Bertrand BETSCH
ベルトラン・ベッチ


La soupe à la grimace.

(4/1997)

私の贔屓にしてるLithiumレーベルからの新人君。ノリとしてはレーベルメイトのJérôme Minière君と似たような感じです。こっちの方がもちょっとオトナ(26才)で、もちょっとポップに音楽してて、もちょっと傷つきやすくて、もちょっと絶望してて、諦めてもいる。

終始、薄笑みがはりついたような穏やかな表情で歌う。もともと高めの声は、押し殺したかのような、喉を締めつける発声(これはちょっとクセになるかも)。

ギター・ピアノ(オルガン・シンセ)・ベースを自ら弾く。メロディーはこれといって捻くれているわけじゃないし、アレンジもいたってシンプル。Little Rabbitsのクリスティアン・ケルマレがベースやドラムでお手伝いしてる多くのトラックは、珍しく「丁寧な」宅録風で、とっても聴きやすい。チェロとかクラリネットが入ってインテリヨーロッパ系に傾く曲もちらほら。全体的にピアノの単音弾きが印象的な、お行儀の良い、解かりやすい、暗めにメランコリックではあるけど、それ以外これといって特筆すべき点が見当たらない音。

やっぱこの人、詞がポイントなんだろうな。結構病んでる。メトロに飛び込んだりしないぞ、それじゃぁおまえの思うつぼだから、とか。サイコキラーが、頼むからそれ以上近づかないでくれ、でないとXXXしてしまう(とてもじゃないがここでは書けない)よ、って懇願してたり。やけに敗北感にさいなまれていたり。ただこれ、奇をてらってそんな題材を選んでる訳ではなさそう。つまりストーリーテラーではないんだなー、この人。普段の生活のなかから生まれてきた、この人にとっては極めて率直な言葉を編んだ日記帳、というのがこのCDに一番近い比喩ではないだろか。

今秋のリチウム祭りでは、殆ど一人でギター弾き語りらしいんだけど・・・曲が結構どれも似てるもんだから、ちょっとキツイものがあるかも。余計なお世話だけど、ヤル気だせよ!ってハッパかけたくなる。そりゃぁさ、バンドひっぱってライブやるのって、大変だけどさ。アレンジいじったらかなり面白くなると思うんだけどなぁ。勿体ないなぁ。という訳で、次作に期待。

なんか、結局どーでもいいようなレヴューになってしまったなぁ。でも実際このアルバム、"何をきかれても「別に・・・」が口癖の人"、そんなムードが支配してる。どんより曇った肌寒い一日の終りに聴くのがちょうどいい一枚。 ●5 Octobre 1996


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