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圧縮・解凍ソフト LHA ユーティリティ32

 最近、パソコンを始めた方々にはぴんと来ないかも知れないが、昭和時代末期ぐらいまで、個人で使うデータ量は実にこじんまりとしていたものだった。

 なにしろ、あの頃はハードディスクすら、標準で付いていなかったのだ。じゃあ、データの保存はどうやってたのかと言うと、フロッピーディスクを使っていた。それも現在出回っている三・五インチのものではなく、五インチのフロッピーだ。外側はプラスティックでなく、紙で出来ていて、乱暴に扱うとすぐ駄目になった。フロッピー用のドライブは二つあって、一つはAドライブ、もう一つはBドライブ、ハードディスクを増設した場合はCドライブになった。フロッピードライブが一つになった今でも、ハードディスクがデフォルトでCドライブなのはこの頃からの伝統である。

 アプリケーションソフトを使う時はそれ専用のフロッピーを入れる。例えばワープロソフトの場合はAドライブにソフト本体を、Bドライブに辞書を入れて使った。変換の度にフロッピーを読むので、しょっちゅうかちかちという音がしていた。(と、こんなことを書くと、「自分はデータの保存にカセットテープを使っていた」「いや、パンチカードだ」「紙テープだ」と自慢し出す人がよくいるが、今回の本題ではないので、また別の機会に) で、何が言いたいかと言うと、その頃パソコン単体で扱っていたデータ量はフロッピー一枚程度で収まる量――一メガバイト程度――だったということだ。今の最新式のパソコンなら、装備しているハードディスクの容量は十ギガバイトを軽く越えるだろうから、十年間でおよそ一万倍ということになる。これからもこの調子でいくと、十年後には百テラバイトぐらいにはなるんだろうか?

 ところで、記録装置が発達したとは言っても、データ量のでかいファイルが扱い辛いという局面は現在でも多々ある。例えば、家庭のパソコンでデータ通信をする場合、通信速度はモデムで最高毎秒五十六キロビット、ISDN で毎秒六十四キロビットである。単純計算で一メガバイトの情報を送るのに、ISDN でも二分以上かかってしまう計算になる。また、データをフロッピーに保存する場合も、ファイルの大きさが一・四四メガバイトを超えると、一つのファイルを二枚に分割して保存しなければならなくなるので、かなり手間がかかる。

 こういう時に使われるテクニックが「ファイルの圧縮」である。例えば、「すもももももももものうち」という文章は「も」という字が八個も出てくるが、これを「す8ものうち」と書くことにすれば、半分の長さですむ。実際には同じ文字が連続する文章はそれほど多くないが、同じことをビット単位で行えば、多くのファイルはかなりデータ量を減らせられる。この作業を圧縮というのである。圧縮率はファイルの内容に依存するため、一概には言えないが、普通のテキストファイルなら半分程度、Windows で標準的に使われる画像ファイルであるビットマップファイルなら、十分の一以下に圧縮されることも珍しくない。

 もちろん、圧縮したファイルを使う場合には元のデータ量に戻さなければならない。この復元作業は俗に解凍などと呼ばれることが多い。おそらく冷凍食品からの連想だろう。

 このような圧縮・解凍行うソフトには様々なものがあるが、今回その中から「LHA ユーティリティ32」(著作権者名: 大竹和則氏) というソフトを紹介する。圧縮方式は日本国内でよく使われる LHA の他に、海外で使われることが多い ZIP などメジャーなものでも何種類かあるが、このソフトではそのうち四種類に対応している。また、圧縮する時に自己解凍形式を選択しておけば、万一データを渡す相手が解凍ソフトを持っていなくても、自動的に解凍を行ってくれる。圧縮解凍ともにウイザードが立ちあがってくれるのも、初心者に優しく嬉しい。

 また、大竹氏のサイトには圧縮についての簡単な解説もある。右に書いた「す8ものうち」というのも、そこで使われている喩えである。

 「LHA ユーティリティ32」は以下のサイトからダウンロードできる。(注)

http://homepage1.nifty.com/lhut32/index.html

(<産経新聞>大阪版 平成12年6月12日夕)

注: 現在、上記サイトは存在しません。「LHA ユーティリティ32」は以下のサイトからダウンロードしてください。

http://www.lhut32.com/index.shtml


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