おすすめ仏教書 2012.1.14現在
- 入門編
- 『日々是修行』 佐々木閑著 ちくま新書 735円
朝日新聞夕刊に連載された仏教にまつわるコラム集。教義も宗派も関係ない、ストレートな仏教観で書かれています。
- 新潮文庫 『日本仏教史』 末木文美士 620円
日本の仏教思想、とりわけ本覚思想を取り扱って、必読。
- 『仏教入門』 松尾剛次著 岩波ジュニア新書 735円
日本中世史の仏教が専門の松尾氏による、中高生向けの入門書。
ですます調の文体が丁寧ながらも、活き活きとした内容で読みやすい仏教史書。
とりあえず仏教[思想]史を俯瞰・整理されたい方には是非ともおすすめです。
- 『仏教の思想 1-12』 梅原猛・上山春平ほか 角川文庫ソフィア 840円
30年も前の本であるにもかかわらず、仏教教養書としてこれを超えるシリーズはまだ出ていないと言えます。
- 『須弥山と極楽 −仏教の宇宙観−』 定方晟・著 講談社現代新書 660円
この本も四半世紀を経てまだ版を重ねるロングセラー。
- 仏教学編
- 中観
- 講談社文庫・中村元『龍樹』1470円。中論の全訳を収録しているロングセラー。
- 石飛論理学から入るなら、石飛道子『龍樹と語れ!』2415円。瓜生津隆真『龍樹 空の論理と菩薩の道』3150円から入るのが普通のおすすめですが。
- 唯識
- NHKライブラリー・横山紘一『やさしい唯識』966円。文体もことばも「やさしい」けれど、内容は「唯識」です。
- もう一冊は太田唯識の入門書、太田久紀『唯識の読み方』3885円。いずれがよいかは、読み手しだいと思います。
- 経典編(お経の順番に意味はありません。順不同です)
- 般若心経
- 般若心経という経典が仏教入門の書のように誤解されているので、そうした意味ではおすすめはありません。
- おすすめ(?)は半世紀ほど前に大法輪に連載された上野陽一『たれにもわかるハンニャ心経』ですが、もう絶版で手に入りません。
- 『般若心経大成』をものされた榛葉元水の『般若心経物語』も半世紀前の本で、入手できません。
- 田久保周誉『般若心経解説』(改題されて『解説 般若心経』)も入手できません。
- 金岡秀友『般若心経』講談社学術文庫945円はおすすめです。
- 渡辺章吾『般若心経 テクスト・思想・文化』3150円は、心経について網羅的に紹介しています。
- 般若心経中国撰述説にも検討を加えた原田和宗『般若心経成立史論』8925円は、興味があればどうぞ。
- 華厳経
- 華厳経は長大なお経です。般若心経みたいに5分そこそこで読めるものではありません。読誦用の経本もありません。
(東大寺から華厳宗の勤行の経本が発行されていますが、薄いものです)
- 全部読みたい方は『口語全訳 華厳経』江部鴨村45,875円を。
- さわりだけなら『華厳経をよむ』木村清孝、『和訳 華厳経』鎌田茂雄、あるいは西本照真『「華厳経」を読む』ですが、いずれも絶版。
- 善財童子の修行を描いた「入法界品(にゅうほっかいぼん)」は、山辺習学『華厳経の世界』(旧題「人生修行の旅」)や海音寺潮五郎『人生遍路 華厳経』2100円などがあります。
- 「十地品」は、中公文庫の『大乗仏典8 十地経』2100円で読めます。
- 維摩経
- 維摩経は比較的短いお経ですが、読誦用の経本はありません。
- 手ごろな漢訳テキストが現在ないのが痛いです(深浦正文『漢和対照 維摩経』其中堂刊は絶版、新国訳大蔵経(高崎直道訳10290円は少し高価)。どこか文庫で出して欲しいものです。
- とりあえずは、中公文庫『大乗仏典7 維摩経』長尾雅人訳1800円。これはチベット訳の維摩経を現代語訳したもの。
- 大正大学調査団が発見した梵文テキストによる『梵文和訳 維摩経』2520円。
- 解説書は長尾雅人『「維摩経」を読む』がいいのですが、岩波で品切中。
- そこで、読みやすいのは、梵文発見後に出た菅沼晃『誰でもわかる維摩経』1995円。
- 「維摩経は仏教ではない」とした、袴谷憲昭『本覚思想批判』、機会があれば読んでみてください。
- 盂蘭盆経
- 講話は松原泰道『盂蘭盆経を読む』(残念ながら絶版)、経典の読み下し・成立などは、柴崎昭和『お盆と盂蘭盆経』1680円。野口禅教『開甘露門の世界』3360円には現代語訳もついて、丁寧。
- 経本は、鴻盟社から出ている訓読の『盂蘭盆経』420円。
- 法句経
- 法句経は南伝と北伝とありますが、南伝は友松円諦『法句経』講談社文庫1208円に尽きます。岩波文庫『真理のことば・感興のことば』中村元945円でも読めます。
- 北伝は常盤大定『法句経』岩波文庫ですが、絶版であります。
- 講義は、AKラジオ講義の友松円諦『法句経講義』講談社文庫1260円に尽きます。
- 変わったところでは『ダンマパダの教え』上村勝彦がありますが、絶版です。
- 父母恩重経
- 経本は840円で発行しています。訓読です。
- 二昔まえ、薬師寺の若き高田好胤管長の『母』が父母恩重経ブームを起こしました。現在では在庫しておりません。
- 松原泰道『父母恩重経を読む』は、発行されて以来、小店でのロングセラー、残念ながら品切中。
- 施本用の冊子『仏説父母恩重経講話』永久岳水231円もロングセラーです。
- 父母恩重経の真読の経本を探されている方が大変多いのですが(写経用?)、存在しません。漢文でよければ、大正新脩大蔵経第85巻収録のものは松原泰道本についています。が、流布している訓読の父母恩重経とはかなり違っています。
- 諸本の違いについては『父母恩重経を讃ふ』中川善教(昭18年発行・絶版)が詳しいです。
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