじゃないか。嘘だと思うのなら、入っておいで」

 家内は部屋に入るなり、うっと唸って鼻と口を押さえた。そして、僕を睨んだ。「あなたっかりして。うちは4階なのよ。窓から入ってくるものがいたとしたら、それは……」

「何を言っているんだ。現に奥さんが……」「奥さんって何よ!」「田中さんの奥さんじゃないか。%&$%#$'('((何を言ってるの? %&&"'%$&''"((")&#人間ではないわ。どうして、天井に張りつくものが人間であっ'&'('((&"%&%#()")#)それに、顔が&''(ろどろ%'&%&&じゃないの#!$$%!!=((&#'()何を言う奥さんに謝れ謝れ%$%$%'&'('だって、あれは#$!$%$%%&''()ああ。助け$%$%%&!"'()="))(('&(')())(&'%!&$q%%$%'!"&'&$('($('&$#&%"&%#'&"()')("'"&#'(&"(#)"#()"'&#'("()"&#'("''(#"'(##&'"&()"$''$'"&$()"'$("$'')"&$'"&$("'()'&$'%q&(#'('#&"'&'"&$'&"'&'"&'("&'&#"'(&#'(&"'#&'("'(#")("'$)"'&!"'(!&&$!(=#!$#)$(=~!(!"#'%"#&(!#()'#!$)(#=)!)#=!#"((&"'!&'()!$#('#))!#(=!()'#!(')&#)!#$'!(#)!")(!&")&$!')($=!)~~!==~='('!('(!#(#!'&'&!=%&%&'&(=)~&%#!#"$%')&('&&%#$"'%(%)('&)(()&&(%&%#$"&$$'%&%'(&('(&'(%'$&$#'&%')(&('=)=((''%%$$#!'(!'&#!(&#()!'#)!(#=!))'#'!!&#''!(#'()!#=!#()"'&#'("()"&#'("''(#"'(##&'"&()"$''$'"&$()"'$("$'')"&$'"&$("'()'&$'%q&(#'('#&"'&'"&$'&"'&'"&'("&'&#"'(&#'(&"'#&'("'(#")("'$)"'&!"'(!&&$!(=#!$#)$(=~!(!"#'%"#&(!#()'#!$)(#=)!)#=!#"((&"'!&'()!$#('#))!#(=!()'#!(')&#)!#$'!(#)!")(!&")&$!')($=!)~~!==~='('!('(!#(#!'&'&!=%&%&'&(=)~&%#!#"$%')&('&&%#$"'%(%)('&)(()&&(%&%#$"&$$'%&%'(&('(&'(%'$&$#'&%')(&('=)=((''%%$$#!'(!'&#!(&#()!'#)!(#=!))'#'!!&)!)#!)'#(!)&'!)&#)!'!'#'(!'#)($'!$('#!)!$#(#$()#)#!')#!()(#(#)!#(#)!#()#)#()(#$=)!#)(!)#!)#!((&!'()#!'!#'()!'!#('!=!$&$%&!()!!&#&#$=&")&$!')($=!)~~!==~='('!('(!#(#!'&'&!=%&%&'&(=)~&%#!#"$%')&('&&%#$"'%(%)('&)(()&&(%&%#$"&$$'%&%'(&('(&'(%'$&$#'&%')(&('=)=((''%%$$#!'(!'&#!(&#()!'#)!(#=!))'#'!!&#''!(#'()!#=!#()"'&#'("()"&#'("''(#"'(##&'"&()"$''$'"&$()"'$("$'')"&$'"&$("'()'&$'%q&(#'('#&"'&'"&$'&"'&'"&'("&'&#"'(&#'(&"'#&'("'(#")("'$)"'&!"'(!&&$!(=#!$#)$(=~!(!"#'%"#&(!#()'#!$)(#=)!)#=!#"((&"'!&'()!$#('#))!#(=!()'#!(')&#)!#$'!(#)!")(!&")&$!')($=!)~~!==~='('!('(!#(#!'&'&!=%&%&'&(=)~&%#!#"$%')&('&&%#$"'%(%)('&)(()&&(%&%#$"&!(#)!")(!&")&$!')($=!)~~!==~='('!('(!#(#!'&'&!=%&%&'&(=)~&%#!#"$%')&('&&%#$"'%(%)('&)(()&&(%&%#$"&$$'%&%'(&('(&'(%'$&$#'&%')(&('=)=((''%%$$#!'(!'&#!(&#()!'#)!(#=!))'#'!!&#''!(#'()!#=!#()"'&#'("()"&#'("''(#"'(##&'"&()"$''$'"&$()"'$("$'')"&$'"&$("'()'&$'%q&(#'('#&"'&'"&$'&"'&'"&'("&'&#"'(&#'(&"'#&'("'(#")("'$)"'&!"'(!&&$!(=#!$#)$(=~!(!"#'%"#&(!#()'#!$)(#=)!)#=!#"((&"'!&'()!$#('#))!#(=!()'#!(')&#)!#$'!(#)!")(!&")&$!')($=!)~~!==~='('!('(!#(#!'&'&!=%&%&'&(=)~&%#!#"$%')&('&&%#$"'%(%)('&)(()&&(%&%#$"&$$'%&%'(&('(&'(%'$&$#'&%')(&('=)=((''%%$$#!'(!'&#!(&#()!'#)!(#=!))'#'!!&)!)#!)'#(!)&'!)&#)!'!'#'(!'#)($'!$('#!)!$#(#$()#)#!')#!()(#(#)!#(#)!#()#)#()(#$=)!#)(!)#!)#!((&!'()#!'!#'()!'!#('!=!$&$%&!()!!&#&#$=&")&$!')($=!)~~!==~='('!('(!#(#!'&'&!=%&%&'&(=)~&%#!#"$%')&('&&%#$"'%(%)('&)(()&&(%&%#$"&$$'%&%'(&('(&'(%'$&$#'&%')(&('=)=((''%%$$#ふたぐんらら


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