駄文31 T-con 2003


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 T-con 2003 に行った。

 京都から新幹線で東京に行き、東京からさらに新幹線で1時間以上掛けて那須塩原駅に到着。

 駅から出ると、T-con 2003 の幟を持った案内係の方がホテルのシャトルバスに案内してくれた。

 さらにバスに揺られること1時間弱。ようやく会場のホテルニュー塩原に到着する。

 部屋に荷物を置いた後、しばらくロビーでぼんやりしていると、北野勇作さんや喜多哲士さんや林譲治さんや武田康廣さんや菅浩江さんなど、知り合いに出会う。

 今回の開会式では、めずらしくオープニングアニメが上映された。 ちゃんとしたオープニングアニメを見たのは、初めてのような気がする。(ただし、ゆ〜こんでも、10秒ぐらいのものは上映された。また、CAPRICON 1 ではアニメではないが、オープニングビデオは流れた)

 その後は、立食パーティー。これも珍しい。

 食事の後、しばらくぶらぶらし、「ハヤカワ J コレクション企画 第1部 J コレの誕生」にパネリストとして参加する。他の参加者は、北野さん、林さん、野尻抱介さん。司会は <S-F マガジン> 編集長・塩澤快浩さんである。

 各人の作風は相補的なのだが、それが半ば意識的に棲み分けができていることがわかった。よく考えると、それでいいのか、という気もするが。

 その後は「朗読の部屋 北野勇作」を覗きに行く。題材は「シズカの海」。朗読というよりは、一人芝居に近い形態だった。突然、鉢巻型の懐中電灯を頭に巻きつけると、北野さんは部屋の電気を消せと指示した。さらに、空調も切れと言ったので、暑いので嫌だ、反対すると、すぐに諦めてくれた。言ってよかったと思う。内容は、素晴らしいものだった。さすがは俳優である。

 その後、北野さんとラーメンを食べた後、宴会部屋に行き、N田嬢のかわいらしいパジャマ姿を発見する。なんとお猿さんである。尻尾までついている。さすがはコスプレイヤーである。

 そのまま、朝方までだらだらと話をした後、部屋に戻り気を失うように眠る。

 目が覚めた時には、朝食の時間は終わっていた。

 同室にはゲストが数名泊まっていたのだが、そのうちの一人の野阿梓さんと初めて顔を合わす。なんと今回が初対面なのである。

 温泉に浸かって目を覚まし、「ジェンダー SF 研究会」の会場に向かう。出演者は巽孝之さん、小谷真理さん、尾山ノルマさん、瀧川仁子さん。ジェンダー SF というよりは、コスプレ談義だったような気がするが、前半を聞き逃したので、両者の関係については、曖昧なままである。

 続いて、「第2回 Sense of Gender 賞選考発表会の部屋」に参加。出演者は小谷真理さん、工藤央奈さん、風野春樹さん。今回も拙作 (『海を見る人』) がノミネートされていたが、やはり落選。受賞作は、小林めぐみさんの『宇宙生命図鑑』。ただし、今回はノミネート全作で大接戦で、どれが受賞してもおかしくない状態だったと聞き、拙作も健闘したのだなと、嬉しく思う。でも、やっぱりジェンダーのなんたるかはわからずじまい。

 昼食は北野さんと共に昨日パーティーが行われたオーロラの間で弁当を買ってすます。

 北野さんは、その日に帰られるとのことで、バスの時間までロビーでだらだらと話をする。

 「野田篤司の最新宇宙講座」の会場に向かう。野田さんは今回ついに NASDA からの正式参加である。間もなく、NASDA は宇宙科学研究所と統合され、JAXA に生まれ変わるため、NASDA からの正式参加は今回が最初で最後となる。しかし、会場の大きさの割りにあまりに参加者が多すぎる。来年からの野田さんの企画はもっと大きな会場を確保して欲しい。そうしないと、本当に熱射病で倒れる人が出てきそうである。

 その後、「SF センター試験」という企画が行われる。SF についての知識を競う試験である。当然、自信がないので参加せず。

「星雲賞受賞式&ファンジン大賞受賞パーティー」は昨日と同じく立食形式。仮装パーティーでもあるため、エージェント・スミスやら、ヒカルの碁の佐為やらが歩き回っていた。

 続いて、「星雲賞受賞者パネル」。野尻さんは昨年に続いて、連続受賞。通算3回目である。今回の受賞者は概ね宇宙系とロボット系に分かれるとの発言があったが、やはりこの2つは SF の2大テーマなのだろうか?

「すごい科学で守ります!」には、初めて参加したが、こういうのは大好きである。ただ、自分には仮面ライダー系の知識に対して、戦隊系の知識が圧倒的に不足していることを実感してしまった。今後は精進せねば。

 そして、僕の自主企画「奇跡の詩人論評」である。「奇跡の詩人」に関する詳細はここを参照のこと。また、saihikarunogo さんのページはリンク集として、大変充実している。この問題に関する書籍としては、「異議あり! 『奇跡の詩人』」 (amazonbk1) が出版されているので、興味のある方は一読されるのがいいだろう。

 昨年の京都 SF フェスティバルでは、本編の一部の上映だったが、今回は本編の他、土曜スタジオパークでの釈明放送、国会で取り上げられた時の様子も上映した。

 殆どの方は初めて見られたとのこと。想像を絶するお粗末な映像だったので、空いた口が塞がらない状態の方が多数見うけられた。

 映像を見た後、参加者の間で質疑と意見交換が行われた。主な論点を以下に示す。

 

(1) 再放送はされたのか?

 通常、NHK スペシャルは数日後に再放送が行われるが、この番組については、再放送されることはなかった。また、NHK スペシャルは通常、北米でも放映されるが、この番組については、放映は行われなかった。

 

(2) アンサー番組が放映されたと聞いたのだが、その番組で少年のその後に触れたのか?

 アンサー番組というのは、今年の5月に放送された ETV スペシャル「あなたと話したい」のことだと思われる。この番組の冒頭で「『奇跡の詩人』について視聴者からさまざまな批判があった」という事実についてコメントはあったが、その後「奇跡の詩人」に関する言葉はなかった。

 

(3) カルト団体との関連はあるのか?

「カルト」をどう定義するかによる。講演会にある程度の人数が集まることからなんらかの支援団体が存在することは推測される。

 

(4) ドーマン法とはそもそもどのような療法か?

 数人の大人が障害児の手足首を毎日何時間も強制的に動かして、体の動きを脳に学習させる「パターニング」や、10分毎にビニールのマスクで鼻と口を覆い、自分の呼気を繰り返し呼吸させることにより低酸素状態にして、肺機能を活性化させる「マスキング」などの、様々な方法による民間療法である。科学的な有効性は認められていない。

 

(5) あのマスクは酸素マスクではないのか?

 酸素マスクではなく、自分の呼気を繰り返し吸引させるためのビニール製のマスクである。

 

(6) 眠りながら執筆しているように見えるシーンだが、あれは眠っているのではなく、「マスキング」により、窒息して失神したのではないか?

 画像からはどちらとも判断できないが、窒息だとすると脳へのダメージが心配される。

 

(7) ドーマン法はオカルトではないのか?

 過去にドーマン法を実践していた方からは、ドーマンのスタッフはテレパシーの存在を認めていたとの報告がある。オカルトとの親和性は高いと思われる。

 

(8) ドーマン博士は何の博士号を持っているのか?

 この点に関しては不明である。

 

(9) 少年名義の執筆・講演活動は今も続けられているのか?

 番組中で紹介された本を出版してからは、行われていないようである。

 

(10) 週刊現代の反論記事はどのようなものだったのか?

 母親からの反論という形になっていた。番組批判に対するものではない。

 

(11) 山元修治氏は現在でもプロデューサを続けているのか?

 続けている。

 

 今回は研究用に番組映像を納めた CD-R や、Skeptical Inquirer誌の 2003年5、6月号に掲載された関西学院大学の中島定彦さんの論文 "The 'Miracle Poet' Case - Japanese Media Fooled by the Doman Method and Facilitated Communication" のコピーの配布、『異議あり! 「奇跡の詩人」』の委託販売なども行い、非常に有意義なものになった。

 ご協力いただいた関係各位への感謝の念に絶えない。

 企画に参加した何人かの方々と場所を移して、さらに議論を続けていると、白々と夜が明けてきた。

 少しだけでも仮眠をとっておこうと、部屋に向かうと、エレベータの前に、秋山さん、大森さん、小浜さん、塩澤さん、三村さん、森岡さんたちが集まっていた。こちらも徹夜だった模様である。三村さんなどはこのまま朝食まで起き続けるとのこと、体力あるなぁ。

 翌日は閉会式になんとか間に合うように起床。

 閉会式の後は、これから筑波の核融合実験施設 JT60 の見学に向かわれるという都築さんの車に便乗させていただき、那須塩原駅で、一緒にラーメンを食べる。

 かくして、家路についた。


Copyright © KOBAYASI Yasumi 2003


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