リリアン・テルミ・ハタノ
近畿大学 総合社会学部 准教授
最終更新日 2007年10月7日
(2007.11.6.リンクを修正しました)
論文・エッセイなど
1997 | 多言語・多文化社会におけるIDENTIFICATION −在日日系ブラジル人児童・生徒の事例を通して− | 大阪大学大学院言語文化研究科修士論文 |
1999 | Japanese "pull out" classes: a new "community of practice" for the newcomers in Japanese public schools | 『大阪大学言語文化学』Vol. 8:47-56 大阪大学言語文化学会 |
→西欧先進諸国に続いて日本もまた、膨大な数のニューカマーを受け入れはじめている。その多くは南アメリカ、主にブラジルからの移入者である。1990年6月の「出入国管理及び難民認定法」施行以降、日本の公立学校もこの移入に伴う衝撃に直面することになった。 本論文は、伝統的「同一性」を重んじる日本の教育現場において新たに形成されつつある「実践共同体」について考察する。 ニューカマーの数的増加と共に彼らの文化的・言語的背景の多様さも教育現場に持ち込まれ、彼らの多様な背景を公立学校でどう扱うか、注意深い計画が期待されることになった。しかし、現実には、状況を改善するためにとられたはずの手段のほとんどが、同一校内に別個の新しい集団を形成するという結果になった。そして、ほとんどのニューカマーが自分たちの住む社会への平等な参加機会を得られずにいる。 |
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2001 | What's in a name? The case of Brazilian children in Japanese public schools | 『大阪大学言語文化学』Vol. 10:37-58 大阪大学言語文化学会 |
→日本在住の「日系ブラジル人」の子どもたちが自分の名前をどのように使っているかを検証する、エスノグラフィーによる研究である。 | ||
2001 | Usage of Names among Minorities in Japan- The case of Nikkeijin children in Japanese schools | 大阪大学大学院言語文化研究科提出博士論文 |
→日本社会におけるマイノリティーの個人名の扱いについての研究である。日本社会は特にマイノリティの子どもがどのような名前を名乗るか、個人の選択肢に影響し、制限していることについて、4市町村でフィールド調査を五年間にわたって集めたデータ分析に基づく。 | ||
2002 | 日本におけるマイノリティの個人名扱いについて─ 言語文化教育を「人間教育」としてとらえる立場から─ | 森住衛(監修)・言語文化教育研究論集編集委員会(編)『言語文化教育学の可能性を求めて』三省堂、3-17頁 |
→The Japanese Language Council suggested that the Japanese name order, family name-given name, should not be changed even when romanized, as part of the Japanese tradition, contrary to the custom nowadays. Six out of seven major publishers of textbooks used in teaching English in Japan have decided to follow the Council's suggestion, effective 2002. This study takes this opportunity to review the treatment given to names of minority children enrolled in Japanese schools. The choice on how one wants to romanize one's name should also be given to minority children studying together with Japanese. We believe that showing flexibility and respect to how individuals want to be addressed is fundamental to accept differences and to coexist with people from highly diverse backgrounds. We suggest that the coexistence in the same community of different names based on different cultural traditions is a barometer to a flexible and open society which respects basic linguistic human rights. This study also intends to show that it is a good opportunity to review the essence of teaching foreign languages in Japan. We emphasize that language and culture education should offer a wider view of the world to improve relations and mutual understanding among cultures. Learning other languages and cultures gives people the chance to see the world, society and its various issues from different perspectives, a key element in human formation and understanding social dynamics. |
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2002 | 日本における多文化共生の可能性とは | 甲南女子大学『多文化共生学科ニュースレター』1号、14-19頁 |
2002 | 多様な背景の子どもたちの名前表記の問題 | 兵庫県在日外国人教育研究協議会『21世紀兵庫の学校デザイン:理念・調査・提言』外国人の子どもに関する教育将来構想検討委員会報告、37-41頁 |
2002 | 外国人の子どもたちの学校への不安と不登校 | 兵庫県在日外国人教育研究協議会『21世紀兵庫の学校デザイン:理念・調査・提言』外国人の子どもに関する教育将来構想検討委員会報告、42-49頁 |
2003 | 『在留外国人統計』(平成14年)からみる日本社会の多民族状況 | 『多文化社会研究』創刊号、甲南女子大学多文化共生学科、33-44頁 |
2003 | 地方自治体の取り組み:滋賀県内の市町村を例に | 大阪大学21世紀COEプログラム「インターフェイスの人文学」「言語の接触と混交? 日系ブラジル人の言語の諸相?」第二部、第3章 地域社会およびNGO/NPOの取り組み、1節 |
2003 | なぜ母語が必要なのか。日本が問われているのは何か。
(PDF版116KB) |
『GLOBE』No.35/2003.秋 |
2003 | 在日外国人の視点から見える日本社会
(PDF版584KB) |
『じんけん』No.271/2003.11月 |
2004 | 「滋賀県議会会議録」に現れた「外国人」認識 | 『多文化社会研究』第2号、甲南女子大学多文化共生学科、31-50頁 |
2004 | 日本社会がもとめた移住労働者たち | 『多みんぞくニホン−在日外国人のくらし−』国立民族博物館 |
2004 | 積極的な行動で多文化共生を幸福なものに
(PDF版132KB) |
『同和教育』No.508/2004.7月 |
2004 | 座談会「多文化社会におけるNPOの役割」について |
『NPOジャーナル』8号 −特集「多文化社会ニッポン」、20-26頁。 |
2005 | 「外国人名」 |
真田信治・庄司博史『事典:日本の多言語社会』岩波書店、134-137頁。 |
2005 | ‘Panorama geral da Educacao das criancas brasileiras no Japao’ | Simposio Internacional de Educacao Comparada Brasil- Japao, Symposium Proceedings: September 10th and 11st,, 2005, Symposium of Comparative Education Brazil and Japan, Organized by ISEC,SBPN. |
2006 |
【書評論文】「新たな到達点」にして「新たな出発点」−梶田孝道・丹野清人・樋口直人『顔の見えない定住化−日系ブラジル人と国家・市場・移民ネットワーク−』を読む− (PDF版448KB) |
『ラテンアメリカ研究年報』No26、141-167頁 |
2006 | 在日ブラジル人児童の教育から見る日本社会の多民族化状況
(PDF版448KB) |
『言語文化研究』17巻3号:195-208立命館大学国際言語文化研究所 |
2006 | 多文化保育園の可能性 | 『子ども学』第45回公開シンポジウム、甲南女子大学国際子ども学研究センター 8:93-114頁 |
2006 | 日本における継承語教育のあり方についてー関西地域の取り組みから見えてくるもの |
『言語的マイノリティ生徒の母語教育に関する日米比較研究』 課題番号 15530557 平成15年度〜平成17年度 科学研究費補助金 基盤研究(C)(1) 研究成果報告書 研究代表者:太田晴雄(帝塚山大学人文科学部教授) |
2006 | 在日ブラジル人を取り巻く「多文化共生」の諸問題 |
植田晃次・山下仁『「共生」の内実─批判的社会言語学からの問いかけ』三元社、55-80頁 |
2006 | 差別を生み出す構造を突き破りために−移住者・外国人の立場から− | 反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)編『「周縁化」「不可視化」を乗り越えて−人種主義・人種差別等に関する国際特別報告者の日本公式訪問報告書を受けて』[現代世界と人権20] 解放出版社、90-101頁 |
2006 | 在日ブラジル人の語るものとは |
庄司博史・金美善『多民族日本のみせかたー特別展「多みんぞくニホン」をめぐって』 国立民族学博物館調査報告書 SERシリーズ64、139-159頁 |