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駄文45 島々の風景

1. 淀川流域の島々

(1) 宇治川流域の島々

5) 中島と相島

 中島と相島は共に久御山町の水田にある微高地である。

 宇治川氾濫原の自然堤防のようにも見えるが、やや不自然な点もある。通常、自然堤防は河川の流れに対し、平行に延長するのだが、中島や相島は宇治川の久御山排水機場から放射状に延びているように見える。

 そこで、注目されるのは木津川である。と言っても、現在の木津川ではない。明治時代に現在の場所に付け替えられる前の木津川の旧河道に注目すると、中島と相島は川の流れに平行となる。しかし、この説にも難点がある。旧河道のすぐ近くにある藤和田の島畑を含めると、3重に自然堤防が形成されていることになるのである。自然堤防は氾濫の繰り返しより、堆積した土砂により形成されるものであるから、二重・三重になることは考えにくい。

 そこで、実際に現地にいって、周囲の環境を確認してみた。

 

中島(夏期)

 

中島(冬期)

 

相島(その1)(夏期)

 

相島(その1)(冬期)

 

相島(その2)(夏期)

 

相島(その2)(冬期)

 

 中島や相島を取り囲む水田は冬期でも水を湛えた湿田であることがわかった。この付近は巨椋池があった頃は湖畔であった。巨椋池自体平均1m程度の浅い湖沼であったことから、巨椋池と周辺の水田の境界は極めて曖昧であったと考えられる。むしろ、巨椋池の浅瀬に稲を植えたところを水田と呼んだのではないだろうか。

 だとすると、この付近の水田は実質巨椋池の一部であり、中島や相島は自然堤防ではなく、宇治川が巨椋池に造った逆三角州ということになる。それならば、巨椋池から宇治川への流出口から放射状に延びていることも納得できるのである。


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