| Julien BAER ジュリアン・ベール |
97年度上半期お騒がせ大賞君といえば、この人。本アルバムにてデビューの新人ですが、いきなり30過ぎでいい味出ちゃってます。レコード会社(メジャーですね)側のスタッフにヤル気があるんだかどうなんだか、ってくらい脱力感漂うボヤーっとしたこのジャケ写。てっきり、60年代のカルトなフォークシンガーの再発モノかと思っていた人も多いと聞きます。
確かにここでは、新しいことは何も起きてません。漂っているのは、記憶の中にしか存在しない乾いた太陽の匂い。幸せなような、人恋しいような、ちょっとつつかれたら涙がこぼれちまうような、日に褪せた色合い。やっぱレトロ野郎なこいつの場合、カトちゃんが50-60年代を眺めていたのに対し、もっとパーソナルでともすれば自己満足に陥りがちな「オレのレトロ」、則ち彼が実際体験してきた70年代を向いている。
単身乗り込んだアメリカで奇跡的に巡り合えた、フィル・スペクター関係者のベテランおっさん連中との、ジュリアン本人にとっては「夢のセッション及びレコーディング」だった訳で、そりゃあもう皆さん、「いい仕事してますねぇ」なのだけど、何かと物議をかもし一部の世間を騒がせた、BURGALAT大先生& Louis Philippeギター星人によるアレンジ@ロンドンの味わいが、やっぱり活かされているんだよな、と私も思います。でもやっぱり喧嘩はしない方が双方にとって良かったとも、思います。大人(もといオヤヂ、なんて意地悪言わないからさー)でひょ?
●22 Janvier 1998
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