発達障害情報センター
http://www.rehab.go.jp/ddis/
同センター・災害時の発達障害児・者支援について
http://www.rehab.go.jp/ddis/
日本自閉症協会 防災ハンドブック
http://www.autism.or.jp/bousai/index.htm
ぜひ、ご活用下さい。
[2012.2.2]
【この頃思うこと】「あなたもGKB47宣言!」ってわかりますか?
内閣府の自殺対策推進会議で、今年の自殺対策強化月間のキャッチフレーズが「あなたもGKB47宣言!」に決まったそうです。
GKBは、「ゲートキーパーベーシック」の頭文字で、47都道府県、「全員参加」がテーマとか…。
誰が見ても、「AKB48」がまず思い浮かぶでしょう。この段階で、取り組みの意義が薄まると思うのは私だけでしょうか。
批判が続出したため、関係当局は説明に躍起ですが、了解できる説明とは思えません。
14年連続して自殺者が3万人を超える国。アメリカの交通事故死亡者数よりも多い、異常事態が続いています。「受け狙い」でキャッチフレーズを考えている場合ではありませんし、自殺防止や自死遺族支援への思いが全く感じられません。自死遺族の一人として、キッパリと断言します。
月間を取り組むこと自体に異論をはさむつもりはありませんが、通年の、全国自治体あげてのゲートキーパー作りや、自死遺族支援の本格的な取り組みこそが求められています。
それでは、最近の気になる記事です。
自殺対策キャッチフレーズ 「GKB47」に疑問の声
自殺者数が14年連続3万人を超えるなか、政府が毎年3月に行う自殺対策強化月間の今年度のキャッチフレーズが、「あなたもGKB47宣言!」に決まった。人気アイドルグループ「AKB48」をもじったフレーズが23日に開かれた内閣府の自殺対策推進会議で報告され、委員から「自殺対策としては違和感がある」と疑問の声が上がった。
強化月間の今年度のテーマは「全員参加」。GKBは、「ゲートキーパーベーシック」の頭文字。「ゲートキーパー」とは、悩んでいる人に気づいて声をかけ、必要な支援につなげる存在で、「47」には取り組みが47都道府県に広がることを狙う意味がある。
これに対し、委員の一人は「ブームにあやかろうという意図はわからなくもないが、自殺対策は継続的に、地道に取り組むもの。キャッチフレーズは地味でも普遍性や本質を示すのが大事」と批判。別の委員は「もっとあたたかな、現状を反映した言葉のほうが良いのではないか」と話す。
今後、ポスターや広告などで使われる予定。内閣府の担当者は「全員参加というテーマにあわせ、広く国民に親身に訴えることができるということで決まった」と説明している。
「産経新聞」1月24日(火)
●政府が自殺対策強化で「GKB47宣言!」 「ゴキブリ?」「馬鹿にするな!」とネットで非難
内閣府の自殺対策推進会議で、自殺対策強化月間のキャッチフレーズが「あなたもGKB47宣言!」に決まった、と報道された。
ネットでは「ゴキブリって読めるよね?」という声も。重いテーマなのにふざけている感じがあり、アイドルグループ名をもじった言葉だとし、「日本国民をバカにしているのか」などといった批判が噴出している。
■蓮舫・元大臣と相談してキャッチフレーズを決めた
このキャッチフレーズは2012年1月23日に開催された「第15回自殺対策推進会議」で発表された。会議に出席した委員から芸能界のブームに乗ろうという気持ちはわかるが、共感を得るのは極めて難しい、などとキャッチフレーズ撤回を求める意見もあったという。
ネットでも「GKB47宣言」について、
「どうみてもゴキブリ47です」
「だいたい、キャッチフレーズに、『GKB47』なんぞ、説明受けなきゃ意味の分からん単語を使うこと自体がおかしいだろ!」
「ふざけすぎ。自殺まで追いつめられてる人を馬鹿にしてるとしか思えない」
などと批判ばかりが目立っている。
内閣府自殺対策推進室に話を聞いてみると、このキャッチフレーズは11年11月時点で同推進室が考え決定したものであり、決定に当たっては当時の蓮舫・行政刷新担当大臣と相談した。また、日本医師会や日本弁護士連合会といった約70の協賛団体から了承を受けていて、異論は出なかったそうだ。23日の会議では文書で疑問を投げかけた委員もいたが、混乱は全くなかった、としている。
■「話題になったので大きなPR効果」と自殺対策推進室
ちなみに「GKB」とは「ゲートキーパー・ベーシック」の頭文字で、ゲートキーパーとは自殺しそうなサインに気付いて食い止める専門家を指し、ベーシックは一部の専門家だけでなく国民全体で見守っていこうという願いが込められた。47は都道府県の数だという。
自殺対策強化月間は2年前に毎年3月と制定されたが、キャッチフレーズが付いたのは今回が初めて。前回の11年のテーマは「気付き」で、大切な人の異変や悩みに気付いてほしいと訴えた。10年は「睡眠」で、2週間以上眠りたくても眠れない人が身近にいないか問いかけた。今年のテーマは「全員参加」となり、広く訴えかけるためにインパクトのある文言を狙った。
「アイドルグループを意識しなかった、というと嘘になりますが、今回これだけ話題になり、メディアで取り上げていただいたことは、自殺者をなくすための大きなPRになったのではないか、と考えています」
と自殺対策推進室では話している。
「あなたもGKB47宣言!」のキャッチフレーズが入ったポスターは現在製作中で、3月には全国に張り出されることになるそうだ。
「J-CASTニュース」1月24日(火)
●自閉症の定義変更にあたり専門家らが慎重に対応
自閉症の新しい定義が今年(2012年)後半にメンタルヘルス専門家に採用されれば、自閉症と診断される人数が減少する可能性が高まる。医師らはこの変更の意義を確信しているわけではないが、自閉症患者の生活や治療にあたる専門家に影響することで意見が一致しており、医療や教育、社会福祉を受ける人数に影響が及ぶ可能性があるという。
新しい定義では、現在用いられているアスペルガー症候群、自閉症スペクトラム障害、広汎性発達障害(PDD-NOS)という3つのサブタイプに代わり、1つの診断カテゴリー、つまり「自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)」が採用される。この定義は、米国精神医学会(APA)が指名した専門家委員会が草案を作成中で、今年末までに最終的な形にまとめられる予定の「精神疾患の分類と診断の手引(DSM)」第5版の一部になるとみられる。
米国における自閉症の推定率は1980年代以降急増しており、近年の数値では小児110人あたり1人にみられる。症例数が実際に増加しているという専門家がいる一方で、明確な診断ガイドラインがないためであると指摘する専門家もいる。自閉症は複雑な神経発達障害であり、典型的な症状には他人との意志疎通が困難、社会的関係形成不能、反復運動、自虐行為などがあるが、原因は依然として不明である。
新しい定義では、一般に高機能自閉症とされるアスペルガー症候群とPDD-NOSは削除される。米ニューヨーク・タイムズ紙によれば、最近(1月20日)アイスランド医師会の会議で発表された研究では、1993年の論文で自閉症と診断された小児および成人372人の半数弱(45%)が新しい基準に適合すると推定している。
米オーティズム・スピークスAutism Speaks最高科学責任者であり、米ノースカロライナ大学チャペルヒル校精神医学教授のGeraldine Dawson氏は、「これは学際的な課題(academic exercise)ではない。この診断基準の変更は人々の生活に実際に影響を及ぼすことになる。新基準の実施は非常に慎重に開始し、サービスを受けられる人に対する影響を監視しなければならない。科学的な観点から、診断基準の変更は理にかなっている。サブカテゴリーは病因の点から意味を持たず、推奨される治療を区別する必要もない」と述べている。別の専門家は「偉大な試みだが、近年の自閉症の有病率の推定が正しいかどうか確証はなく、専門家の意見は分かれている。今回の診断基準変更の影響は時間が経過してみないと分からない」としている。
「HealthDay News」1月20日
http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&view=article&id=3523:2012130&catid=49&Itemid=98
●<40代姉妹死亡>「生活苦しい」区役所に3回相談 札幌
札幌市白石区のマンションで知的障害のある妹(40)と姉(42)とみられる遺体が見つかった問題で、この姉は約1年半前から3回にわたり区役所に生活相談に訪れ、生活保護申請の意向をみせていたことが、市役所への取材で分かった。姉は自身の仕事や妹の世話をしてくれる施設も探していたようで、その最中に急死し、連鎖的に悲劇が起きたとみられる。
札幌市保護指導課によると、姉は10年6月、11年4月、同6月の計3回、区役所を訪れ「生活が苦しい」と訴えた。2人の収入は中程度の知的障害がある妹の障害年金だけだったとみられる。昨年6月、姉は「今度、生活保護の関係書類を持ってくる」と言って必要な書類を聞いて帰ったが、その後は相談がなかった。
北海道警の調べでは、姉妹の部屋に求職に関するメモがあった。姉とみられる遺体の死因は脳内血腫。姉は3年前に脳外科を受診した記録があり、体調不良を自覚しつつ職探しをしていた可能性がある。区内の民間障害者施設によると、姉は約1年前に妹の通所の相談に来たが、決まらないまま連絡が途絶えたという。
一方、妹とみられる遺体の死因は凍死で、死後5日〜2週間。料金滞納のためガスは11月末に止められており、室内は冷え込んでいたとみられる。
姉妹に近所付き合いはなく、地元町内会長の本田鉄男さん(66)は「マンションが町内会に加盟していれば回覧板で変化に気づけたが、非常に残念。せめて市役所から知的障害者がいるとの情報があれば対応できたのだが」と話す。
ただ市保健福祉局の担当者は「障害を知られたくない人もおり、情報を一元的に出すのは難しい」と話す。民生委員の巡回は高齢者宅に限られ、災害時の要援護者のリストアップも、希望者だけを登録する仕組みだ。
札幌白石署によると、昨年12月15日に家賃滞納分の振り込みがあり、それから数日内に姉が急死したとみられる。同20日に「111」など複数の発信記録が姉の携帯電話にあった。残された妹が110番など何らかのSOSを出そうとしたのかもしれない。
「毎日新聞」1月24日(火)
●「サポート・チーム」創設へ 発達障害者支援
県が設置した「発達障害者支援のあり方検討会」(福岡寿座長)は26日、現場の保育士や教師らを後方支援する「サポート・コア・チーム」の創設などを柱にする支援策を阿部守一知事に報告した。知事は「発達障害のサポート態勢はまだ十分ではないと思っている。報告を契機に県として全面的に取り組んでいく」と述べ、新年度から事業展開する方針を明らかにした。
サポート・コア・チームは、広い知識や経験を持つ「サポート・マネージャー」を中心に福祉や教育など多分野の専門家で編成し、今後2、3年をめどに県内10カ所に設置する。保育所や学校に赴いて個々の課題を整理し、継続的に助言しながら県内支援の底上げを図る。
本格運用に向けては、支援手法の統一化やサポート・マネージャーの養成、障害者の周囲の人々が障害の情報を共有できる仕組みづくりなどが課題で、福岡座長は「関係者の理解が不十分だと、父母らは自分のせいだと思ってしまう。保護者の支援も大事だ」と指摘した。
阿部知事との懇談では「県内には人材が育ってきており、数年たてば全国トップクラスになる」と訴え、県として多角的な支援策を展開するよう求めた。
県健康福祉部は、新年度当初予算編成でサポート・コア・チーム事業などの関連事業費2900万円を要求している。
検討会は昨年6月に設置され、自閉症やアスペルガー症候群、学習障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害者らの支援に向け、年代を問わず、教育や医療、労働などの垣根を越えた支援策を論議していた。
「中日新聞」2012年1月27日
●新病棟2月11日から運用 浜松・天竜病院 静岡
国立病院機構の天竜病院(浜松市浜北区於呂)は病院敷地内に建設中の新病棟を今月中に完成させ、2月11日から運用を始める。総病床数338床の大型病棟で、一般病床のほか、発達障害など児童の精神疾患を専門に治療する児童精神科病床50床を新設するのが目玉。早川啓史院長は「これまで一般病床で受け入れることができなかった重度の児童患者の受け皿になる」としている。
「静岡新聞社」2012年1月29日日曜日
●児童の放課後支援所開設 送迎や個別指導も 兵庫
発達障害や知的障害がある子どもが、放課後や夏休みなどを過ごす「児童デイサービス施設」として、兵庫県明石市魚住町清水に今月中旬、「発達障害児療育センター 第2アスペ」がオープンした。対象はおおむね小学生から高校生で、特別支援学校や自宅への送迎もある。専門家による個別指導も実施し、担当者は「発達障害児の居場所を作りたい」と意気込む。平日は学校終了から午後6時まで、長期休暇中は午前10時半から午後6時まで対応する。対象は「いなみ野特別支援学校」(稲美町)の在籍か、明石や稲美町に住む発達障害などの子どもで、週1回以上の定期利用が条件。有料で、1日定員は平均13人という。
「神戸新聞」2012年1月29日日曜日
●南相馬 児童ら対象無料教室
仮設住宅など避難先の環境になじめない発達障害の小学生らを対象に、NPO法人「トイボックス」(白井智子代表理事)と、東日本大震災復興支援財団が28日、南相馬市原町区で、無料学習支援を行う「ふみだす未来の教室in南相馬」をプレオープンした。本格的なオープンは4月。
この日、約10人の小学生らが職員に本を読んでもらったり、卓球で遊んだりしていた。4月以降は、発達障害の小学生らを平日の放課後に預かり、学習支援を行う一方、卓球やバドミントンができる遊び場も提供する。プレオープン期間中は毎週土曜のみ開催する。
発達障害を持つ子供が避難先で強い不安感やストレスを抱いている現状を聞き、準備を進めてきたという白井代表理事。「発達障害の子供に限らず、学習支援が必要な子供も受け入れたい」と話している。
「読売新聞」2012年1月29日
●東電、1兆円出資受け入れへ…支援機構と詰め
東京電力が、政府の原子力損害賠償支援機構による1兆円の出資案を受け入れる方向になった。
福島第一原子力発電所の事故で廃炉などの費用がかさむため、増資で財務の悪化に歯止めをかける考えだ。議決権比率など詳細の詰めを急ぎ、今年3月にまとめる総合特別事業計画に盛り込む。
東電の支援は、支援機構が東電の1兆円の増資を引き受け、銀行団が1兆円を融資することが柱だ。関係者によると、東電は、原発事故の賠償を円滑に進め、電力を安定的に供給するためには1兆円規模の増資が必要との判断を固めており、検討の焦点は出資方法に移っている。
支援機構は、株主総会で合併など重要な経営戦略を単独で決められる3分の2以上の議決権の取得を目指している。これに対して東電は、経営の自主性を保つために優先株や普通株を組み合わせ、機構の議決権比率を2分の1未満に抑えたい考えだ。実際の増資は6月の株主総会で株式を発行できる枠を広げた後に実施される見込みだ。
「読売新聞」1月26日(木)
●障害者に得意な仕事を
働きたい障害者と企業をつなぐ懸け橋になりたい−。金沢市の中山肇さん(54)は、その思いを形にしようと、発達障害がある人らの就労支援に取り組むNPO法人「クロスジョブ金沢」を今月立ち上げる。四月の事業スタートを目指し、事務所や社員の獲得などに奔走している。
原点にあるのは、個人の特性を生かす仕事を選択するという「適材適所」の意識。特別支援学校や医療機関、民間企業に勤め、さまざまな職場を経験する中で培った。福祉施設で働いていた約六年前、施設で働く障害者らを見て、さらに強く思った。
能力は人によってさまざまだ。規則的な作業が正確にできる人がいれば、計算に秀でた人もいる。「与えられた仕事を皆が同じようにやるのでなく、それぞれがやりたい得意な仕事をする機会があれば、もっと社会参加できる」。一足先に大阪で同じ活動を行う知人からの後押しを受け、決意を固めた。
最低限の仲間を集め、支援イメージは固まった。面談でやりたい仕事を聞き、パソコン技術やビジネスマナーなど必要なスキルの訓練を行う。ハローワークの協力を得て、企業からの求人を募ってマッチングを図る。
最初からうまくいくとは思っていない。石川県では前例のない取り組みといい「定着するだろうか」。そのためには何より実績が必要。福祉施設を回り、就労意欲のある障害者に活動を紹介してもらうようお願いする。
「障害のあるなしにかかわらず、同じように働ける社会を−なんて言っても夢物語ですかね」。冗談めかして笑うが、目は真剣だ。一本でも多く橋を架けることが、夢につながると信じている。 (小西亮)
身の回りで起きたこと、毎日の暮らしの中で幸せに感じたり、ほっとするような物語をお寄せください。連絡先を明記の上で、〒920 8573 中日新聞北陸本社「昴」係へ。ファクスは076(265)7490、Eメールはsubaru@chunichi.co.jpまで。
「中日新聞」2012年1月23日
●「トラウマになるような出来事」目撃したらすぐに寝てはダメ、米研究
交通事故の目撃など、トラウマ(心的外傷)になるような衝撃的な出来事に遭遇した直後に睡眠をとると、そのときの感情や悪い記憶が定着する危険性があるとの研究が、米専門誌「神経科学ジャーナル(Journal of Neuroscience)」に掲載された。
研究を行ったのは米マサチューセッツ大学(University of Massachusetts)の研究チーム。健康な男女106人を対象に実験を行った。
まず男女に複数枚の画像を順に見せ、それぞれに対する感情的な反応を評価させた。画像の中には「不安な」光景を描写するものも含まれていた。
その後、休憩中に被験者の半数に睡眠をとらせ、もう半数には睡眠をとらないようにさせた。12時間後、被験者たちは再び画像の評価を行った。
「睡眠は記憶だけでなく感情反応も保持していた」と、神経科学者で論文の共同執筆者のレベッカ・スペンサー(Rebecca Spencer)氏は研究結果を語った。
■睡眠は基本的に良い効果、PTSDには逆効果か
英紙ガーディアン(Guardian)は、従来の研究では「睡眠によって否定的な感情が緩和され、より合理的な観点から起きたことを観察できるようになる」とされており、今回の研究結果がそれらと矛盾していることを指摘している。
スペンサー氏は米ABCニュースに対し、「確かに『一晩寝かせて考える』のが普通は良いことだというのは事実」と述べ、睡眠によって記憶力だけでなく他の認知機能も高まることを指摘。
「ただ、本当にトラウマになるような出来事やただならぬ出来事が起きたときは、起きていた方が良いでしょう」と語り、衝撃的な出来事の後になかなか寝付くことができないという体の生理的な反応は案外健康的なことなのかもしれないと付け加えた。
スペンサー氏は大変な出来事を乗り切る際には睡眠に頼るのではなく、起き続けていることを検討してもよいだろうと提言する一方で、今回の研究結果が心的外傷後ストレス障害(PTSD)に対する示唆になる可能性はあるものの、日常生活における精神的ダメージに対しては睡眠不足を推奨しないと語った。
「ある日がひどい日だったからといって、その日はずっと起きているべきということにはならない。私たちは回避すべきことを知るために、ある程度の記憶や感情的な状況を保持しておくべきだ。私たちはそこから学んでいるのだから」
(c)Relaxnews/AFPBB News
2012年01月25日 13:10 発信地:米国
●<ドコモ通信障害>スマホ急増でパンク 対応後手に
NTTドコモの携帯電話で相次いだ大規模な通信障害は、スマートフォン(スマホ)の本格普及で通信量が急増し、携帯電話会社のインフラ整備が追いついていない実態を浮き彫りにした。動画やゲームのやりとりなどスマホの多機能化が進み、こうしたデータ通信量は国内で今後数年で10倍以上に膨らむとの見方もある。事業者の対応が伴わないとトラブルもやまず、通信インフラに対する信頼も損なわれかねない。
「見極めに甘さがあった」。26日記者会見したNTTドコモの岩崎文夫取締役常務執行役員は、25日の通信障害について、通信量が想定を上回ったために発生したと釈明した。
ドコモは、データ通信を仲介する「パケット交換機」11台を25日未明までに新型3台に切り替えた。スマホの利用者は、通信をつないだままにするケースが多いため、新型は同時に接続できる利用者数を旧型の約2倍に増やした。だが、「同時接続数の増強に目を奪われ」(岩崎取締役)、新型3台が処理できる通信量は旧型11台の合計の半分しかなかった。25日朝は1時間当たりの通信量が想定の1.3倍に膨らみ、新型の許容量をオーバーしたという。
ドコモは11年11月、スマホの低料金プランを導入し、11年4〜12月のスマホ販売は553万台と10年度の倍以上に増えた。だが「従来の携帯電話で利用されてきた『iモード』とスマホのデータ通信を同じ通信設備で処理してきたため、システムが複雑化し、処理能力が低下している」との指摘がある。ドコモはパケット交換機の一斉点検などの対策を発表したが、アップルの「iPhone(アイフォーン)」などスマホの販売競争が過熱する中、「通信量の急増に抜本的な対策を講じない限り、通信トラブルはなくならない」(アナリスト)との見方が強い。
東京都内の男子大学生(22)は「スマホに買い替え、動画投稿サイトなどインターネットを使う時間が増えた」と話し、若者を中心にパソコン代わりに使う場面が増えている。しかもスマホの利用者の多くは、どれだけ通信しても料金が一定の「定額制サービス」に加入しており、スマホの通信量は「(従来の携帯電話に比べて)10倍はある」(通信業界関係者)という。
調査会社、MM総研の推計によると、11年度の携帯電話出荷台数は4160万台。このうち56%をスマホが占める見通しで、初めて従来型の携帯電話を出荷数で逆転する。スマホは契約数(既契約者も含む)でも15年3月末に従来型の携帯電話を上回る見通し。同社の横田英明取締役研究部長は「今後数年で通信量は10〜20倍に達する可能性がある」と指摘。「携帯電話会社は増加ペースを甘く見積もった結果、インフラ整備などが後手にまわった」と分析する。
携帯電話各社は、電話回線とは別に、無線でネットに無料接続する「Wi−Fi(ワイファイ)」の接続ポイントを増やすことで、電話回線の通信量を減らす計画を進めている。だが、「Wi−Fi」に接続できる場所はまだ限られる。KDDIの田中孝司社長は26日の記者会見で「(通信)ネットワークの中をこれだけ多量のトラフィック(情報量)が流れて、耐えられるのか」と不安を漏らした。
◇行政は事業者任せ
総務省は「通信設備は、サービス内容や利用者数に応じ、事業者自らが決めるもの」(総合通信基盤局)とし、一義的には事業者の責任との立場だ。しかし、通信は企業活動や生活に欠かせないインフラとなっており、通信の質を確保するための対策を求められる。
通信混雑対策として、総務省は「プラチナバンド」と呼ばれる700メガヘルツ帯と900メガヘルツ帯の周波数を利用する方針だ。プラチナバンドは、電波が建物などの障害物を避けて通りやすく、通信状態の改善につながる。総務省は地上アナログ放送などに使われ、現在は空きスペースとなった周波数帯を、15年までに計3社に割り当てる。第1弾として1社に900メガヘルツ帯を割り当てる計画で、27日に公募を締め切る。
ただ、新たな周波数割り当ては、データの「通り道」を確保する手段に過ぎない。増大する通信量をさばく「交通整理」には、設備の処理能力を高める必要があるが、そのための投資は事業者任せとなっている。総務省は26日、ドコモに通信設備の増強を求めたが、通信の質向上にどこまで行政が関わるかも課題となりそうだ。
「毎日新聞」1月27日(金)
●増える大人の発達障害 仕事に支障、ひきこもりも
注意欠陥多動性障害(ADHD)やアスペルガー症候群(AS)などの発達障害に苦しむ大人が増えている。障害のために仕事に支障をきたし、ひきこもってしまう人も少なくない。発達障害者支援法の成立から7年。行政の取り組みは遅れがちだが、障害を持つ人たちが自助努力で立ち向かう動きも出てきた。
■ミス重なり辞職
「イージーミスが多すぎる。君に営業はできない」。都内に住む20代の男性は昨年夏、上司にこう指摘され、しばらくして会社を辞めた。
旅行会社の営業マン。まじめで人当たりもいいが、段取りや整理が下手。細かい連絡を忘れてしまう。添乗員として随行した先で、用意する弁当の数が変更になったのに業者への連絡を忘れてしまい、トラブルになったこともあった。
まだ、きちんとした診断は出ていない。再就職への意欲もあるが、「サービス業はもう無理だと思う」という。
発達障害は従来、子供のものとされてきた。だが近年、ひきこもりや鬱病、子供への虐待などの2次障害が表れ、初めて受診する大人の患者が多い。
計31万部のベストセラー『発達障害に気づかない大人たち』シリーズ(祥伝社新書)の著者、心療内科医で福島学院大の星野仁彦(よしひこ)教授は「私のクリニックに来る患者さんは2次障害が深刻な状態。復帰するのは容易ではない」と話す。
星野教授の調査では、外来を受診した成人のADHDとASの患者130人のうち、2次障害がない人はわずか13人。専門医が少ないため、発達障害を見抜けず、2次障害だけの治療を受けた結果、再発、長期化する傾向にある。
冒頭の男性のようなケースでも、「まずは自分で発達障害を認識し、診断を受ける。そのうえで長所と短所を把握し、サポートしてくれる人を見つけることが大切」と星野教授は言う。
■できることから
発達障害者同士の自助グループも生まれている。自らもADHDとASの混合型という冠地情(かんち・じょう)さん(39)が主宰する「イイトコサガシ」は、22都道府県で160回以上のワークショップを行った。
6〜8人のグループで、2人が5分間、テーマに沿った会話をし、残りの人はその会話の良かった点だけを指摘する。時間を区切って相手の話に集中するので、しぐさや口調の変化にも気づきやすく、独りよがりな会話を避けられる。聞く側は良い点だけを探すため、思いやりや共感を伴ったコミュニケーションの力を磨ける。冠地さんは「発達障害の人は自己肯定感に乏しい。批判や助言はそれに追い打ちをかけ、トラブルになることもある」と話す。
相手の長所を探し、自分の良い所に気づくのはコミュニケーションの基本だ。冠地さんは「発達障害はもはや社会現象。でもできることから始めてほしい」と話している。
■行政の支援、手探り段階
成人の発達障害に対する行政の取り組みは緒(しょ)に就いたばかりだ。厚生労働省によると、全都道府県とほぼ全ての政令市に発達障害者支援センターが設置され、ハローワークなどと連携した就労支援などが行われているが、「症状や障害の程度は千差万別で、具体的にどんなサポートをしたらいいか開発を行っている段階」という。
また、ADHDに対して欧米で効果を上げている中枢神経刺激薬、メチルフェニデートによる薬物療法も昨年11月、18歳未満で投与を受けていた人のみ継続使用が可能になったが、大人への初回投与は認められていない。
「産経新聞」1月10日(火)
●学習支援:足立区、中学生も 塾通えない100人に、新年度から /東京
家庭の経済状況などで塾に通えない成績上位の中学生に学習支援をしようと、足立区は4月から、定期講座「足立はばたき塾」を開講する。講座を委託する民間業者の公募を25日に始めた。これまで区は、小学生の基礎学力の向上に力を入れていたが、中学生に対する支援を要望する声が寄せられたため、試験的に実施する。
足立区によると、対象は中学3年生100人で、講義は区立千寿本町小と島根小で実施。申し込み後に学力診断テストを実施し、都立の進学指導重点校を目指す学力に達しているかを判断する。期間は4月から都立高校の一般入試がある翌年の2月までで、毎週土曜に数学と英語の2教科を教えるほか、夏休みと冬休みには5〜10日程度の集中講座を開講する。区が実施してきた学習支援は、小学生を対象に、四則計算や漢字の書き取りをする基礎学習教室を開くなどの「落ちこぼれ防止」対策だった。支援が手薄だった中学生に対しても成績上位層を引き上げる事業の要望があり、実施を決めた。
「毎日新聞」1月26日(木)
●家電業界を襲う"リストラ地獄"!NEC、東芝、ソニー
日の丸家電はこのまま壊滅してしまうのか。NECが1万人の人員削減を打ち出したが、ほかにも大手家電メーカーが続々と人員削減や工場閉鎖を打ち出している。背景にあるのが超円高やタイ洪水、そしてスマートフォン隆盛のあおりを受けた携帯電話の不振だ。
「苦渋の決断をした」。NECの遠藤信博社長は厳しい表情で語った。2012年度前半に国内外のグループ社員約11万人のうち約5000人の人員を削減。国内工場で働く協力会社の従業員などを含めると削減規模は約1万人に達する見込み。
厳しいのはNECだけではない。パナソニックは昨年9月末時点で約36万700人だったグループ従業員を今年3月末を目標に35万人以下への削減を進める。
東芝も半導体を生産する北九州工場など3拠点を12年度上半期で閉鎖。計約1200人(昨年11月末時点)の従業員は原則配置転換で対応するが、異動できない従業員も出てきそうだ。
ソニーも子会社のリチウムイオン電池の組み立て工程を、中国とシンガポールの工場へ移すのに伴い、栃木事業所を設計・開発拠点に衣替えし、製造に携わる約500人の従業員の配置転換と希望退職募集を検討している。
家電メーカーは薄型テレビ市場が国内市場で地デジ特需がなくなって縮小。海外でも歴史的な円高もあってサムスンなど韓国勢に押されている。さらにタイの洪水で生産拠点が打撃を受けた。
そして急成長しているスマホ市場でもアップルのiPhone(アイフォーン)が圧倒的で、サムスンが追う展開。「国内メーカーはスマホに乗り遅れて国内市場でさえ失地回復できていない」(家電担当アナリスト)。NECのリストラも携帯電話事業の不振が響いたもので、ソニー・エリクソンの携帯電話事業も赤字に陥った。新たな稼ぎ頭がみつからなければ、今後もリストラ地獄が続きそうだ。
「zakzak.co.jp」2012.01.27
●最悪シナリオ閲覧「数人」に限定 「混乱恐れて」と細野氏
細野原発事故担当相は29日までに、共同通信のインタビューに応じ、最近まで公開しなかった東京電力福島第1原発事故の「最悪シナリオ」に関し、情報漏えいによる国内の混乱を恐れて、当時の菅直人首相はじめ閲覧を「数人」に限った経緯を明らかにした。
その上で「シナリオの内容は現実にあり得ないもの。当時公開していたら、東京から人がいなくなった可能性があった。そうなれば、事故対応は危うかった」と言明。事故対応を優先した結果、菅氏ら政権中枢のごく一部の政治家でしか情報共有を図らなかったと説明した。
「共同」2012年1月29日
●「東京電力が和解案拒否」双葉町長、抗議の声明
東京電力福島第一原発事故の賠償を巡り、福島県双葉町の井戸川克隆町長は29日、東電が、政府の原子力損害賠償紛争解決センターが示した和解案通りの支払いを拒否しているとして、抗議する声明を発表した。
同町住民が避難し、役場機能がある埼玉県加須市で記者会見した。井戸川町長が抗議したのは、福島県大熊町から東京都内に避難する男性(72)が家屋損害に約2600万円の支払いを求めた案件。同センターが昨年12月、不動産として初めて、約1300万円の支払いを盛り込んだ和解案を示した。
東電は家屋の賠償を受け入れる方針を示したが、追加請求には一切応じないとの条件を付けるなどした。
井戸川町長は「東電が、双葉町民にも同じ行為に出ることが予測される。いろいろな条件をつけられて、(賠償請求を)やっていくことはできない」と述べた。
「読売新聞」1月30日(月)
●引きこもり次男「働け」に逆上 長男と三男刺し首つり
東京都杉並区宮前の住宅で30日、長男と三男を包丁で刺した次男(45)が、首をつって自殺する事件があった。警視庁高井戸署によると、首を刺された長男(45)は意識不明の重体で、腹などを刺された三男(42)は重傷だが意識はあるという。2人を刺して自殺を図ったとみられる次男は病院に運ばれたが、約1時間後に死亡が確認された。同署によると会社員の長男に「働け」と言われた無職の次男がカッとなって暴挙に出たという。
事件があったのは、京王井の頭線久我山駅の北約500メートルの閑静な高級住宅街。100坪以上の敷地に駐車場と庭のある一戸建て住宅だ。高井戸署によると、70代の両親とともに40代の息子3人が暮らす5人家族。30日朝、2階で次男に対して長男が「仕事をしろ」と叱ったことをきっかけに言い争いになった。2人は双子だという。
次男は長男の首を包丁で刺した。長男は「刺された」と言いながら1階に逃避。おびただしい出血があったという。続いて次男は、様子を見に1階から2階へ上がって来た三男の胸と腹を刺した。驚いた母親が「息子2人が次男に刺された」と119番。その間に次男は風呂場に行き、乾燥用のポールにロープをかけて首をつったという。
署員が駆けつけたとき、次男は、すでに意識がなかった。長男は当初意識があったが、病院搬送後、意識がなくなったという。2階の室内には血のついた包丁が落ちていた。事件当時、75歳の父親は介護治療を受けるため、病院に行っており、不在だった。
近所の住民によると一家は地主で、アパートを数軒所有、家賃収入で生活していたという。兄弟は3人とも独身。会社勤めをしていたのは長男だけで、次男は精神的に不安定で引きこもり状態が続いており、仕事をしていなかったという。近所の40代の女性は「息子さんたちが何をしているのかはよく知りませんでした。お庭もよく手入れされていて、裕福なご家庭にしか見えなかったのに…」と絶句していた。
「スポーツ報知」1月31日(火)
[2012.1.22]
【この頃思うこと】情報を取捨選択するスキルが必要な時代に。
私が小学校、中学校、高校、大学(1回目)の頃、メディアと言えばテレビ、ラジオ、新聞、雑誌くらいありませんでした(回覧板もメディアか?)。
大学時代(1回目)はテレビも絶っていたので、新聞とラジオだけだったが、特に不自由はしませんでした。
今はどんな生活をしているかというと、朝テレビの情報番組を見ながら朝食、地元紙に目を通し、事務所に来てからYAHOOニュース、2チャンネルニュース、Twitterの見出しと気になるコンテンツに目を通し、メールをチェックし…、昼休みなど時間のとれる時はTwitterを中間チェックし、夕方にTwitterとメールの中間チェックをし、帰宅後ニュース番組を優先的に見ながら第三のビールを飲み、寝る準備の前に再びメールとTwitterに目を通す…。ラジオがなくなり、ネットとメール、ソーシャルネットワーク漬けになってしまっています。情報として必要と思われるものを入手しておこうと、半ば強迫的に追いかけている感もします。そのせいか、読書量が激減…(読みたい本は溜まる一方ですが)。
これでも、「自分に必要な情報」に絞り込んでいるつもりです。その判断には、結構思い切りと経験が必要です。
この話のオチは、子どもたちに、今の多様な情報量から、「自分に必要な情報」を選べるか否かです。介入しなければ、多くの子どもたちが情報やゲームなどに溺れるでしょうし、制限することが良いとも言い切れません。放置はしてはいけないけど、受像・受信ツール使用のルールづくりと、必要か否かの取捨選択をしていけるスキルを話し合いながら獲得していってもらうサポートが、今を、そして今からを生きる子どもたちには必要だと思います。
人それぞれですから、一様なルールやマニュアルができるはずはありません。個別に、丹念にサポートしていかなければならないのですが…。
それでは、最近の気になる記事です。
携帯買える?「貧困の指標」見直しへ
生活保護受給者の急増やワーキングプア問題などに対応するために、厚生労働省は貧困を測る新たな指標を定めることを決めた。
国際的な指標は実態を反映しにくく、分かりにくいとされるため、日本独自の指標を作り、健康状態や衣食住の状況も含めた貧困の実態を明らかにする。同省では来年度中に策定し、継続的に貧困率を測って政策に反映させる方針で、貧困かどうかを決める目印を何にするかで注目を集めそうだ。
貧困を把握する代表的な物差しには、経済協力開発機構(OECD)の調査などで使われる「相対的貧困率」がある。2010年調査(09年時点)で日本の「相対的貧困率」は16・0%で、おおよそ6人に1人が貧困とされた。07年調査より約0・3ポイント悪化し、過去最悪。OECDによる00年代後半の調査の国際比較では、日本は加盟34か国中下から6番目だった。
ただしこの指標の算定基準は収入だけで、資産や医療や介護のサービス受益などは考慮されない。貯金や持ち家があっても所得がなければ「貧困」と判断されてしまうこともあり、「実態を見るには不適当」との指摘が上がっていた。また国際的にも別の指標を加える動きが広がっており、欧州連合(EU)では、貧困の継続状況や、寿命など14項目からなる指標を独自に導入。イギリスも複数の指標を取り入れた。
こうした動向も踏まえて厚労省では専門家による検討会を発足させ、来年度中に成案をまとめることにした。新しい指標には失業率や医療をどのくらい受けているかなどの項目に加え、「食事に困っていないか」「携帯電話などの必需品が買えるか」など、生活に密着した項目を入れることも検討する。指標は、生活保護の基準や年金制度の見直しなどの政策立案に役立てていくという。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120118-OYT1T00003.htm
「読売新聞」1月18日(水)
●米国で横行するアジア系いじめ、うつや自殺も突出
米軍に入隊したアジア系の若い兵士がいじめを苦に自殺したことをきっかけに、米国で横行するアジア系へのいじめの問題が浮き彫りになっている。コラムニストのジェフ・ヤン氏がCNNへの寄稿で指摘した。
ニューヨーク市出身のダニー・チェンさんとカリフォルニア州出身のハリー・リュウさんは家族の反対を押し切って米軍に入隊し、アフガニスタンに派遣された。しかし同僚の執拗ないじめに遭い、昨年、それを苦に自殺したと報じられている。ヤン氏によれば、チェンさんは白人の同僚から仲間外れにされ、アジア系に対する差別用語を浴びせられていたという。
軍に限らず、米国でアジア系に対するいじめが深刻化している現実は最近の調査にも示されているとヤン氏は言う。
米司法省などが昨年実施した調査によれば、10代のアジア系米国人のうち、半数以上が学校でいじめられた経験があると回答。これに対して黒人やヒスパニック、白人では3分の1程度にとどまった。
フィラデルフィアの学校では2009年にアジア系の生徒に対する集団暴行事件が発生、被害者は1日で26人に上り、うち13人が重傷を負って集中治療室で手当てを受けた。
同校ではアジア系の生徒に対して差別用語を浴びせたり、移民を中傷したり、発音をからかったりするいじめが続いたことから、ついに生徒がストライキを組織。アジア系の生徒80人が、身の安全が保証されるまで登校しないと宣言する事態に発展したという。
数日前にはシカゴでアジア系の10代の少年が覆面をした集団に暴行を受ける映像がユーチューブに投稿されて問題になった。
こうした現実の中、うつ状態に陥るアジア系米国人は過去10年で急増している。特にアジア系の女性は、うつ状態と診断される割合がほかのどの人種よりも多いという。さらに、アジア系米国人の死因の5位に自殺が浮上。これは米国人全体の9位に比べると突出して高いとヤン氏は伝えている。
「CNN」2012.01.18
●東大など、数十年来の脳の謎を解明 - 脳回路が精密な配線であることを発見
科学技術振興機構(JST)と東京大学は1月20日、脳の神経回路が、回路を形成する神経細胞「ニューロン」より小さく、「シナプス」の単位で正確に編まれることで機能を発揮することを明らかにしたと発表した。東京大学大学院薬学系研究科の池谷裕二准教授らの研究グループによる発見で、成果は米科学誌「Science」に米国東部時間1月20日に掲載された。
脳はニューロンと呼ばれる神経細胞からなり、各々のニューロンが、少しずつ情報を処理している。その処理結果は、ニューロン間の特殊な結合であるシナプスを介して、次のニューロンに伝えられる。
ニューロンには多くの樹状突起と呼ばれる枝分かれした線維があり、ここにあるシナプスは、樹状突起の先端部分「スパイン」と呼ばれる突出構造を介してほかのニューロンからの情報を受け取る仕組みだ。樹状突起は複雑に分岐するだけでなく、種々の「イオンチャネル」(細胞膜や内膜など、細胞の生体膜にある膜貫通タンパク質の一種で、受動的にイオンを透過させるタンパク質の総称)や「受容体」(生物の体にあって、外界や体内からの何らかの刺激を受け取り、情報として利用できるように変換する仕組みを持った構造のこと)を持つため、「どのスパインが、いつ、どんな入力を受けたのか」が、ニューロンの情報処理に大きく影響する。
ニューロンは主として樹状突起からの入力を受けるが、樹状突起上のシナプス配置のパターンについては、現在、2つの仮説が提唱されている。1つは、同期した入力(ほぼ同時刻に来る入力)は樹状突起上のある特定の箇所に集中するという「クラスター入力モデル」(仮説1)で、もう1つは、同期した入力が樹状突起全体に散在している「分散入力モデル」(仮説2)だ。
仮説1はニューロンの一部を強く活動させるためには有利とされているが、仮説2は情報のロスが少ないという利点がある。いずれのモデルが正しいのかについては、数十年来の議論の的となっているものの、これを検証するための実験技術がなかったため、これまでに明確な回答は得られていなかったというわけだ。
活動している神経細胞を観測するために現在広く利用されている手法は、「カルシウムイメージング法」と呼ばれるものだ。活動している神経細胞を検出するため、活動時に細胞内で遊離されるカルシウムイオンの存在により蛍光を発する色素(カルシウム蛍光指示薬)を用いる仕組みである。
しかし、この蛍光は微弱なため、従来の手法では強いレーザー光を当てることによって観察中に細胞が死んでしまうのを回避することができないという欠点があった。そこで今回、池谷准教授らは、抗酸化剤を用いることで死滅する細胞を減らし、また光透過性の高い光学レンズと高感度なデジタルカメラを用いるなど、多くの改良を行い、「大規模スパインイメージング法」を開発。その結果、多数のシナプスから一斉にカルシウム活動を計測することができるようになったという次第だ。
この手法をもとに、まずステップ1として海馬のスライス培養標本のニューロン内にカルシウム蛍光指示薬を注入し(画像3)、多くのスパインからの蛍光変化を高感度CCDカメラにより同時に記録することで、「どのスパインが、いつ、どんな入力を受けたのか」を調べた。
従来は数個のスパインを観察するのが限界だったが、「大規模スパインイメージング法」により、同時に数百個ものスパインからシナプス活動を計測することができるようになった。これは過去の記録を2桁更新するもので、これにより、広い範囲のシナプス活動を、時間を追って観察することができるようになったという。
シナプス活動を観察したところ、近傍のスパインがしばしば同時に活動していることが判明。統計解析を行った結果、8μm以内の近接スパインが有意に同期活動しやすいことが見出された。この現象は、世界で初めて確認されたものであるという。
この空間的に集まった同期活動を「クラスター入力」と呼ぶが、同入力は、海馬スライス培養標本のみならず、生体内の大脳皮質でも確認できたことから、海馬だけの特殊な現象ではなく、脳部位を超えて広く観察される現象であるという考えである。
なお、クラスター入力を生むためには、神経回路はシナプスレベルで正確に編まれている必要がある。観察の結果、クラスター入力を受けるスパインは、そうでないスパインに比べて大きいことが確認された。
スパインの大きさは、LTP(シナプス可塑性の一種で記憶の素過程と考えられている)を経験したかどうかに関連するほか、シナプス結合の強さとも相関していることが確認され、このことからクラスター入力はLTPの結果として生じていることが示唆された次第である。
実際、海馬シナプス培養標本を「NMDA受容体」(LTP形成に関与する分子)の阻害薬で処置して培養したところ、クラスター入力は観察されなかったとのことで、これらの結果から、クラスター入力は、NMDA受容体を介したシナプス回路の編成の結果、生じることがわかってきたのである。
そこで、LTPが樹状突起でどのような空間パターンで生じるかを、遺伝子改変動物を用いて解析したという。「AMPA受容体」はグルタミン酸受容体の一種で、グルタミン酸を用いるシナプスでは最も主要な受容体で、この受容体の数がシナプス結合の強さを決定し、学習によって増減する。また、LTPに伴ってスパインに運ばれることも知られている。
さらに、AMPA受容体とGFPが結合した遺伝子に、任意のタイミングで発現させることができる工夫を加えた遺伝子をマウスに導入して実験を行った。同マウスを、先の遺伝子を発現させないまま育て、ある時、育った環境と異なる新しい環境へ置き、500秒間自由に探索させる。すると新しい環境下において、マウスはさまざまな学習をする必要があるため脳内でLTPが発生。この実験の直前に先の遺伝子を発現させておくことで、この学習の結果起こったLTPだけを観察することが可能となる仕組みで、その実験結果(画像4)を解析したところ、互いに近いところにあるスパイン群でLTPが生じていたことが判明したという。
これはLTPが隣接したシナプスで生じやすいことを世界で初めて示したものだとのことで、今回の実験結果を、これまでの回路発達に関する知見も踏まえて考察すると、クラスター入力は3つのステップによって成立していると推定されるとの結論に至ったという(画像5)。すなわち、(1)まずはランダムに回路が作られる、(2)シナプスの要・不要が判定される、(3)不要なシナプスが削り取られるという順次過程だ。
今回発見された局所的なLTPは、ステップ2に貢献すると考えられている。その後、ステップ3の淘汰過程を経ることで、クラスター入力を生み出す回路が選択的に残るものと考えられる結論となった。
今回の研究で、同期した神経入力が互いに近傍にあるシナプスに収束することが示されたことから、脳内の情報の流れが驚くほど正確に制御されていることを示すことが判明。図2の仮説1が正しいことが支持され、数十年に及んだ神経科学界の重要な議論に1つのめどがついたといえる。
クラスター入力は、樹状突起上での非線形的な加算を促すため、「個々のニューロンが持つ演算能力を高める」ことに役立つと考えられるという。この演算能力が可塑性によって生じることから、クラスター入力は記憶・学習能に関わる基本的な生理メカニズムであると思われる。池谷准教授は、今後、認知症や統合失調症、うつ病など、記憶の変調を伴う疾患において、クラスター入力がどう変化しているかを観察していくという新たなアプローチが、精神神経疾患の病態に有益な解釈をもたらすと期待されるとコメントしている。
http://news.mynavi.jp/news/2012/01/20/105/
「マイナビニュース」1月20日(金)
●秋入学、36国立大が検討…本紙全国調査
秋入学への移行を学部で検討するかどうか、読売新聞が全国の国立大学に緊急アンケートを実施したところ、回答した73校のうち、49%の36校が検討しているか今後検討すると回答した。
東京大が呼び掛けた協議会に参加する大学は、すべて検討するとしている。
一方、秋入学を検討する予定はないとしたのは30校(41%)。7校(10%)は未定と回答した。
東北大、名古屋大などは一部の学部で、留学生や帰国生向けに秋入学をすでに導入していると回答した。
秋入学に慎重な大学は、地方の大学や教育大、医科大に多かった。理由は、「日本の社会の仕組みにマッチしていない」「教員養成課程は幼稚園から高校までの入学時期に合わせる必要がある」などが挙げられた。
「読売新聞」1月21日(土)
●秋入学移行、悩む各校 家計負担の増大が心配 国立大学長アンケート
■「桜の季節」捨てがたい
東京大学が目指す秋入学移行について産経新聞が実施した国立大学長アンケートでは、学生の就職活動への影響を懸念する意見のほかに、「入学式の桜は捨てがたい」といった声も聞かれた。
◇
入学や卒業後のギャップターム(隙間期間)が生じることで、家計への影響を懸念するのは埼玉大の上井喜彦学長だ。「グローバル化への対応として早晩必要になる」として、秋入学について賛成の立場を示した上で、「過度に家計負担が増大することがないよう、低所得者家庭に対する奨学金を充実させることなども必要だ」と指摘した。
4月から始まる大学の会計年度とのズレによる影響を懸念する声もあった。お茶の水女子大の羽入佐和子学長は「財政面や学務日程などの検討を開始した」と、大学の予算執行への影響に言及する。
企業の春採用とのギャップを心配する多くの声の中で、「サクラサク」の合格電報に代表される桜の季節の入学式を重んじる声も。
鳴門教育大の田中雄三学長は「桜の満開のころに新入生を迎えることは、日本の文化、伝統になっており、捨てがたい」との理由から、秋入学の導入に慎重な見解を示した。
一方、首都大学東京を運営する東京都の石原慎太郎知事は20日、秋入学への移行について「なかなかむずかしい。就職の問題もあるし、秋までの時間をどうやってつなぐかという問題もある。学生たちはちょっと混乱すると思う」との認識を示し、「(プロ野球の)ジャイアンツにいきそびれて、1年間遊んでいるどこかのピッチャーみたいにはいかないんじゃないかな、なかなか」と述べた。
「産経新聞」1月21日(土)
●橋下市長、市幹部に「国旗への礼」指示
大阪市の橋下徹市長は、市議会本会議場で壇上に並ぶ局長級の幹部らに対し、議場での着席時や答弁に立つ際に、国旗への礼を徹底するよう指示した。
2月議会には市立施設への国旗の常時掲揚や、市立校の教職員に国歌斉唱時の起立などを義務づける「国歌起立条例案」を提案する予定で、まずは幹部に範を示させる狙いがあるとみられる。
橋下市長は今月、「議場における国旗への礼」というタイトルで幹部らにメールを送信。「議場の席に着く時には国旗に礼をしてください」「答弁に立つときだけではなく、席につくときに1段あがるときにも」「休憩後も」などと、細かく指示を出した。
橋下市長は同条例案で、教職員に対し学校行事での国歌斉唱時の起立を義務づけるほか、市の施設では執務時間中、利用者に見やすい場所に国旗を掲げることも明記する意向を示している。大阪府議会では、橋下市長が知事時代の昨年6月に同様の条例が成立している。
「読売新聞」1月22日(日)
●桐生の小6女児自殺:いじめ訴訟 両親、校長らの証人尋問申請 市、県側「不要」主張/群馬
桐生市立新里東小6年の上村明子さん(当時12歳)が10年10月に自殺したのは学校側がいじめを放置したためだとして、両親が市と県を相手取り3200万円の損害賠償を求めた訴訟の第5回口頭弁論が20日、前橋地裁(西口元裁判長)で開かれた。両親側は、同小の校長、当時の担任教諭など計8人の証人尋問を申請した。
両親側は、学級崩壊状態に陥っていたクラスへの指導や担任教諭からの報告の内容について、校長への尋問が必要、また明子さんのクラスでの様子などについて担任教諭に尋問すべきだ、と主張した。市、県側は「証人尋問は不要」とした。
「毎日新聞」1月21日(土)
[2012.1.15]
【この頃思うこと】自分探し〜アイデンティティの確立が難しい時代。
先週末は放送大学大学院の修士論文の口頭試問で幕張に行ってました。終了後に飲み会があり「乾杯!」したということは、終わった、ということなのでしょう。さておき…。
スティーブ・ジョブズの伝記を読んでいて(まだ前巻のの途中)、あれ程の偉業を成し遂げていったスティーブ・ジョブズが、愛着やアイデンティティ確立の課題と取り組みながら、「自分が何者で、何をなすべきか?」を問い続けて生きてきたことが読み取れます。早くからエレクトロニクスへの興味関心を強く持ち、技術と美学を追究した商品開発を続ける一方で、自分探しの旅を続けました。まだお読みになられていない人にねたばらしになってはいけないので、この辺で…。
思春期・青年期は、一人の子どもが、大人として生きていく、「社会」で自立していく過渡期で、そこで獲得し、また乗り越えて行く課題の多い発達段階です。
昨日の講演会で、思春期・青年期の心性や課題、発達障害特性のある人の思春期・青年期の課題やサポートのあり方 医学モデルを中心に学び直しをさせていただきました。10年前の対応では、今のさまざまな状態や問題に対応できないことに、親や学校、支援者が気づくことがまず必要だと…。
ASD特性がある場合で二次的な精神症状を生じてしまった場合の、一般的な対応についても、親御さん向けにわかりやすく説明されていて、支援者の端くれとしては、さらに重篤なケース対応にも触れて欲しい、とも思いますが、それは講演会の主旨ではないので仕方ありません。
愛着、思春期・青年期のアイデンティティ獲得の課題を十分に乗り越えられないまま成人になられた、特にASD特性のある方が、今本当に生きづらい時代にあると改めて思います。対人相互関係性の困難さなどから、何かをきっかけとして「社会」から離れざるを得なくなった場合(とても多い)、多くの傷付きやトラウマとして抱えますし、ひきこもりなどで対人関係が限局または無い状態が続く中で、自己評価は下がるばかりですし、他者からの「社会」参入の働きかけは否定・非難的にしか受け止められなくなります。
「普通は…」、「みんなは…」、「やればできるのに…」などなど、こうした多くの「一般的」な言葉かけは、本人さんを追い詰めてしまいます(言われなくても、一番よくわかっているからです)。
困っている、悩んでいることを話してもらえる関係づくり、その気持ちを受容的にしっかり聴く、解決できることから解決していく、努力していることを認め褒める…。時間をかけて、自己評価を上げてもらえる関わりを、家族以外の第三者(一人でも複数でもOK)とあきらめずに続けること、ご家族も関わり方や特性理解、メンタルケアのサポート(必要な場合)を受けることが不可欠でしょう。
今の日本社会は、複数のハンディを持つ方が生きていくことは、半端なく困難な時代です。サポートを受けられる対象とつながることを遠慮しないで欲しいと思います。社会保障はそのためにあるのですから…。
それでは、最近の気になる記事です。
自殺者14年連続3万人超=昨年は3万513人―被災3県は減少・警察庁
昨年1年間の自殺者数(速報値)は、前年比3.7%減の3万513人と、14年連続で3万人を超えたことが10日、警察庁のまとめで分かった。東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島の3県ではいずれも減少した。
同庁によると、男女別では男性が2万867人、女性が9646人。月別では、5月が3367人と最多で、次いで6月が3029人。それ以外の月は2000人台だった。
都道府県別では、東京と滋賀を除く、東北、関東・甲信越、関西、中国各地方の全府県で減少したが、愛知、愛媛、福岡、宮崎、沖縄など12都県で増加した。
減少幅が大きかったのは大阪(171人減の1899人)や北海道(95人減の1438人)など。増加した中では、愛知(59人増の1630人)、福岡(51人増の1310人)、愛媛(28人増の369人)が目立った。
「時事通信」1月10日
●東電、1200億供託へ…福島第一の無保険回避
東京電力福島第一原子力発電所の保険契約問題で、東電は保険金額と同額となる1200億円を法務局に供託する方針を固めた。
東電は海外保険大手と新たな損害保険契約を結ぶ方向で交渉していたが、条件面などで交渉が難航し、現在の保険が満期となる15日までに契約できるメドが立たなくなったためだ。
原子力損害賠償法(原賠法)は無保険状態での原発の運転や廃炉作業を禁じている。福島第一原発については、損保各社で作った「日本原子力保険プール」が保険を引き受けていたが損保各社が契約更新を拒否したため、東電は新たな保険の引受先を探していた。
「読売新聞」 1月10日
●君が代起立斉唱、大阪府教育長が職務命令へ 今春卒業式
大阪府教育委員会は、君が代の起立斉唱を義務づける府条例を踏まえ、府立学校の教職員約1万人を対象に教育長名で起立斉唱を求める職務命令を今月内に出す方針を決めた。職務命令は毎年数人程度に出していたが、今回は式典会場に入るすべての教職員を対象とする。近年の府立学校の卒業式では毎回60〜80人程度が起立しないため、命令違反に基づく処分者が急増する可能性もある。
府の君が代条例は、橋下徹前府知事が率いる大阪維新の会が府議会に提出し、昨年6月に成立。小中高校などの学校行事で演奏される君が代について「教職員は起立により斉唱を行うものとする」と定めている。
君が代斉唱をめぐる職務命令はこれまで、各校長が事前に不起立を表明していた教職員のみを対象に出していた。しかし、府教委は条例成立後で初の卒業式シーズンを前に、条例順守を求める姿勢を示すため、教育長が一律的に命令を出すことにした。職務命令に反して起立を拒めば、地方公務員法に基づき懲戒や訓告などの処分対象となる。
「asahi.com」2012年1月13日
●福島の子ども 傷つく心 転園・転校余儀なく ケア態勢急務
「家族や周囲の大人に見守られているという安心感を与えたい」。仮設住宅を回り、避難者の子どもに声を掛ける高田さん=7日、福島県三春町
福島第1原発事故で避難を余儀なくされた福島県の児童、生徒の心的ストレスが深刻化している。生活環境の変化が重圧になり、不登校になる子どもも少なくない。専門家は「行政、教育、福祉機関が連携して心のケアを図る態勢を築くべきだ」と指摘している。
ある小学校の男子児童は原発事故後、不登校になった。双葉郡内に住み地元の学校に通っていたが、原発事故で避難し、住まいを転々とした。最終的に県中地方の仮設住宅に家族と移り、現地の学校に転入した。
転入先の学校になじめず、仮設住宅にこもりがちになった。学校に「外に出るのが怖い」「母と離れたくない」と心境を明かしたという。
郡山市のスクールソーシャルワーカーの高田宣実さん(69)が派遣され、児童と話し合いを重ねた。原発事故で職を失って家にいる母親と一緒にいたい気持ちが影響していることが分かり、就労機会をあっせんする公的制度を紹介した。母親は仕事を見つけて働き始め、それに合わせるように児童も学校へ通うようになった。
原発事故で地元を離れ、他地域に転園、転校した県内の幼稚園児と小中学生、高校生は昨年9月現在、計1万8368人に上る。うち1万1918人は県外に行き先を求めた。全校生徒300人の3分の2が、避難に伴って県内外の学校に転出した中学校もあるという。
転居、転校による生活環境の変化が子どもに重圧となってのしかかり、心的負担を増大させる。
福島大人間発達文化学類の鈴木庸裕教授(学校福祉学)によると、小学校低学年の児童の中には原発事故後のストレスで親に甘える「幼児返り」がみられる子どもがいる。高学年も放射能対策で外遊びが制限されるなどしてストレスをため込む傾向がある。
スクールソーシャルワーカーは学校と連携して子どもの心のケアに取り組む。原発事故後、福島県はワーカーを8人から18人に増やした。行政や福祉機関の協力も得て、生活環境の変化に翻弄(ほんろう)される子どもを支援している。
鈴木教授は「子どもを見守ってきた地域の人間関係や家庭が原発事故で分断された。大人が連携していかなければ、子どもの問題に対応しきれない」と話している。
「河北新報社」2012年01月10日
●職安法違反:原発に不正派遣 工藤会系組長の妻らを逮捕
福岡、福井両県警は12日、福井県おおい町の関西電力大飯原発改修工事に労働者を「偽装請負」で不正派遣したとして、福井県敦賀市、太平電業福井地区営業所長(当時大飯事業所長)、一瀬秀夫(58)▽京都府舞鶴市、高田機工社長、富田好(59)▽北九州市若松区、ドリーム(当時総進工業)役員、池上加奈枝(36)の3容疑者を職業安定法違反容疑で逮捕した。
両県警は、労働者の派遣元となった総進工業の役員だった池上容疑者が指定暴力団工藤会(北九州市)系組長の妻と確認しており、原発への労働者派遣が工藤会の資金源になったとみている。原発関連工事への労働者派遣を巡って暴力団の関与を視野に入れ強制捜査するのは極めて異例。全国の原発労働のあり方に影響を与える可能性もある。
逮捕容疑は10年3月上旬〜9月下旬、請負契約を装って総進工業社員の男性を大飯原発の改修工事に従事する労働者として派遣し、男性を太平電業の指揮下において改修工事に従事させたとしている。3人とも容疑を認めているという。
福岡県警などによると、総進工業と高田機工、高田機工と太平電業の2段階で請負契約を装っていた。請負契約を結んだ業者は、発注者の太平電業から独立して業務を行わなければならないが、派遣された男性は太平電業社員の指揮下で配管の取り換え工事などに従事しており、両県警は実態は現場に送り込まれただけの派遣労働とみている。同様に不正派遣された労働者が複数いるとみられ、「偽装請負」が常態化していた可能性があるという。
原発労働を巡っては、複数の派遣会社の介在による給料の中間搾取が問題視されており、労働者の派遣元として暴力団の関与も指摘されている。福島第1原発の事故処理についても、発注者である東京電力は警察庁から暴力団との関係遮断を指導されており、昨年7月には元請け業者22社と暴力団排除協議会を設置している。太平電業は1947年設立で資本金約40億円の東証1部上場企業。全国各地で原発の建設や補修を行い、福島第1原発の事故処理にも当たっている。11年3月期決算の売り上げは約618億円。
「毎日新聞」2012年1月13日
●訪問リハビリの単独開業を容認=被災地の医師不足を考慮―厚労省
厚生労働省は14日、心身が衰えた高齢者向けの介護保険サービスの「訪問リハビリテーション」について、東日本大震災の被災地に限り、事業所の開業基準を緩和することを決めた。現行は病院や診療所への併設でなければ開業できないが、被災地では医師不足で診療所の閉鎖が相次いでいることから、特例で単独開業を認める。これにより、被災地の高齢者がリハビリを受けられずに要介護度が重くなるのを防ぐ。
訪問リハビリの単独開業の対象は、昨年12月に成立した復興特別区域(特区)法が適用される11道県の計222市町村。単独開業は省令改正により、申請のあった地域ごとに今月以降順次認める。
「時事通信」1月15日(日)
●30年後でも…加藤登紀子「原発が止まるのを見届けたい」
東京電力福島第1原発事故をきっかけに「原発のない未来」を話し合う「脱原発世界会議」が14日、横浜市のパシフィコ横浜で開催された。以前から脱原発を呼び掛けてきた歌手の加藤登紀子(68)やロックバンド「LUNA SEA」のギタリストSUGIZO(42)がライブを実施。加藤は「私が生きているうちに原発の運転停止を見届けたい」と切実に訴えた。
ライブ会場となった会議室には200人以上が詰めかけ熱気に包まれた。加藤は72年に第1子となる長女を出産した直後に作った「この世に生まれてきたら」と「おまえの人生」をギターで弾き語り。命の尊さなどを歌った楽曲で、くしくも前年の71年には福島第1原発が運転を開始。「原発は今(運転を)止めても廃炉までに30年はかかる。できれば私が生きているうちに、原発が止まるのを見届けたい」と切々と語ると、拍手が湧き起こった。
40分間のライブを締めくくった6曲目は、東日本大震災発生直後の昨年3月16日に作った「今どこにいますか」。ステージ上の大型モニターには被災地を訪問した際の写真などが映し出され、会場のあちこちでハンカチで涙をぬぐう姿が見られた。加藤も声を詰まらせ「とても大事なことを教えられたのが3月11日だった。みんなが一生懸命、自分を大切にして生きれば、世界は変わります」と呼び掛けた。
40年以上前から反核、反原発を訴え、昨年11月に設立された「脱原発をめざす女たちの会」にも参加。今回の出演オファーも「昨年もいろんな形で一生懸命やったけど、時代はなかなか思うようには動かない。年が変わってきょうという日は重要な日と思い、何か協力したいと思いました」と快諾した。
昨年は福島県飯舘村での集会に参加し被災者を激励するなど精力的に活動。「沈没していくタイタニック号の上で演奏し続けた音楽家のことをふと考えるんです。どんな事態でも居合わせた人たちに対して何ができるのかということと、自分が生きる中で最大限頑張ろうということ」
脱原発世界会議には約30カ国から原子力の専門家らが参加し、5000人以上が来場。「抱えきれない不安もみんなで共有すれば希望に変わる。原発はタイタニックとは違い、沈没せずに止めることができるんです」と力強く話した。同会議は15日も開催される。
「スポニチ」2012年1月15日
●発達障害将来を悲観…長男殺害初公判被告、犯行前に心中図る
昨年1月、自宅で発達障害のある長男(当時4歳)を殺害し、長女(同6歳)も首を絞めて殺そうとしたとして、殺人と殺人未遂の罪に問われた清瀬市、無職の女性被告(36)の裁判員裁判の初公判が11日、地裁立川支部(毛利晴光裁判長)であり、被告は、「間違いありません」と起訴事実を認めた。
公判は、被害者である長女への影響を配慮した裁判所の判断で、被告の実名は伏せて進められた。
冒頭陳述で、検察側はまず犯行の約1年前に、長男に軽度知的障害と広汎性発達障害があると知ってから、その将来を悲観して思い悩むようになった経緯を明らかにした。犯行の約3週間前には、長男や長女を道連れに自殺しようと家出し、自殺を思いとどまった後、被告の夫や双方の両親が心配して気にかけるようになったが、「自分が思い悩んでいる状況を相談することはなかった」と述べた。
また、犯行後、被告と被告の夫、双方の両親で話し合い、被告の夫が翌日事故死を装って110番通報することを決め、実行したことも明かした。
一方、弁護側は、「思い悩んだ末の犯行で、深く後悔している」と述べた。さらに、長女や夫が、再び被告と共に生活することを望んでいることを挙げ、「長女の健全な育成を考えれば、家族の元に返すのが最もふさわしい」として、社会生活を続けながら更生できるよう、執行猶予付きの判決を求めた。
「読売新聞」2012年1月12日
●67歳、仮設から大学へ 精神保健福祉士めざし合格
宮城県気仙沼市の仮設住宅で暮らす67歳の太田初子さんが、東京福祉大学(群馬県伊勢崎市)の推薦入試に合格した。震災では津波にのみ込まれながらも一命を取り留めた。「精神保健福祉士になり、震災で傷ついた人たちを支えたい」と勉学に励んでいる。
気仙沼中学校の校庭にある仮設住宅。太田さんは、間取り1Kの部屋で小さなコタツに教科書を並べ、毎日、英語の勉強をしたり新聞を読んだりしている。
気仙沼市出身で、家の経済的な理由から中学を卒業して群馬県の家電メーカーに就職した。転機は20歳で結婚した夫の順啓さんをがんで亡くした2007年。入院中の父の世話で気仙沼に帰った時に気仙沼高校定時制の生徒募集を新聞広告で知り、移り住んだ。
「asahi.com」2012年1月14日
[2012.1.3]
【この頃思うこと】「子どもの権利条約」の柱の一つ:意見表明権を阻む「不安」。
新年あけましておめでとうございます。
今年最初の更新となります。週末の7日に、修士論文の口頭試問があるため、そのプレゼンデータ作成を昨夜から再開していて、15分の発表に64頁ものスライドを用意してどうするんだ?状態になっています。
さて、今回の本題です。
修論の中でも、ASD特性のある方で「定型」と言われている社会に「適応」(?)困難な状態になっている方の原因の大きなものとして「言い知れぬ不安」を何度か指摘しました。基本的信頼感が獲得できない状態を生きる上で、様々な言動にブレーキを自らかけるのはこの「不安」だと思うからです。ASD特性のある方に限らず、何らかの「不安」を一定レベルで抱えていると、ポジティブに行動することはできないのではないでしょうか。
ドイツ強制収容所における自らの体験を記述したV.E.フランクルの『夜と霧』(1961)では、人としての究極の不安、失望、劣等感、無力感、「絶望との闘い」がリアルすぎるほどに描かれている。その追い詰められていく「内面的生活の崩壊の究極的な理由」を「もはや内面的な拠り所を持たなくなった人間のみが崩壊せしめられた」、その「内面的な拠り所とはどこに存するべきであり、どこに存し得るのであろうか? これいまやわれわれの問題なのである」…。捕虜として命の保証もない、期限のない拘束状態の中で、人は物(意見)言わぬ状態になってしまう。
子どもの意見表明権がなぜ大切か、(子どもだけではなく大人においてもその大切さは同じだが、そのすべを子どもより多く持っている人が多いだけだが)意見を表明しないのではなく、表現できない環境に置かれていることに着目すれば、その解はわかりやすくなると思います。
紛争地域、貧困、政治体制や軍部などによる管理・統制(学校社会も含まれますね)、身分や地位などによって、「不安」は常態化し、精神は無力化し、物言わぬ子どもとならざるを得ません。国連が日本政府に対して3回の勧告で指摘してきた内容は、この意見表明権を阻害する要因につながっている、と読み取ることができます。
生後すぐに始まる「主たる養育者」との愛着、そこから形成されていく(人に対する)基本的信頼感、「安全基地」を持ちながらのアウェイでのトライ、他者のマネをしながら「自分も(で)やりたい」という意欲、できた時の小さな達成感の積み重ねや他者からの評価…。そして思春期・青年期におけるアイデンティティーの確立を乗り越えて、自己を肯定的に評価しつつ、他者を思いやれる人格形成を進める上で欠かせないのは、やはり「安心感」です。
「安心感」のない環境では、人は意見を言わなくなっていきます。欧米では「自分の意見を言える」ことが尊重されるのに比べ、日本では「周囲との協調性、コミュニケーション力(?)」(=長いものには巻かれろ)が依然大切にされ、個性的であることや自由に意見を言うことは「反社会的」でもあるかのような扱いをされる状態が続いています(これでは民主主義社会とは言えません)。子どもの意見表明権が保障されているか否かは、「個人」尊重のバロメーターであるという視点が大切だと思います。
以下、子どもの権利条約と意見表明権について参考までに簡単に解説しておきます。
児童の権利に関する条約は、1959年に採択された「児童の権利に関する宣言」(総会決議1386(XIV))の30周年に合わせ、1989年11月20日に国連総会で採択された国際条約である。1990年9月に発効し、日本は1994年4月に批准し同5月に効力が発生しました(世界158番目)。
(日本語訳)第12条
1 締約国は、自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する。この場合において、児童の意見は、その児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮されるものとする。
2 このため、児童は、特に、自己に影響を及ぼすあらゆる司法上及び行政上の手続において、国内法の手続規則に合致する方法により直接に又は代理人若しくは適当な団体を通じて聴取される機会を与えられる。
<日本政府に対する最終所見>
2008年4月22日、予定から約2年遅れで、外務省は第3回政府報告書を国連に提出。 2010年5月27.28日、第3回の政府報告審査会が行われる。同年6月20日、国連子どもの権利委員会は、日本政府に対し最終所見を提出(政府訳http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jido/pdfs/1006_kj03_kenkai.pdf)。
第3回最終所見では、 「50. 日本社会における家族の価値が恒久的な重要性を有していることを認識しているが,委員 会は,親子関係の悪化に伴って,児童の情緒的及び心理的な幸福に否定的な影響を及ぼし,その結果,児童の施設収容という事態まで生じているとの報告に懸念を有する。委員会は,これらの問題が,高齢者介護と若者との間に生じる緊張状態,学校における競争,仕事と家庭を両立できない状態,特に,ひとり親家庭に与える貧困の影響といった要因に起因している可能性がある問題であることに留意する。 51. 委員会は,締約国が,子育ての責任を果たす家族の能力を確保できるように男女双方にとっての仕事と家庭の間の適切な調和を促進すること,親子の関係を強化すること,及び,児童の権利に関する意識を啓発することなどにより,家族を支援し強化するための措置を導入することを勧告する。 60. 委員会は,著しい数の児童が情緒面での健康状態が低いとの報告をしていること,また両 親や教師との関係の貧しさがその決定要因となっている可能性があることを示すデータに留意 する。 66. 委員会は,財政経済政策(労働の規制緩和や民営化戦略等)が,賃金削減,女性と男性の賃金格差及び児童の養護・教育支出の増加により,親,特にシングルマザーに影響を与えていることを懸念する。」 と指摘されています。
※条約の日本語訳2種類(政府訳と国際教育法研究会訳)は
「子どもの人権連」
http://www.jinken-kodomo.net/zyoyaku.html
「子どもの権利のための国連NGO DCI日本支部」(私も京都支部に関わっています)
http://www.dci-jp.com/crc.html
などのサイトから。
2006年12月13日、国連で障害者権利条約が採択されました。今後この条約の日本「批准」へ向けて、どういう取り組みをすべきか。物言う(代弁者がきちんと代弁する)障害のある人が人として輝く社会を築いて行けるかどうかが問われています。子ども、高齢の人、障害のある人、病気の人にとって「優しい社会」は、すべての人に「優しい社会」ですから…。
それでは、最近の気になる記事です。
保安検査官逃げ回り・東電は子会社任せ…事故調
原発の監視を担う原子力安全・保安院の原子力保安検査官や、事故対応の責任を担う東電が、役割を十分に果たせなかった実態も、中間報告で明らかにされた。
報告書によると、東電の事故対応を指導監督する立場の検査官は3月12日早朝、4人全員が現場を立ち去り、約5キロ離れた対策拠点のオフサイトセンターに戻っていた。放射線量の上昇により、屋外の防災車の搭載電話が使えなくなったのが理由とするが、中間報告は「東電の回線など他の手段で状況報告は可能だった」とみている。
13日朝には、海江田経済産業相から炉心への注水状況を監視するよう指示を受け、検査官4人が原発に入った。だが、対策本部のある免震重要棟の一室に閉じこもり、東電社員から資料を受け取るだけだった。14日午前11時過ぎには、3号機が水素爆発を起こしたため、身の危険を感じ、同日午後5時頃、上司の明確な了解がないまま同センターに引き揚げた。
菅首相が東電本店に乗り込み、東電社員に「逃げてみたって逃げ切れないぞ」とまくしたてたのは翌15日早朝。その前に検査官らは退避を終えていた。事故調関係者は「検査官は職責を果たさず逃げ回っていたも同然だ」と批判する。
一方、原子炉の冷却で重要な役割を果たしたのが東電の子会社だったことも分かった。
吉田昌郎所長(56)は3月11日夕、全電源喪失の事態を受け、1、2号機への消防車による炉内注水を検討するよう指示した。だが、消防車の活用はマニュアルになく、同原発の「発電班」「技術班」などはどこも自分の担当と考えなかった。
同日深夜、1号機の危機的状況が分かり、12日未明、消防車による注水を準備した。しかし、消防車を操作できる東電社員はおらず、下請けの子会社に頼らざるを得なかった。東電社員の「自衛消防隊」もあったが、ホースの敷設なども当初は子会社社員だけで行った。
「読売新聞」12月27日(火)8時14分配信
●原発事故 人災で拡大 運転員、非常冷却経験なし
福島第一原発事故をめぐり、国の事故調査・検証委員会(委員長・畑村洋太郎東京大名誉教授)は二十六日、多角的に事故原因を検証する中間報告を公表した。非常用ディーゼル発電機のほか配電盤も地下にあったため津波で水没し、全交流電源喪失を招いたと指摘。吉田昌郎(まさお)所長(当時)ら東京電力側が、原子炉に注水して冷やす非常用装置が稼働していると誤認して代わりの冷却手段の準備が遅れ、被害が拡大した可能性があると述べた。
東電や首相官邸内の情報伝達の混乱や津波への備えの甘さ、避難指示の遅れなど、「人災」の側面にも言及。原子炉の重要設備が地震で壊れた跡は確認できないとして、地震が直接事故につながったとの見方は否定した。今後、菅直人前首相ら当時の閣僚らから聴取し、来年夏に最終報告をまとめる。
中間報告によると、1〜2号機は三月十一日、非常用発電機や配電盤が浸水し、交流と直流の全電源を喪失。3〜4号機も配電盤が水をかぶるなどして全交流電源を失った。
このため、最初に水素爆発を起こした1号機では、電気を使わずに、原子炉の水蒸気を冷やして水に戻し再び原子炉に入れる非常用冷却装置(IC)で冷却しようとした。
ICに蒸気を送る配管の弁は、電源が失われると自動で閉まる仕組み。この時も弁は自動で閉まったが、ICを作動させた経験のある運転員はおらず、こうした仕組みを十分理解していなかった可能性が高い。弁は開いたままで、冷却が続いていると誤認、代わりの注水の準備が遅れた。
その間に圧力容器内の圧力は上昇。代替手段での注水も難航し、ICが機能不全に陥ってから、継続的に注水できるようになるまでに十四時間を要した。その結果、空だきとなった1号機は同日夕に炉心溶融(メルトダウン)し、翌日には建屋が水素爆発した。中間報告は「原子力事業者として極めて不適切であった」と東電の対応を厳しく批判した。
3号機は十三日未明までは冷却が続いていたが、原子炉の蒸気の力でポンプを動かして炉に冷却水を送る装置(HPCI)を、運転員が手動で停止した。蒸気が弱くなり、過熱した設備が壊れると恐れたためだった。
運転員は炉の圧力を減らす弁を遠隔操作で開けた上で、消火用のディーゼルポンプによる注水に切り替えようとしたが、弁は開かない。このため水が入らず、注水が七時間近く途絶えた。発電所幹部らはHPCIの手動停止を知らなかった。
中間報告は、1、3号機とも誤った認識により注水が長時間止まり、危機的な状況を招いたことを重視。「より早く別の手段で注水すれば、炉心損傷の進みを遅らせ、放出された放射性物質の量を減らせた可能性がある」と指摘した。
政府の対応が後手に回ったことも問題視。放射能の拡大範囲を予測するシステム(SPEEDI)を住民の避難指示に生かせなかった点や、現地の対策拠点となるオフサイトセンターが機能しなかったことを批判した。
「東京新聞」2011年12月27日
●「核廃絶宣言」を可決 「非核平和宣言」存在する石垣市
石垣市議会(伊良皆高信議長)は27日、「原発に頼らない社会を実現する」などとする「石垣市核廃絶平和都市宣言」を与党の賛成多数で可決した。既に「非核平和都市宣言」が存在していることや、市教育委員会が採択した育鵬社版公民教科書が原発推進の論調であることと整合性が取れないとして、野党9人は賛成しなかった。
育鵬社版公民教科書との整合性について、中山義隆市長は核廃絶平和都市宣言が可決されたことを同社に伝え、福島第1原発事故後の情勢を反映するよう求める考えを示した。玉津博克教育長は「文言の訂正があることも考えられる。4月以降検討したい」と述べた。
核廃絶平和都市宣言は「人類の存在を脅かす核兵器の開発につながる一切の核実験の禁止を切望」と求めると同時に、原発に頼らない社会の実現を目指すことを訴えた。
1984年3月に制定された非核平和都市宣言は、憲法の精神に基づく非核三原則の完全実施を求めている。それに対し、核廃絶平和都市宣言は石垣市民を主語として平易な文章となっているが、非核三原則や憲法順守に関する記述はない。
宣言案に賛成した与党側は「今回の宣言は石垣市民が主体性を持って受け止められることができ、一切の核実験の禁止を盛り込んだのは一歩踏み込んだと理解できる」としている。
「琉球新報」2011年12月28日
●給与カット前に…大阪市バス121人が退職希望
大阪市交通局で市バスの運行業務に携わる職員のうち、来年3月での早期勧奨退職希望者が、前年同期比15倍の121人に急増していることがわかった。
橋下徹市長は、運転手の給与を民間並みに抑える意向を表明しており、給与カット前に退職を早めた職員が多いとみられる。
うち市バスの運転手は80人に上り、交通局は「運転手の急減で勤務が回らない」として、勤務を続ける運転手に月1、2回の休日出勤を求めることを決めた。
市は早期退職を促すため、勤続25年以上か50歳以上であれば、3月末と9月末の年2回に限り、退職金を加算する制度を2007年度に導入。交通局ではさらに、今年度と来年度に限り早期退職の対象年齢を45歳以上に拡大。退職金の加算率も、通常の20%から30%(50歳で退職した場合)に増やすなどの特典を設けた。3月末退職の場合、申請期限は前年の12月末。
「読売新聞」2011年12月27日
●女性教諭、過労死と認定 地方公務員災害補償基金 京都
■時間外勤務、月90時間超す
亀岡市の自宅で平成21年11月、仕事中に脳幹出血で死亡した京都市立御所南小学校(中京区)の教諭、大西春美さん=当時(53)=について、地方公務員災害補償基金京都府支部(支部長、山田啓二知事)が過労死と認定していたことが27日、分かった。認定は12日付。
◇
同基金によると、12〜21年度の10年間で、府内の義務教育学校の教員が脳や心臓の疾患により死亡し、公務災害と認定された例は3件しかないという。
公務災害認定通知書などによると、同小は18年度から京都市小中一貫教育特区の認定を受けており、大西さんは2年の学年主任のほか、学習指導要領などの研究主任を務めていた。
休日の21年11月1日、朝から自宅で研究発表の資料作りを行っていたが、翌2日午前1時50分ごろに倒れ、同日朝、搬送先の病院で死亡した。同基金は、死亡までの過去2カ月間の時間外勤務時間が1カ月あたり90時間を超えていたことなどから、公務と死亡との間に因果関係があると判断した。
大西さんの夫、修さん(55)は「妻が身を犠牲にして教育に取り組んでいたことが認められた」としながらも、「他の小学校よりも業務負担の大きい認定校だからこそ、教員を支える十分な体制を整えてもらえなかったことは残念」と話した。
市教委は「認定を重く受け止め、教職員の健康の保持、増進に努めたい」とコメントした。
「産経新聞」12月28日(水)7時55分配信
●死んだハチ食べさせられそうに…大津の中学 また起きた陰惨いじめ
大津市のマンションで今年10月、住人で市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が転落死した。滋賀県警大津署は自殺の可能性が高いとみている。学校側は当初、「いじめは把握していない」としていたが、その後、生徒から聞き取り調査をした市教委は、男子生徒が死亡の約1カ月前から同級生に殴られたり、死んだハチを食べさせられそうになったりするいじめを受けていたことを明かした。陰惨ないじめはなぜ起き、学校側はなぜ見過ごしていたのか。
■「いじめられるタイプでない」
男子生徒が転落したのは大津市内の14階建てのマンションで、男子生徒が通っていた中学校までは約100メートルしか離れていない。10月11日早朝、滑り台やブランコなどがある敷地内の広場であおむけで倒れているのが見つかり、間もなく死亡が確認された。
遺書は見つかっていないが、大津署は、男子生徒は最上階から飛び降り自殺した可能性が高いとみて捜査。この時点ではいじめの事実は確認されていなかった。
第1発見者となったマンションの管理人の男性は「ほかの住民から『バーンという大きな音がした』と聞いて、急いで広場に出てみたら男子生徒があおむけで倒れていた」と振り返った。すぐに119番通報し、心臓マッサージを試みたが、すでに意識はなかったという。男子生徒は道などで会うとあいさつしてきたといい、男性は「亡くなったのは本当に残念」と言葉を詰まらせた。
マンション周辺の住民にも衝撃は広がった。近くに住む無職の女性(80)は「この近辺で転落死なんて聞いたことがない。何があったのか」と驚いた。近くの40代の女性も「男子生徒は真面目そうな感じだった。友人2、3人と、コンビニで買い物をし、遊びに行くところをよく見かけていた。友人がいないということはなかったと思う」と話した。
男子生徒が通っていた中学校の校長(58)によると、男子生徒は卓球部に所属し、部活動には精力的に取り組んでいた。同じクラスの数人と特に仲がよく、友人宅に泊まりに行ったりふざけたりして、ごく普通の学校生活を送っていたという。
校長は、市教委がいじめの事実を公表する前、男子生徒について「(死亡したことは)非常に残念で言葉が出ない」としたが、「孤立している様子はなく、いじめられそうなタイプには見えなかった」と述べていた。
■いじめの噂はあった
男子生徒の死亡原因がわからないまま約3週間が経過した11月2日。大津市教委は、市役所で緊急記者会見を開き、男子生徒が死亡する前、校内でいじめを受けていた事実を明らかにした。
市教委は10月17〜19日に全校生徒859人を対象に文書でアンケート。約8割の生徒が回答し、この中に転落死した男子生徒に対していじめが行われていたとの記述があったため、生徒たちに直接聞き取りを始めた。
その結果、男子生徒が死亡の約1カ月前から、同級生数人に殴られたり、ズボンをずらされたりするいじめを受けていたことが明らかになった。ほかにも、死んだハチを食べさせられそうになる▽腕で首を絞められる▽昼食のパンを食べられる−などの行為があったことがわかった。
こうしたいじめを行っていた数人の同級生は、聞き取りに「ふざけていただけで、いじめていたわけではない」と話したという。
死亡した男子生徒の担任の男性教諭は9月以降、「男子生徒がいじめられている」との噂を別の生徒から聞いており、10月1日と5日に実際に、男子生徒が同級生とけんかしているような光景を目撃。死亡した男子生徒に直接「いじめられているのではないか」と問うと「大丈夫。同級生と仲よくしたい」と答えたため、それ以上は調査しなかったという。
また、学校側も9月に、父親から男子生徒の金遣いについて2回にわたり相談を受けたが、父親が「息子には言わないでほしい」と話したことから調査をしなかった。
記者会見した市教委の葛野一美・教育部次長は「担任の教諭はいじめの兆候に気付きながら、男子生徒の『大丈夫』との発言をうのみにしてしまった。市教委としても責任を感じている」としながらも、「転落死との因果関係は分からない」とした。
一方で、「学校側の調査には限界がある」とし、いじめについてこれ以上調査しないとした。
■本当に限界?
男子生徒の死が自殺と断定されたわけではない。いじめが原因で死亡したのかも不明だ。転落死したマンション周辺では、子供たちがボール遊びをするなど、日常の風景が戻っている。
しかし、男子生徒の衝撃的な死と、陰惨ないじめを受けていたという事実は、関係者だけでなく、住民にも癒えない傷を残した。
マンション近くを通りかかった主婦(55)は「自分の子供もいじめで不登校になったことがある。いじめられている子は自分から相談しにくい。保護者や学校が事前にきちんと理解して支えてあげるべきだったのではないか」と話す。
大津市教委はいじめの事実を発表した後、再発防止策として、市立小中学校の臨時校長会で児童、生徒の少しの変化も見逃さないよう求め、学校と家庭の連携強化に努めることを決めた。
だが、その発表からちょうど2週間後の11月16日、大津市と隣接する滋賀県高島市の市立中学校で逮捕者が出る「いじめ事件」が起きている。男子生徒を全裸にさせ、携帯電話で撮影したうえ、排泄(はいせつ)物を持たせたなどとして、県警が、強要と暴力行為処罰法違反の疑いで、同級生の3年の男子生徒3人を逮捕したのだ。
大津地検は強要と暴力行為処罰法違反の非行事実で3人を家裁送致。大津家裁はうち2人については別の傷害の非行事実も含めて審理し初等少年院送致と決定、もう1人を保護観察処分にしている。
この事件でも校長が、今年6月に加害生徒3人のうち2人が被害生徒をたたくなどしていたことを把握しながら、「いじめと認識していなかった」としている。
大津市教委がいじめ調査を打ち切ったことに、転落死があったマンション近くに住む主婦(50)は「保護者や生徒がよくわからないままではよくない。市教委はもっとしっかりと調査すべきだ」と訴える。市教委がいうように本当に「学校の調査には限界がある」のだろうか…。
「産経新聞」2011年12月29日(木)