駄文29 京フェス


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 京フェスに行った。

 今年は本会企画はパスで、合宿からの参加となった。

 丸太町の駅についた時には、すでに午後6時20分を回っていた。本会企画から参加している人たちはみんな連れもって食事にいっているはずである。おそらく今日は参加しているであろうと推測され、かつ携帯のメールアドレスを知っている喜多哲士さんと冬樹蛉さんに、「丸太町に到着しました。皆さんどこにおられますか?」とメールを送る。果たして、数分後、喜多さんから、「さわやの近くにある『十両』という寿司屋にいます」というメールが戻ってきた。という訳で、十両に向かう。

 午後6時40分頃、到着すると、大半の方々は当然ながら、すでに食べ終わっている。企画開始は午後7時。あと20分しかない。とにかく早くできるものということで、かんぱち定食を注文する。急いでいるのでとりあえず生ビールも注文して、慌てて飲み食いする。

 と、今度は冬樹さんからのメールが届く。「いま、みんなで食事をすませてさわやに戻ってきました」なるほど2班に分かれていたらしい。

 なんとか、食い終わり、アルコールも摂取できたので、落ち着いて会場へと向かう。オープニングでの作家、評論家、翻訳家、編集者、大物 SF 者等々の紹介は例年通りだったが、今年はクイズ大会がなくなっていた。クイズ大会は趣向的には面白いのだが、あまりに会場が混雑していて、殆ど内容の把握が困難だったので、なしにするというのも、1つの方法かもしれないと思った。

 最初に参加した企画は「ジェンダー SF 研の部屋」である。「喜多哲士の名盤アワー」とどっちに出ようか、結構悩んだのだが、拙作『ΑΩ』がジェンダーSF研主催のセンス・オブ・ジェンダー賞にノミネートされたこともあり、興味があったので、「ジェンダーSF研の部屋」にしたのだ。野尻抱介さんも会場の入り口までは来たのだが、やっぱり怖いからと入り口辺りで躊躇した後、帰ってしまったようだ。ジェンダーとは怖いものなのだろうか?

 それでジェンダーの内容だが、メインの議題は「やおいについて」それから「アダルトビデオの嗜好について」とか。いつの間にか、僕もかなり発言してしまっていた。特に、「やおい」については、多くの知見を得ることができた。なるほどそういう分野だったのか。男性がレズ物を見るのとは、根本的に理由が違うようですね、と男性側が自らの体験を語り出すと、次々と異論が出る。同じ男性でも一人一人別々の思い入れがあることがわかり、こちらも興味深かった。

 その後は、いったんメイン会場に戻り、喜多さんや冬樹さんや倉阪鬼一郎さんや浅暮三文さんたちと語り合う。

 午後10時50分からは、僕が主催の企画「もう1つの『玩具修理者』〜アジマリカム公演ビデオ」&「『奇跡の詩人』論評」である。

 今年の1月には拙作「玩具修理者」の映画が公開されたが、11月には新進の若手劇団「アジマリカム」による舞台化もされている。2日間の公演であったが、映画とは違った原作の独特な解釈が素晴らしかった。と、言葉で語ってもうまく伝わらないので、今回は舞台を撮影したビデオを流すことにしたのだ。映画がハード SF よりの解釈だったのに対し、舞台はサイコホラーよりの解釈になっている。

 最後の俳優さんの挨拶の時に、ほぼ二人で演じていたことがわかって会場から感嘆の声が流れた。1度だけの公演では本当に勿体無いので、是非再演していただきたい作品である。

「奇跡の詩人」について詳しくは、ここを参照していただきたいが、これはある意味、今年1番の SF 的事件だったと言えよう。どれだけ凄かったかと言うと、NHK の専務理事が衆議院に呼び出しをくらったぐらい凄いのである。できれば、この衝撃を多くの SF 者に伝えたいと思ったのだが、この番組の凄さもまた言葉では到底説明できない (と言うか、実際に見るまで誰も信用しない) ので、番組の映像を引用しながら、論評することにしたのだ。冒頭、母親の FC が始まると同時に満員状態の会場が大きくざわついた。かなり衝撃的だったようだ。

 参加者の意見を詳しく聞く時間はなかったのだが、主な意見は以下のようなものだった。

(1) 話題になっているのは知っていたが、今まで視聴する機会がなかったので、楽しみに見にきた

(2) もっとグレーゾーンな内容だと思っていたので、あまりの杜撰な番組内容に衝撃を受けてしまった。

(3) このような酷い番組が放映されてしまったことに驚きを感じる。呆れて物が言えない。

(4) この番組で取り上げられている FC は明らかに虐待である。

(5) 流奈君の集会参加者の多幸症的表情が怖い。

(6) FC の速度があまりに速い。視聴者を馬鹿にするにも程がある。

(7) 牧野修さんの小説がただの絵空事ではなく、現実に起こりうる事だということがわかった。

 驚いたのは、殆どの参加者が放送で「奇跡の詩人」を見ていなかったことである。そう言えば、今まで会った人でこの番組を見ていた人は殆どいなかった。NHK スペシャルって、誰も見てないのか?

 次の企画は野尻さんと行った「ファースト・コンタクト・シミュレーション」である。この企画の趣旨と一昨年のレポートについては、ここを参照のこと。

 今回のコバヤシ星人は平和的で思いやりのある種族だった。途中、全面戦争の危機もあったが、最終的に実りある平和が訪れたのは、コバヤシ星人のこの特質に因るものが大きい。でも、本当の危機はこれからなのだけど。

 なお、今回のシミュレーションの内容は小説化する可能性があるので、今は詳しくは述べない。(100枚ぐらいじゃ収まらない気が……)

 終わると、すでに朝である。重労働であるにも関わらず、文句一つ言わず、何時間も頑張っていただいたスタッフの皆様に大変感謝いたします。

 メイン会場に戻ると、北野勇作さんが来ておられた。「奇跡の詩人」を見逃したとのことだったので、録画ビデオを手渡す。

 この後、だらだらと朝まで話し、エンディングを迎え、その足でぞろぞろと喫茶店に入り、また何時間もだらだらと話したのは、例年通り。


Copyright © KOBAYASI Yasumi 2002


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