駄文38 リンクする
World Wide Web の本来の主旨から言うと、ある人物に言及する時は、その人物の関連サイトにリンクするのが親切というものだろう。そうすれば、その人物に対する知識を持たない人にも、おおよそのアウトラインを与えることができる。(ただし、僕自身はものぐさなので、滅多にリンクすることはないのだが)
さて、ここで問題になるのは、そのような特定の人物に関する入門的・網羅的な情報源として、いったいどこにリンクすべきかということだろう。もちろん本人が主催しているページがあるなら、そこにリンクするに越したことはないが、世の中の人が全員個人サイトを持っているわけではない。
ここで、人物紹介のためにリンクするサイトの条件を考えてみよう。
(i) 本人が情報発信しているサイト
一般的に本人の情報は本人が一番多く持っているし、最も正確だと考えられる。もし正確でなくったって、本人が言っているのなら、問題はないだろう。
(ii) 客観的な情報を載せようとしているサイト
その人を初めて知る人に読んでもらうには、できるだけ先入観のない客観的な情報が望ましい。もちろん、完全に客観的な記述は不可能だが、そうであろうと努力しているなら、構わないと思う。
以下、上記条件 (i) もしくは (ii) に合致するページについて検討する。
1. 本人が主催しているサイト
例: 小林泰三の不確定領域
これは当たり前である。現役作家などはこのパターンが多い。
2. 本人が所属している組織・団体が主催するサイトの本人を紹介するページ
例: 小林泰三 (コバヤシヤスミ) - 日本 SF 作家クラブの紹介ページ
小林泰三 (こばやしやすみ) - 日本推理作家協会の紹介ページ
芸能人などは、このパターンが多い。歌手などは、所属事務所とレコード会社と両方に紹介ページがある人も珍しくない。
3. 百科事典や人名辞典などの該当箇所
例: 小林泰三 - ウィキペディア
小林泰三 (こばやしやすみ) - 現代作家ガイド
1、2 のパターンが存在しない場合、苦し紛れだが、紹介はこのパターンにならざるを得ない。本人発信ではないので、情報が不正確な場合もあろうが、そこまで気にしていてはそもそもインターネットの有効活用はできない。万が一間違いがあったなら、訂正してより正確な情報にしていくことがインターネット的には正しいように思う。
4. 検索サイトの検索結果
例: 小林泰三 - Google の検索結果
小林泰三 - Yahoo! の検索結果
これはさらに苦し紛れだが、3のパターンも存在しない場合、考えられる手段である。投げ出しているようにも思えるが、新しいページなどは自動的に更新・表示されるので、むしろ便利なこともあろう。もちろん、検索など簡単にできるのでいらぬお世話と言われれば、そうなのだが。
あと、考えられるのが、ファンサイトやインタビュー記事であるが、これは結構難しい。なにしろファンなのだから、思い入れがあるのが前提である。情報は自然と主観的なものになるだろうし、そうなってなかったらファンサイトの意味がない。また、インタビュー記事はある特定の時期に特定の話題について行われたものであるから、人物の紹介としてはやはり偏ったものになる。したがって、両者ともある人物の入門的・網羅的な情報源としては、相応しくないように思える。むしろ、これらのページ・サイトはその人物をより深く知ろうとするときに参照すべき情報源のように思われる。
もちろん、そのような主観的もしくは断片的な情報でも、多くを集めればその人物の全体像を掴むことはできるだろう。そういう意味では、4の検索サイトの検索結果にリンクすれば、そのようなサイトを多く紹介することになるので、インターネット的には有効だと考えることもできるだろう。
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